ジャパンダイジェスト

中国のビール祭り

まずは下の写真をご覧ください。どこのビール祭りだと思いますか?風に翻るドイツ国旗に巨大なテント。でも、屋台の文字は漢字ですよね?実はこれ、日本の企業も多く進出する中国の国際貿易都市、大連で開催された「中国国際ビール祭り」で撮ったものです。今年で14回目を迎えたこの祭りには、国内外から多くの観光客が押し寄せ、大変な賑わいを見せました。  

中国国際ビール祭り
ドイツの乾杯の歌「Ein Prost!」も中国語で歌われる。
イー、アル、サン、カンペー!

中国のビール消費量は、過去8年連続で世界一。2010年の統計によると、世界の消費量は1億8269万キロリットルで、うち中国が4468万キロリットルを占めると言いますから、実に世界のビールの24.5%がこの国で消費されている計算になります。生産量も4483万キロリットルで首位。ところが、1人当たりの消費量を見ると中国は49位で、1位はチェコ、これにドイツが続きます。ただ、ヨーロッパで1人当たりのビール消費量が年々低下している一方、中国では増加しており、今後も経済発展に伴ってこの傾向が続くと見込まれています。もはやビール市場として中国を無視することはできなくなってきました。

「中国国際ビール祭り」は、アジア最大規模のビール祭りと言われています。今年は7月26日から8月6日まで開催され、ドイツやチェコ、米国、韓国など各国から30社以上が参加し、400種類以上のビールが集まりました。昨年までは日本のビールメーカーも参加していましたが、今年はその姿を見かけませんでした。  

各社、派手に装飾された巨大なテントを出しています。雪花やハルピン、青島など中国のビール会社のテントは特にギラギラのネオンサインで彩られていました。テント内では、スピーカーから大音量の音楽が流れ、大勢の人がビールを飲みながら大はしゃぎ。そのパワーには圧倒されます。ドイツからは、パウラーナーやクロムバッハのテントが出ていましたが、中の屋台で売られているものは、おおよそドイツとは程遠い海鮮料理や揚げ物、羊肉の串焼きなどなど。ムカデやサソリ、セミの幼虫を串に刺したものを売る店も 中国のビール祭り多く、ここが中国であることを実感させられました。  

ビールは水のように軽くぬるいものが提供されています。「医食同源」の考えにより、冷たい飲み物は好まれないためです。販売品は瓶が中心で、1本40~50元程度(1元≒13円)。市内の飲食店で飲むと8元程度ですから、5倍以上の値段です。  

爆音のような音楽に耳をふさぎながらビールを飲んでいると、ステージで来場者参加型のビール早飲み大会が始まりました。一気飲みを禁止する世界の風潮など、歯牙にもかけない様子。その他、パレードやコンサート、クイズ大会など様々なイベントで大いに盛り上がり、計12日間の開催期間中に来場者は130万人、ビールの消費量は1000トンを超えたそうです!

規模もカルチャーショックも半端じゃない中国のビール祭り。このようなビール祭りは北京やハルピン、青島でも開催され、同様に賑わうそうです。

 
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