バーデン=ヴュルテンベルク州ジンゲンに、国内唯一の高齢受刑者専用の刑務所がある。ここで服役するのは58歳以上の受刑者。囚人は7:00~22:00まで所内を自由に動き回ることができ、週2回の作業療法の時間のほか、料理教室や記憶トレーニングなどのプログラムが提供されている。外部との面会時間も、通常の刑務所が週2時間以内まであるのに対し、ここでは6時間。まるで監獄とは思えない贅沢な環境だが、マウス所長は「被害者の苦しみよりも加害者の福祉を優先させているわけではない。通常の刑務所では高齢の受刑者は常に弱者。でも、ここでは騒動が起きたことは一度もない」と語る。面会時間を多めに許可し、様々なプログラムを提供しているのも、困難な出所後の社会復帰を少しでもスムーズにするためなのだそうだ。
15 Nov. 2024 1230号
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