ジャパンダイジェスト

世界遺産の富士山に乾杯!!

今年6月、富士山がユネスコの世界文化遺産に登録されました。記念グッズが販売されたり、富士登山者が増えたりと、日本では国を挙げてのお祝いムード。私もそのブームに乗り、8月に富士山に登ってきました。

富士山は標高3776m。ゴツゴツとした岩石や砂礫で覆われた活火山で、5合目を超えると草木が少なくなります。頂上に至る登山道は4ルートあり、最もポピュラーなのは富士吉田ルートですが、個人的には地形の変化を楽しめる須走ルートが好きです。近付いてくる山小屋や眼下に広がる雲の海、太陽の角度によって次々と表情を変える山肌は、ほかでは味わえない富士山の魅力です。

上までは、一気に登れば7時間程度。山頂で日の出を見るのであれば8合目辺りに点在する山小屋で一泊するのが一般的です。山小屋で仮眠を取り、深夜2時頃に出発して頂上を目指します。ご来光は4時半前後。富士登山が楽しめるのは7月から8月末までの短い夏の期間ですから、週末ともなると富士山は渋谷駅前のスクランブル交差点のような大混雑です。

メルツェン
富士山頂にて。
雲の上は別世界。登頂したときの達成感は何ものにも代えがたい!

さて、ビールはいつ飲むのか? 山小屋できつい登山靴を脱いだ時、夕飯に出される定番のカレーライスが世界一美味しかった時、雲海の隙間から朝日が昇ってくるのに心震えた時、気分的には「ビールで乾杯!」といきたいところ。同じことを考える人は多いようで、途中の山小屋や山頂で350mlの缶ビールが売られています。気圧の関係で缶が少し膨張しているのは、富士山ならでは。値段は定価の2倍以上しますが、運搬の苦労を考えると安いものです。

しかし、登山時のアルコール摂取には注意が必要です。飲酒は呼吸を浅くするため、高山病が起きやすくなります。富士山登頂の一番の敵はこの登山病です。山頂の空気は平地の60%しかなく、少し歩いただけでも息切れがします。意識的に深呼吸をすると同時に、ゆっくりと歩いて高所に体を順応させなければ、低酸素による頭痛や吐き気、眠気などの辛い高山病症状が発生します。重症の場合は肺水腫や脳浮腫で死に至ることもあるのです。私は山小屋でも山頂でも少し飲みましたが、数口で酔いが回ってしまいました。心が欲していても身体が受け付けてくれません。また、登った山は下らなくてはならないのです。帰りは砂だらけの坂を一気に転がり落ちる過酷な「砂走り」が待っています。これが本当に辛い! 酔っぱらっている余裕はありません。

やはり、富士山では下山後に飲むのが得策です。富士桜高原ビール、御殿場高原ビール、ふじやまビール、富士山村地ビールなど、近辺には富士山の伏流水を使用した高品質なドイツスタイルのビールが造られています。下山後に自分が登った富士山を眺めながら温泉に浸かり、辛く楽しかった行程を振り返りながら、湯上りにゴクッと飲むビールの味は間違いなく日本一です。

 

 
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