童話でおなじみのグリム兄弟。ドイツでは言語学者としても知られ、編さんを手掛けた『ドイツ語大辞典』はドイツ語の辞典の金字塔と称されている。ところが、この辞典編さんという着想が実はグリム兄弟以前にあったという説が出てきた。文化史家のマンフレッド・カッペラー氏は、著書『レッシングの箱(Lessings Kiste)』(2014)の中で、グリム兄弟が編さんに着手したのは1838年だが、その80年前には啓蒙主義者のレッシングとニコライの間にドイツ語の辞典を制作するという案がすでにあったと述べている。膨大な書籍を有していたニコライは、そこにあるおびただしい数の語彙をアルファベット順に並べた辞書を作成する構想を持っていたという。カッペラー氏は、グリム兄弟にこの案を知る機会があったと検証しているが、真相はどうだろうか。
15 Nov. 2024 1230号
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