ドイツ大使館主催の「ドイツフェスティバル」が、10月30日から東京で5日間開催され、約3万人が来場しました。このフェスティバルは2011年の日独交流150周年を記念し、文化や、グルメを通じて、日独両国の交流を深めようと開催されたのが始まり。2011年は東日本大震災があった年でもあり、収益の一部が寄付されるなど、温かい支援を受けました。この日独の交流を、「一過性のものにしてはもったいない」と、毎年開催されるようになり今年で5年目に。
日本とドイツ双方の懸け橋になったドイツフェスティバル
会場となったのは都立青山公園。入口手前の運動場ではミニサッカーの試合が行われました。日本人選手がブンデスリーガで活躍していることもあり、ドイツのサッカーは日本でも注目されています。会場内の物販ブースでは、日本でも人気の「アンペルマン」や、ねずみのキャラクター「マウス」のグッズ、キッチン用品、ジュエリーなどを販売。テントの中ではドイツ語講座や、「ドイツビールとフードのマリアージュ」などのワークショップも開催されていました。
来場者の一番のお目当ては、やはりおいしい食べ物とビールではないでしょうか。クリスマスマーケットで目にするような三角屋根の小屋が並び、ソーセージやシチュー、ビールやグリューワインがおいしそうな香りを漂わせていました。
ビールはドイツでも人気が高い「ヴァイエンシュテファン」や「パウラナー」「ハッカープショール」「アルコブロイ」など10カ所以上の醸造所のドイツビールが集まりました。なかでも私が注目したのは、ドイツ大使館御用達ビールの「バイエルンマイスター」。バイエルン州出身のビールマイスター、ラガー・シュテファン氏が静岡県富士宮市で造るドイツスタイルのビールです。ドイツの麦芽とホップ、高い技術が、富士山の清水と出会って生まれたビールは、まさに日独融合。雑味のないクリアな味は、本場にも全く引けを取りません。
会場の中央には、ドイツ国旗でラッピングされたやぐらがあり、その周囲ビールで日独交流に長椅子と長テーブルが設置されています。相席で譲り合って座るスタイルは、ビアガーデンのようです。初めはぎこちなくドイツ人のグループ、日本人のグループで分かれて飲んでいましたが、ビールが進むにつれ隣席の人とも乾杯をして、「どこから来たの?」などと質問しながら笑い合うように。
舞台では、南ドイツの民族衣装ディアンドルのファッションショーや、100人の合唱団とオーケストラによる第九が披露され、会場が一体となって大盛り上がり。1リットルのマースジョッキを持ち上げる力比べ大会は、笑いの渦に包まれていました。
たちまち人を仲良くさせてしまうビールの力って偉大! じっくりとドイツを学ぶのも、ワイワイと飲みニケーションするのも立派な日独交流。ドイツをぐっと身近に感じ、言葉では語りつくせないドイツの魅力を発見することができるフェスティバルです。
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