ジャパンダイジェスト

年末年始、お酒と上手に付き合おう

忘年会にクリスマス、新年会と、これからの季節はお酒を飲む機会が多くなりますね。アルコールには精神の緊張を解きほぐし、愉快な気分にする作用があります。その一方で、つい飲みすぎて次の日は二日酔いでぐったり……なんてことも。そこで今回は、お酒との上手な付き合い方をご紹介しましょう。

二日酔いの正体は、アルコールが肝臓で分解される際にできるアセトアルデヒドと呼ばれる物質です。アセトアルデヒドはTCAサイクルと呼ばれるエネルギーを代謝する回路に取り込まれ、炭酸ガスと水に分解されて体外に排出されます。しかし、この分解には一定の時間を要します。分解が追いつかず、体内に残ってしまったアセトアルデヒドが、不快感の原因となるのです。ビール1ℓを飲んだ際に摂取されるアルコールの量は約40g、これを分解するのに必要な時間は標準体重の男性で6時間と言われます。人それぞれの体質にもよりますが、翌朝すっきりと目を覚ますためには、500mlの瓶ビールなら2本が限度でしょう。

「え~! もっと飲みたいし飲めるよ」と思われた方。私も同感です!

年末年始、お酒と上手に付き合おう
自分のペースを守れば、最後まで楽しく飲めます

では、どうしたら翌日まで影響を残さずに楽しく飲めるのでしょう?

まず、お酒を飲む前に牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂ることをお薦めします。乳製品の脂質が胃腸に薄い膜を作り、アルコールの吸収速度を緩やかにしてくれます。そして、食事やおつまみと一緒に飲むこと。胃の中に食べ物があるとアルコールの吸収速度が落ち、血中アルコール濃度の上昇速度も緩やかになります。すきっ腹で飲むのはご法度。アルコールがすぐに吸収されて急激に血中アルコール濃度が上がりますし、胃の粘膜も荒れてしまいます。飲むとお腹が膨れて食べられないという方は、せめて牛乳を1杯飲んでからお酒の席に向かいましょう。

それでもつい飲みすぎてしまった時は、できるだけ沢山の水分を摂りましょう。アルコールの血中濃度が薄まって分解が促進されます。また、ビタミンも必要です。アセトアルデヒドは、炭酸ガスと水に分解される際、ビタミンB1、B2、B6、ニコチン酸、パントテン酸などのビタミンB群を大量に必要とします。ビタミンB群は豚肉や玄米に豊富に含まれていますが、飲み会の後ならサプリメントを利用するのも手です。ビールには、このビタミンB群が多く含まれています。

日本人の44%はアルコールを受け入れにくい体質で、そのうちの10%の人にはアルコールを分解する過程で必要な酵素が欠乏しているとか。昼間からビールを飲んでも平気なドイツ人は、日本人とは体質が違うことは皆さんもお気付きのはず。周囲の人々の飲みっぷりに左右されずに自分のペースを守って飲み、「もう少し飲みたいな」という程度で引き上げることが、日本人らしい「粋」な飲み方だと思います。もちろん、上記のアドバイスは私自身が数多くの失敗から学んだ教訓であることも付け加えておきます。

 
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