ドイツにおけるエコ意識は高く、消費者は常々ビオやフェアトレードの食品を買いたいと思っている。“思っている”というのは、実際にはつい特価品に手を伸ばしてしまうからだ。社会エコロジー研究所のズンデラー氏によれば、その原因は懐事情ではなく人々の習慣にあるという。いつも同じスーパーで同じ物を買う。陳列棚の前で考える時間はわずか数秒。買い物におけるこのようなルーティン行動が、ちょっと離れたビオのお店へ出向く意志を削いでしまう。さらに、大好きなチョコレートがフェアトレード商品でないと知っても、それを断つのは至難の業。ズンデラー氏は、消費者の意識改革の必要性と同時に、複雑なビオ認証制度の簡素化を訴えている。それでも一方で、ドイツ人が欧州一の“バーゲンハンター”という揺るぎない事実はあるのだが。
20 Dez. 2024 1232号
英国・世界・日本の
報道1年分をおさらい!
ニュースサマリー2024