ジャパンダイジェスト

クリスマスには始まっている!? バルト海のリゾート予約争奪戦

「来年のことを言えば鬼が笑う」なんてことわざがありますが、休暇に全力を注ぐ多くのドイツ人にとっては、年末こそが来年の休暇先を決める重要な時期です。つまり、クリスマス休暇の時期から夏の宿泊予約争奪戦が熱を帯びてくるのです。むしろ今の時期では、少し遅いと言っても過言ではないかもしれません。

私の夫の家族は、旧東ドイツ時代からバルト海のダース半島にて、ゲストハウス(ドイツ語でFerienwohnung)を経営しています。その予約管理をしている夫曰く、「現時点(2020年11月中旬)で、超ハイシーズンの7月中旬〜8月中旬の予約はすでに埋まっている」とのこと。ドイツ人の一般的な休暇は、最低でも2週間。また、毎年お馴染みのゲストハウスに泊まるという方もいて、休暇の最終日に「では来年もよろしくね」と予約をして帰っていく常連さんも少なくありません。

寝室も二つある4人用のお部屋寝室も二つある4人用のお部屋

ゲストハウスでは、自宅と同じようにくつろげる部屋を提供するのが一般的。朝食サービスを提供している所もありますが、基本的には自炊もしくは外食です。また、滞在中の清掃サービスも基本的にはありません。だからこそ、ホテルより断然安くて広いお部屋で過ごすことができるのです。お客さんの多くが2週間ほどの長期滞在をするため、この長く貴重なUrlaub(休暇)の時間を過ごすことになる場所を選ぶのに、ドイツの人たちはとても慎重。じっくりと検討できる時間がある年末年始の休暇が勝負なのです。

さて、2週間も同じ場所で過ごす人々は、何をしているのでしょうか。泊まりに来られるお客さんたちは、とにかく日常を忘れてリラックスしています。のんびりと朝寝坊をし、テラスで朝ごはんを食べて読書をし、気が向いたらお散歩に海や森へと出掛け……。また、大自然の中で毎日とにかくジョギングをしたり、サイクリングを楽しんだりするスポーティーな方も。ちなみに、私は彼らの様子を横目に庭仕事などをしていますが、私自身にとっても、仕事終わりにバルト海に飛び込めることほど最高なことはありません。「ああ、これは2週間くらい滞在したくなるよね」と、砂浜に寝転がりながら空を飛ぶカモメを眺めています。

真夏のダース半島の森真夏のダース半島の森

こんなことを書いていたら、太陽の高い夏の空が恋しくなってきてしまいました。2020年は新型コロナウイルスの影響で、さまざまな場面で我慢を強いられる年だったように感じます。そんな1年を振り返る今こそ、鬼に笑われるかもしれませんが、太陽の光が降り注ぎ人々の笑顔が溢れるバルト海のビーチを求めて、夏休暇の宿泊先争奪戦に繰り出すのも良いかもしれませんね。

白い砂浜と青空が美しい夏白い砂浜と青空が美しい夏

あっという間に過ぎた怒涛の2020年、今年も大変お世話になりました。元気がなくては休暇も楽しめません。皆さんもどうぞ、健康第一でお過ごしください。

ハス エリコ
ロストック在住。ドイツ北東地方の案内人、そしてシュヴェリーン城公認ガイド。ツイッターで観光、街、大好きなビールについて、ほぼ毎日つぶやいています。
Twitter: @rostock_jp
griffin-guides.com
 
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