ジャパンダイジェスト

大根・Weißer Rettich

大根・Weißer Rettich

流れ行く 大根の葉の 早さかな  虚子

大根大根と言えば、言わずと知れた冬の季語というのは、はるか日本の話。ここドイツでは、大根の旬は夏だ。

かつて早目の夏休みを過ごしたイタリアからの帰路、立ち寄った南ドイツの小さな町は大根の産地らしく、どのレストランにも「Weißer Rettich」の看板が。

好奇心につられ注文してみると、皮をむいた大根が丸ごと1本、細かく切り込みを入れられ、大皿の上に王冠のように盛り付けられて出てきた。ただ塩を振っただけの味付け。最初はぶったまげたものの、ジューシーで、ほんのり甘く、さっぱりさわやか。猛暑の中の長距離ドライブの疲れが瞬く間に吹き飛んだ。

ドイツの大根は日本に比べ小ぶりで、皮を除けば辛さはあまりない。たまに「す」が入っていることがあるが、大抵の場合、それは古くなってしまったから。みずみずしいものを選び、できるだけその日のうちに調理しよう。加熱したときの匂いを嫌うドイツ人もいるし、夏だもの、すっきりと味わいたい。

大根のカルパッチョ

バーベキューの付け合わせにもぴったり。山羊のチーズは手でちぎるとよく味がしみこみます。

材料
大根
1/2本
マッシュルーム
150g
バルサミコ酢
70g
しょうゆ
大さじ1
塩・こしょう
適宜
砂糖
大さじ1
トマト
2個
山羊のチーズ(羊でもよい)
100g
オリーブ油
好みの量
パセリ
適宜
大根のカルパッチョ
作り方
1. マッシュルームは細かく刻み、バルサミコ酢、しょうゆ、塩・こしょう、砂糖と混ぜ合わせ、しっかり味が馴染むよう冷蔵庫で2~3 時間寝かせておく。
2. トマトは湯むきし、冷蔵庫で冷やしておく。
3. 大根の皮をむき、2ミリくらいにスライスして皿に並べる。その上に手でちぎったチーズをのせていく。
4. トマトの種をとり、小さく切って①と混ぜ合わせる。
5. ④を③にのせ、オリーブ油をかけて、パセリを飾る。
チーズによって塩分が違います。薄味であれば食卓に塩を。また、大根を塩もみしておくと、味がしっかりし、しんなりしますが、一方でシャキシャキ感がなくなります。
*番外編* 大根ときゅうりの漬けもの

我が家の常備食。きちんと蓋のできるタッパーで保存すれば、冷蔵庫も臭くならず、1週間くらいはもちます。

材料
大根
1本
きゅうり
1本
大さじ2〜3
100ml
30ml
砂糖
大さじ3
粉末だし
小さじ1
昆布、唐辛子の輪切り
好みの量

作り方
1. 大根は皮をむき、2ミリ程度のスライスにする。きゅうりは適当な大きさに切る。
2. ①をボウルに入れ、全体に塩をし、重しをして水が上がるまで一晩くらい漬けておく。
3. 水を捨て、洗って塩を落とし、しぼってタッパーに入れる。
4. 残りの材料を加え、よく混ぜて冷蔵庫に保存する。
翌日くらいから食べごろです。
揚げた大根も試してみて!
大根のはさみ揚げ

包丁の背でつぶし、塩、酒、片栗粉を加えた海老とパセリ(シソでもよい)を大根スライスではさみ、衣にくぐらせ揚げるだけで「大根のはさみ揚げ」の出来上がり。

 
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