ジャパンダイジェスト

独日ビールな人~新井健司さん

サッポロビールが新たなクラフトビール事業を展開するために2015年3月に立ち上げた、「ジャパンプレミアムブリュー株式会社」。「クラフト ラベル」というブランド名で、これまで日本ではあまり飲まれてこなかった個性的な味わいのビールを造っている。そのマスターブリュワーの新井健司さんはドイツでビール修業を積んだドイツ組だ。新井さんにドイツでの生活とビールへの思いを伺った。

新井さんはサッポロビールに入社後、基礎研究や開発、製造に携わったあと、ドイツに留学されたのですよね。どんな経験をされましたか?

2013年の8月末から1年間、ミュンヘン工科大学(ヴァイエンシュテファン)で客員研究員としてビールの基礎研究や製造技術、醸造哲学を勉強しました。もちろん、学校以外でも学ぶことは多かったですよ。毎週末のようにいろんな街に出かけてはクナイペ(居酒屋)や醸造所で飲んでいました。ドイツのビール文化って面白いですよね。街ごとにビールがあって、銘柄にすると何千種類にもなるのに、どれ一つとして同じ味はありませんでした。ドイツを起点にバルト三国やベルギー、英国、東欧など、欧州中を飲み歩きましたよ。様々な味やビール文化に出会えたことは収穫でした。

柑橘香るペールエール」(左)と「Hello!ヴァイツェン」(右)
「柑橘香るペールエール」(左)と「Hello!ヴァイツェン」(右) は一部小売店のほか、
サッポロビールネットショップでも購入できる。

それはクラフト ラベルにも生かされましたか?

ええ。いろんなビールを飲むうちに「自分が造りたいビール」のイメージが明確になりました。大学で学んだ「思い」を体現するための知識と経験、この二つが合致することでクラフト ラベルが完成しました。今はペールエールが定番商品で、ほかは期間限定ビールですが、ゆくゆくは定番を増やしたいですね。実は、3月22日に新商品「Hello!ヴァイツェン」を発売します。

「Hello!ヴァイツェン」はすっきりと爽やか、それでいてバナナや青リンゴのようなフルーティな香りがふわっとやってきますね。ピクニックに連れて行って青空の下でグビグビ飲みたくなります。

ヴァイツェンらしいふくよかな香りながらも、味はすっきりとして親しみやすいでしょう。ドイツの慣例にならって小麦麦芽を50%以上使用しています。同じように造っても酵母の種類によって、フルーティだったりスパイシーだったり、香りや味わいが全く異なります。1000株以上ある酵母の中から、自分がイメージした味を醸してくれる酵母を見つけ出すまで1年間は試行錯誤の繰り返しでしたよ。

最後にドイツに住む読者にメッセージをどうぞ。

ドイツにいるうちにいろいろなビールを試してみてください。新しい発見があると思います。ビールをますます好きになって欲しいと思います。

新井さん、ありがとうございました。

 
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