日本のシンボル富士山を望む地ビール醸造所「富士桜高原麦酒」のヴァイツェンが、先頃米国で開催されたコンペティション「World Beer Cup(通称WBC)」で銀メダルを受賞しました。1997年の開設時からここの醸造長を務めるのは宮下(みやした)天通(ひろみち)、通称「てんつうさん」。彼が造るビールを飲みに、醸造所を訪れました。
ちょっと強面だけれど、ビールに熱い情熱を注ぐてんつうさんは
日本の地ビール界の“兄貴”
南ドイツスタイル・ヘーフェヴァイツェン部門での銀メダル獲得、おめでとうございます。
ありがとう。WBCは2年に1度米国で開催されているビールのコンペティションで、いわばビールのオリンピックのようなもの。今年も世界58カ国、1403醸造所が94のカテゴリーにエントリーしました。富士桜高原麦酒は4大会連続5度目の受賞です。賞が欲しくて造っているわけではありませんが、ドイツの伝統的な醸造所に並んで、自分のビールが受賞したのは嬉しいです!
実は表彰式で、「ドイツから出場の富士桜ブルワリー」ってアナウンスされたんです(笑)。日本なのに! きっと、ドイツ以外の国が受賞するとは思われていなかったのでしょうね。
多くの地ビール醸造所が多様なスタイルのビールを造る中、ドイツスタイルのものだけを造っている理由は?
やはり、ドイツビールが好きだからでしょうね。17年前に会社から「お前、ビールは好きか? 醸造所を立ち上げるつもりだが、お前がやるか?」と言われて「はい」と即答したら、ミュンヘンのデーメンス醸造専門学校に行かせてくれました。それがドイツビールとの出会いです。ミュンヘンに到着してすぐに飲んだヴァイエンシュテファンのビールの美味さに驚き、街では1リットルジョッキを手に、皆でワイワイ楽しそうにしゃべっている姿に感動し、もう嬉しくてじっとしていられませんでした。自分が造りたいものは、そんなドイツビールの特徴でもある「ドリンカビリティー」、飽きずに何杯でも飲めてしまうビールなのです。
確かに富士桜ヴァイツェンは、フルーティーなのにキレもあって何杯でも飲めてしまいます。
ビールの要となる水は富士山の伏流水を、麦とホップはドイツ産のものを使い、丁寧に仕込んでいます。丁寧な仕事は日本人の得意分野です。うちの定番はヴァイツェン、ピルス、ラオホ、シュヴァルツヴァイツェン。シーズナルでボックやラオホヴァイツェンなど変わったものも造っています。どれも美味しいので、ドイツビール好きの方々に飲んでいただきたいですね。
富士桜高原麦酒のビールはどこで飲めますか?
ビアパブやビールイベントなど、日本で飲める場は増えています。インターネットで検索してみてください。ドイツビールは鮮度が命なので、醸造所付属のレストラン「シルバンズ」にもぜひお越しください!
日本でも美味しいドイツビールが飲めるのは嬉しいことです。ありがとうございました!
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