毎年9月20日は「Weltkindertag」(世界こどもの日)。この日、ドイツ各地で子どもたちや家族向けのフェスティバルやキャンペーンが開催され、祝日にしている州もあります。これは1954年に国連の提案で「世界こどもの日」が設定され、子どもたちの権利や人権について考える日となったことに由来します。
1万人の来場者が訪れ家族連れで大にぎわい
2024年の今年は70周年の節目の年に当たります。ドイツのユニセフを中心に「Mit Kinderrechtenin die Zukunft!」(子どもの権利と共に未来へ!)というモットーが掲げられ、ノルトライン=ヴェストファーレン州でも前後の週末には、関連イベントが多数行われました。わが家はデュッセルドルフの隣街であるクレーフェルトで開催されたFamilienfestに行ってきたので、そのことについてレポートしたいと思います。
会場は、クレーフェルトの中心にある森Stadtwal d。デュッセルドルフからは車で30分ほどのところ。東京ドームくらいの広さで、ハイキングコースで散歩したり、レンタルボートを借りて池を周遊したりできるほか、競馬場やテニスコートも併設され、普段から老若男女問わず楽しめる市民の憩いの場です。
60ブースが並び、スポーツやクラフト体験ができます
「世界こどもの日」にちなみ、子どもたちが楽しめることをテーマに企画されたFamilienfest。今年はお天気にも恵まれ、1万人近い来場者を記録しました。イベントは毎年池の周りの広場を中心に開催され、12回目の今年は60のブースが並びます。会場の中に入ると消防車が出迎えてくれ、カラフルな風船やテントが並び、子どもたちがわくわくするような雰囲気。バンジージャンプしながら跳ねるトランポリンや巨大な滑り台、ミニサッカーや自転車コースから、ペインティングや絞り絵、工作などのクラフト体験まで。さらに消防車に乗せてもらえたり、動物に触れ合えたりするコーナーなど、子どもたちが楽しめるアクティビティが盛りだくさんでした。会場には特設舞台も設けられ、子どもたちがダンスやバレエの発表をするプログラムも。わが家の3歳の娘も、この春から通い始めたバレエ教室でお友だちと一緒に出演し、大勢の観客の前で一生懸命練習した踊りを披露しました。
ストーンペインティングに挑戦!
ドイツに住んでいると、社会全体が子どもに優しいと感じることがよくあります。ベビーカーを押していると電車やエレベーターに優先して乗せてもらえ、階段や段差はこちらからお願いしなくても当たり前のように周りの方が手を貸してくださり、目が合うとにっこり笑ってスモールトーク。実際、今朝もお買い物に行くと、「娘さんにどうぞ!」とパン屋さんではクロワッサン、お肉屋さんでハム、マルクトの八百屋さんでバナナやミカン、お花屋さんでは1輪の花をおまけでいただきお土産たっぷりで帰ってきました(笑)。今日はなんてことのない、普通の日。日常的に子どもたちへの優しさがあふれているところは、ドイツですてきだなと思うことの一つです。
出版社勤務ののち、夫の駐在に伴い2019年7月に渡独。現在は、デュッセルドルフ生まれの3歳と0歳の娘の子育てに奮闘中。趣味はライン川での散歩と、パンやお菓子を焼くこと。