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意識改革から始める資産運用

ドイツでお金と上手に付き合う方法

山片 重嘉山片 重嘉 (やまかたしげよし)
ファイナンシャルアドバイザー

1970年生まれ。98年に渡独、文化交流や持続可能農業のプロジェクトに携わる。また、食と健康のアドバイザーとして講演活動などに勤しむ。その後、ファイナンシャルアドバイザーとして独立。個人・法人へのアドバイスを行っている。人生のテーマは、健康とお金を切り口に、豊かな生き方について考えること。

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55 フリーランス・個人事業と税金

適切な保険に加入してフリーランスビザを取得し、税務署への登録が終われば、晴れてフリーランスとしての活動をすることができます。税務署への登録がまだであっても日付を遡って登録することが可能です(1057号にてフリーランス・個人事業を始める際の税務署への登録などについて紹介しています)。フリーランス・個人事業で仕事を始めるということは、そこから会計報告の義務が生じ、収入額に応じて税金を支払うことになります。所得税は一定の収入額まではかかりません。この基礎控除枠は一人当たり年間8820ユーロ(2017年)、夫婦では二人合わせて1万7640ユーロです。とは言っても累進課税ですから、この基礎控除枠を超えたからと言って急に大きな課税があるわけではなく、税率は非常に細かく段階的に上がりますので、この枠以下に納めるようにする意味はありません。またビザの延長が必要な方は、収入(利益)がその町で生活をするのに十分な金額である必要があります。そこで税金を余計に支払ってでも、その金額に到達するまでは逆に経費は計上せずに見かけの利益を多くしたほうが有利です。税金を多く払う分には、税務署も文句は言いません。

年収が1万7500ユーロまでは税金がかからないと勘違いされる方がいますが、これは「売上税」のことで「所得税」とは異なる税金の種類です。小規模事業者(Kleinunternehmer) で登録している場合、その事業当たりの年間の売上(利益ではなく)が1万7500ユーロまでは19%の「売上税」は免除可能ですが、年収(利益)が8820ユーロを超えれば所得税はかかります。

フリーランスの仕事を始めた際の注意点

特に最初の2年は必ず税金分を取っておかなければなりません。確定申告をするとその年の納税額が確定し、税務署から支払期限が提示されます。そうして初年度の税金を払った後は、すぐに次年度の税金の仮払いをしなければなりません。例えば2016年分の最初の確定申告を2017年の8月に終わらせた場合、まずすぐに2016年分の所得税を支払います。そして2017年分の所得税は2016年の実績を元に、2017年中に仮払いをします。2018年分についても例えば四半期毎に支払う額がすでに指定されています。この場合2017年後半に2年間分の税金を支払わなければなりません。お金が一つの口座にあるとついつい使ってしまうので、税金用に取っておく分は必ず別口座に移すことをおすすめします。

納税額の目安

それではいくら取っておけば良いのか、その目安を下記の表にまとめました。

2017年課税
対象収入額
独身税額 既婚税額
10,000€ 179.00€ 0.00€
15,000€ 1,291.20€ 0.00€
20,000€ 2,658.60€ 358.00€
25,000€ 4,128.21€ 1,302.00€
30,000€ 5,717.04 € 2,582.40€
35,000€ 7,424.03€ 3,935.15€
40,000€ 9,248.13€ 5,317.20€
45,000€ 11,191.44€ 6,756.22€
50,000€ 13,251.85€ 8,256.43€

表中の課税対象収入額は、フリーランスの年収(利益) ではなく、そこからさらに健康保険料やその他の控除可能な金額を引いた額です。税理士に依頼されている方は、詳細については税理士にお尋ねください。

 
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