ジャパンダイジェスト

バレンタインにチョコビールが秘かな人気

2月14日はバレンタインデーでしたね! 日本ではデパートの食品売り場や駅の構内、路面でもチョコレート販売商戦が繰り広げられ、いたるところで甘い香りが漂っていました。色とりどりの包装紙に包まれたチョコが並び、販売員の声が街を賑わせるのは、この時期ならではの日本の風物詩です。本命、義理問わず、女性が男性にチョコレートを贈る習慣があるのは日本だけ。ドイツでは、男性が愛する女性に花を贈るのが一般的ですよね。

とは言え日本人女性としては、男性にどんなチョコレートを贈ろうかと毎年悩むところです。そんな中、日本では数年前から、チョコレートのような味わいのチョコビールが人気を集めています。名前からすると甘いビールを想像しますが、甘味は抑えられており、ビターチョコレートのような芳醇な風味が楽しめるビールなのです。製造過程でチョコレートやカカオを加えているビールもありますが、副原料は使用せず麦芽とホップだけでチョコレート風味を出しているものもあります。

バレンタインだけではもったいない
バレンタインだけではもったいない!
重厚感ある味わいはリラックスしたい夜にも最適

副原料を使用しないチョコビールの1つ、神奈川県厚木市にある醸造所サンクトガーレンの「インペリアル・チョコレート・スタウト」をテイスティングしてみました。泡は豊かでチョコレートホイップを連想させる焦げ茶色、液色は漆黒です。口に含めばビターチョコレートのような苦味がいっぱいに広がり、濃厚な舌触り。リッチな余韻が長く続きます。アルコール度数は9.0%。飲み応えも十分です。

ところで、チョコレートを使わずして、どのように風味を出しているのでしょうか? 一般的にビールに使う麦芽は、時間を掛けて低温で乾燥させたピルスナーモルトかペールモルトですが、チョコビールには、麦芽を強火に掛けて焦がし、中の糖分をカラメル状にしたものが加えられます。そのままかじっても甘味はまったくなく、むしろほろ苦さが口に残ります。この麦芽はビターチョコレートのような風味をもたらすことから、チョコレートモルトと呼ばれています。チョコビールは、ベースとなる麦芽にチョコレートバレンタインにチョコビールが秘かな人気モルトやブラックモルトなどの焦がした麦芽を組み合わせて風味を出しています。ほんの10%程度加えるだけで、チョコレート味の真っ黒なビールに仕上がります。

もう1つ、カカオを使用したビールをテイスティング。島根県松江市にある松江地ビール、ビアへるんの「ショコラNo.7」です。ビールにカカオを漬け込んで、1年以上熟成させています。生チョコレートのような濃厚な味わいに、わずかに感じられる甘味がビールに奥行きを出しています。アルコール度数は9.0%。ビンテージが付いており、ワインのように寝かせて味の変化を楽しむこともできます。

甘いものが苦手な男性への贈り物。そして自分へのご褒美としても年々注目を集めるチョコビール。バレンタイン・シーズンに限らず販売されているものもありますから、話題作りに飲まれてみては? きっと、「チョコレートだ!」と叫んでしまいますよ。

 
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