ルバーブ・Rhabarber
ルバーブと聞いて馴染みがなくても、赤いセロリみたいで、なぜか果物コーナーに置いてある野菜……といえば、ピンとくるかもしれない。編集部から食材のテーマをいただいたときは「?」だったが、市場で買い求め、さらには近所の畑で、ふきにも似た濃緑の大きな葉をさわさわ揺らしているのがルバーブだとわかると、なんだか俄然、愛着がわいてきて、以降、毎日ルバーブ三昧。
日本名は大黄。シベリア産のタデ科の植物で、瀉下(しゃげ)作用があることから漢方薬としても使われている。食 べられるのは赤い茎だけだ。味見とばかり生のまま齧っていたら「腹こわすよ」と主人の一言。薬と毒は表裏一体なのであった。くわばら、くわばら。
ところで気になるお味だが、青りんごをもっと酸っぱくした感じ。砂糖をたっぷり加えて煮つめ、ジャムにしたり、バターやアーモンドなどを練りこんだ生地に入れて焼いたりするのが一般的だ。一見、手ごわそうな繊維質だけれど、適当な大きさに切って皮ごと10分もゆでると、あら不思議、はらはらと繊維がくずれ、とろとろに。ほんのりワインレッドなのが心憎い。
すももに似た酸っぱさが、午後のガーデンティーにぴったり。ドイツ風にクリームを添えてどうぞ。
パイ生地(市販のパイシート1枚で もOK) | |
ルバーブ |
500g
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ラム酒 |
50ml
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水 |
75ml
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砂糖 |
100g
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ヘーゼルナッツ(刻んだもの) |
40g
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スターチ |
大さじ3
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1. | ルバーブは、両端を切り落とし、5センチくらいの長さに切る。 |
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2. | 鍋にルバーブ、ラム酒、水、砂糖、ヘーゼルナッツを加え、中火にかける。 |
3. | 煮立ったら弱火にし、ルバーブが8割方とろけるくらいまで煮る。 |
4. | 水で溶いたスターチを入れ、とろみがついたら火からおろし、冷ましておく。 |
5. | パイ生地を型にぴったりと張り付け、ふちからはみ出た分は切り落とす。 |
6. | 4.を型に入れる。 |
7. | 残ったパイ生地で表面を好みに飾る。(パイの表面に卵黄をはけでぬり、照りをつけてもよい) |
8. | 180度に温めたオーブンで1時間ほど焼く。 |
* パイ生地の作り方
粉 |
200g
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バター |
120g
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砂糖 |
大さじ1/2
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塩 |
少々
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卵黄 |
1個分
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冷水 |
80cc
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1. | 粉をふるい、バターは薄く切って冷蔵庫で冷やしておく。 |
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2. | ボールに粉とバターを入れ、ナイフを使って全体がぽろぽろになるまで混ぜる。 |
3. | 真ん中をへこませ、そこに砂糖、塩、卵黄、冷水を入れ、菜ばしでざっくりと混ぜ合わた後、手でひとつにまとめる。(この時、生地がだれるようであれば、一度冷蔵庫に入れて固める) |
4. | 打ち粉をした台の上にのせ、めん棒で伸ばし、半分に切り、重ねる。これを4~5回繰り返す。 |
5. | ラップにくるんで冷蔵庫で1時間ほど寝かせた後、めん棒で3ミリほどに伸ばして使う。 |
ルバーブの酸味には、豚や鳥のもも肉など脂分がほどほどにある肉が合う。細切り玉ねぎとルバーブを中火でじっくり炒めて肉に添えたり、刻んでマリネに使ったり。春から初夏のさわやかな味わいです。
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