ジャパンダイジェスト

オクトーバーフェストへようこそ!

今年もドイツに、ビールの季節がやって来ました。「1年中ビールの季節」と言っている私ですが、秋は格別です。それは、世界最大のビールの祭典オクトーバーフェストが開かれるから。今年は9月20日~10月5日に、ミュンヘン中央駅の南西に位置するテレージエンヴィーゼで行われます。

東京ドーム9個分の広い敷地は、普段は雑草が生い茂り殺風景ですが、まだ暑い時季から徐々にトラックが集まり、巨大ビールテントや観覧車などの遊具が設営されていきます。会場を見守るのは、ローマ風のババリアの女神の銅像。その後ろには同じく古代ギリシア風の栄誉の殿堂(Ruhmeshalle)が建っています。これがミュンヘンにある理由は、バイエルン王ルートヴィヒ1世が古代ギリシアに心惹かれていたため。祭りの起源となった彼の結婚式は、古代オリンピックの競技会のようなスタイルで執り行われました。彼はミュンヘン市内を整備し、近代的な都市に発展させたと同時に、現在も残る古代ギリシア風の建物を多く建てたため、ミュンヘンは「イザール河畔のアテネ」と呼ばれています。

14の巨大テントの間に屋台や移動遊園地のアトラクション
14の巨大テントの間に屋台や移動遊園地のアトラクションが並ぶ。
散策するだけでも充分楽しめる

祭りの開始は土曜日の正午。午前8時前に会場を訪れなければ、席を取るどころかテントに入ることすらできません。皆さん、開始までトランプをしたり、持参したプレッツェルを食べたりして、思い思いに過ごします。昨年から自由席が増えたとはいえ、混雑してくるとテントに入場制限が掛けられるので、席を予約しておくか、早めに行って席を陣取ることをお勧めします。

ミュンヘン市長がビール樽に蛇口を打ち込み、「O`zapft is!(樽が開いたよ!)」と高らかに宣言すると、16日間のビールの祭りの幕開けです。早速、自分のテーブル担当のお姉さんを見付けて注文。しばらくすると、大混雑の中、ジョッキを10杯も手にスイスイと駆け抜けて来て、「これでどうだ!」と言わんばかりにドカンとテーブルに置いてくれます。このお姉さんたちも、祭りの名物です。提供されるビールは、祭りのために造られたオクトーバーフェストへようこそ!フェストビール。マス(Mass)と呼ばれる1リットル・ジョッキで提供され、アルコール度数は6度前後と決められています。毎年、自分のアルコール許容量を超えて飲み過ぎ、泥酔する「ビアライヒェン(Bierleichen=ビールの死体)」が出てしまうからです。とはいえ、ドイツ人男性の中には、6マスも飲める強者もいます。

年々、来場者が増え、羽目を外す者も多くなっていることから、家族連れでも楽しめる穏やかなオクトーバーフェストという本来の形に戻そうという動きがあります。ビールテント内の音量は日中85デシベル以下に抑えられ、静かな音楽だけが流されます。しかし、18時を過ぎると、懐メロやヒットソングが大音響で演奏され、酔った客がベンチの上に立ち上がって乾杯の嵐が吹き荒れる場面も見られます。度を越さない限り、誰もが笑顔になるオクトーバーフェスト。未体験の皆さんも、今年こそはぜひ!

 

 
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