ケルンのベルギー地区に、ハインリッヒというホームレスがいた。彼はいつも同じスーパーの前に座っていたので、顔見知りも多かった。ところが、この9月末、彼の訃報が地報紙に。死因はヘロインの過剰摂取だった。彼を知る人々は悲しみ、花を手向ける人も。ところがどっこい、死んだはずの彼がひょっこり出現した。実は、教会の募金を盗んだ罪で警察に拘留されていたのだ。幻の死によって有名になった彼は、ちょっと町を歩いただけで200ユーロものお金を恵まれた。それなのに、ビールを飲んで酔っ払ってしまい、目が覚めるとそこは病院。お金はすべて盗まれて、再びベルギー地区に戻った彼だが、11月14日、腎不全で本当に亡くなってしまった。今月、衣料品店の店主の好意で彼の葬儀が執り行われ、40人もの人々が参列したそうだ。
15 Nov. 2024 1230号
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