「無人機」という言葉に漂う軍事的な意味合い。実際、国防省による無人戦闘機購入をめぐるスキャンダルは記憶に新しい。どこか危険な香りがする存在であるため、昨年、米通販大手アマゾンが無人機による商品発送を打ち出したとき、「また軍がおかしなことを考えたものだ」「飛行中に、下の通行人の頭上に荷物が落ちたらどうする?」といった懸念が飛び交った。しかし、いよいよドイツでも物品空輸に無人機が導入されることに。物流大手DHLが北海ユイスト島の薬局に、無人機で薬品を運ぶことを決めたのだ。それも、飛行士による遠隔操縦ではなく自動操縦装置による飛行。ただ、ルートは陸地から最も離れた海岸線を通るなど、航空交通規定に従って安全面には十分配慮するという。人間が全く関与しない物流の形が実現しようとしている。
15 Nov. 2024 1230号
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