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生まれたままの姿で海へ!バルト海のヌーディストビーチ

夏がやって来ましたね。バルト海を臨むダース半島の村々は、コロナ禍で観光客がいなかった時期がまるで嘘だったかのようににぎわっています。屋内やスーパーでのマスク着用義務などはもちろん継続中ですが、今年も海を求めて南はバイエルンから数時間かけて来たという方も少なくありません。

FKKビーチの始まりを示す看板FKKビーチの始まりを示す看板

そんな憧れの白い砂浜を散歩していると、まるで露天風呂にでもつかるかのごとく、全裸で海を満喫している人々の姿が……。そう、ここ旧東ドイツ地域の砂浜には、ヌーディストビーチが数多く存在するのです。今回は、いろいろと誤解の多い旧東ドイツのヌーディスト文化、通称「FKK」についてレポートしたいと思います。

FKKとはFreikörperkulturの略で、直訳すると「身体の解放文化」。1900年ごろから欧米で「服やコルセットからの解放」を目的に始まったものだそうです。旧東ドイツでは1970年代がFKKのピークで、家族や友人と「FKKキャンプ」をするのが夏のアクティビティーの一つでした。旧東ドイツでFKKが普及した理由は、「圧政からの解放」。そして嘘か誠か、当時は「すてきな水着がなかったから」という噂もささやかれています。

FKKビーチはここで終わりFKKビーチはここで終わり

私が初めてFFKを知ったのは、学生時代に友だちとポツダムの湖を散歩していた時のこと。前方に全裸で歩く男性を見かけて周りを見渡すと、老若男女が全裸で芝生に寝転んだり、談笑したりしているではありませんか。その光景は、当時の自分にとってまさにカルチャーショックでした。

あれから20年経った今、素っ裸で水や風に触れる気持ち良さに魅了され、私もすっかり「FKKな人間」になって夏のビーチを満喫しています。絶対に強調しておきたいのは、FKKには決して性的な目的などないということです。とはいえ、FFKのような文化に触れず育ってきた人にとっては、いきなりFFKを楽しむことは難しいかもしれません。そのためバルト海のビーチでは、FKKのビーチと水着を着用するビーチが分けられています。またFKKビーチでは、全裸でも水着でもOKです。

FKK砂浜の入り口にはFKKの可否が明記されていますFKK砂浜の入り口にはFKKの可否が明記されています

基本的にFKKビーチは空いているので、周りの人の様子が気にならなければ本当にのんびりと過ごすことができます。昨今ではFKKをする人も少なくなってきているようで、FKKビーチにいるのは基本的に家族連れか、ご年配のご夫婦がメインです。どんなものなのか試してみたくなったら、まずはタオルを1枚持って朝の浜辺に行ってみましょう。というのも、バルト海の観光客は基本的に朝寝坊。ほとんど人がいない早朝の砂浜は、FKKをお試しするのにぴったりです。

ハス エリコ
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
griffin-guides.com
 
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