内臓料理 牛レバー編
「昔は生で食べたものよ」と言って、おそるおそる箸を伸ばす私の隣で生のレバーをぱくつくのはドイツ人の義母。胡麻油と塩を付けたレバ刺しは夫も子どもも大好きなので、肉屋の店頭に「Schlachtfrische Rinderleber」と掲示してある日だけ、生食もする。火を通すとぱさつきがちなレバー。やわらかくジューシーに仕上げるには、調理時に塩をふらない、そして加熱は3分を目途に。手早くシンプルな味付けが美味しさのコツです。
牛レバーのカツ、サラダ仕立て
トルコで食べたレバーの天ぷらがヒント。バルサミコの風味とよく合います。
4人分 | |
牛レバー(スライス) | 600g |
衣 小麦粉・卵1個・パン粉 | 適量 |
塩・こしょう | 適量 |
バルサミコ・クリーム* | 適量 |
サラダ 彩り良く、お好きな野菜でどうぞ。 写真は、マーシュ(Feldsalat)150gと赤パプリカ1個を使用。 |
1. | まずはレバーの下処理から。ドイツで売られている牛レバーは、すでに1cm程にスライスしてあるものがほとんど。これを冷水でよく洗って薄皮を取り除き、食べやすい大きさに切る。レバーが苦手な人は、さらに牛乳か酒に30分くらい漬けて血抜きすると臭みが少なくなる。 |
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2. | キッチンタオルでレバーの水気を拭き取り、小麦粉をまぶして溶き卵にくぐらせ、パン粉を付ける。 |
3. | 熱したフライパンに油(分量外)を引き、片面30秒ずつ、計1分程度揚げる。 |
4. | サラダ用の野菜は適当な大きさに切り、塩・こしょうをして皿に盛り付けておく。(塩・こしょうは多めに。そうしないと全体の味がぼけてしまいます)。 |
5. | ④の上に③のレバーをのせ、粗塩をふり、バルサミコ・クリームをかける。 |
*バルサミコ・クリーム Balsamico Crème 「お酢の貴婦人」と呼ばれるアチェト・バルサミコをベースに、甘味・調味料を加えて濃縮させたソース。レバーはもちろん、子羊や七面鳥などの肉類、魚や野菜にもよく合う。小瓶で売られていて、先は線が描けるように細くなっているので、仕上げにちょっと添えるだけで味も見栄えもぐんと良くなります。 |
ベルリン風レバーソテー
果実の甘みとレバーの相性が抜群。
4人分 | |
牛レバー(スライス) | 600g |
玉ねぎ | 大2個 |
りんご | 2個 |
塩・こしょう | 適量 |
1. | レバーの下処理は前述の通り。 |
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2. | 玉ねぎは千切り、りんごはいちょう切りにする。 |
3. | 油(分量外)を引いたフライパンで②を色付くまでじっくりと炒め、塩・こしょうで味を調える。火は中火。 |
4. | 油(分量外)を引いて熱したフライパンでレバーを焼く。強火で片面約1分半ずつ。 |
5. | ③と④を皿に盛り合わせる。 |
成牛(Rinder)と仔牛(Kalb)
仔牛は生まれて1年未満の、草を食べずにミルクだけで育った牛。肉も内臓も濃赤な成牛と比べて灰色がかったピンク色。レバー1つをとっても成牛の5倍と値段は張るけれど、やわらかさと繊細な風味はやっぱり魅力的。
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