第52回 見落としがちなUSBのデメリット
便利さの裏に潜む落とし穴
20年以上も前から、USB規格は大きな人気を博し、広く普及している。USBメモリは、写真や音楽、映画などの大容量データをインターネット回線を使わずに簡単に共有することができる。外付けのUSBハードディスクもバックアップなどによく使われ、なかなか便利だ。またUSBポートは、データだけでなくスマートフォンの充電など、電力の転送も可能であることは誰もが知っている。しかし、このように実用的な面があると同時に、デメリットや危険性もある。便利さの裏には必ず落とし穴があることを忘れてはならない。
USBの接続前にここをチェック!
1 見知らぬUSBメモリは安易にパソコンに挿さない
USBメモリにはマルウェアが入っている可能性がある。特にスティックをもらった相手をよく知らない場合は、気を付けなければならない。万が一、USBメモリをオフィスなどで見つけても、そのままパソコンに挿すのは非常に危険だ。見つけた人の好奇心を悪用して、コンピューターにマルウェアをインストールすることがよくある。
2 スマホの充電時にはUSBデータブロッカーを
信頼できないUSBポートにスマートフォンを接続するのも危険だ。データのやり取りではなく充電だけをしたい場合は、「USBデータブロッカー」、つまり電源ラインだけのUSBアダプター(データラインなし)を利用しよう。
3 USBポートをホットグルーで封印
特に高度なセキュリティーが必要な場合は、USBポートをホットグルーで封印し、コンピューターのUSBを完全に無効にすることをおすすめしたい。これは、見知らぬ人が勝手に悪意のあるUSBデバイスを差し込まないようにするための唯一の方法だ。犯罪者は、コンピューターを破壊してしまう強力なサージ(瞬間的に高い電圧が発生する現象)を起こす「死のUSBスティック」をよく使用する。
また、USBメモリは非常に小さいものが多く、紛失しやすいので注意が必要だ。USBメモリにデータを保存する場合は、データが暗号化され、パスワードで保護されていることを必ず確認するようにしよう。なおEU一般データ保護規則(GDPR)では、個人データのリスクを防ぐために、このようなモバイルデータキャリアは、常に暗号化しなければならないと規定されている。
USBは容易に犯罪の道具になりうる