第11回 スパム(迷惑メール)とは?
スパム(SPAM)とはランチョンミートの缶詰の名前で、1970年にイギリスで放送されていたモンティ・パイソンのコントにより、その名が国際的に知られるようになった。このエピソードでは、大衆食堂にやってきた夫婦がメニューを尋ねたところ、ウェイトレスがスパムの入ったメニューを読み上げ、夫婦が「スパムは食べたくない」といってもウェイトレスはスパム入りの料理しかないといい張り「スパム」を連呼するという内容だ。
インターネットの「スパム」はこのエピソードが語源となっており、受信者が受け取りたくないメールのことを指す。全世界でやり取りされている電子メールの50%は、スパムだといわれている。
ちなみに1978年5月3日にDECの従業員が400人のユーザーに対しインターネットの起源であるアーパネットに接続し、ある広告を送信したのが最も古い迷惑メールだとされている。
迷惑メールにもいくつかの種類があるので、下記にその例をまとめよう。
➊ 商業目的のスパム
通常よくみられる商品の宣伝広告や購読した覚えのないメールマガジンがこれに当たる。2018年から適応される一般データ保護規則(GDPR)のおかげで、今後はこの種類の迷惑メールは減少すると考えられている。
➋ 勝手に送られてくるスパム
これは一見、宣伝目的とは分からないような内容だが、マルウェアやフィッシングメール、またはそのほか危険なウイルスを持っており、開封するとパソコン内にあるデータを危険に晒す可能性がある。
スパムによる被害を防ぐためには、メールの暗号化がおすすめ
➌ 巻き添えスパム
個人のメールアドレスを使ってスパムを送信し、バウンスメールをスパムとして再利用する手法のこと。実在しないメールアカウントを宛先として送られたメールはメールサーバにより宛先不明と判定され、送信者のもとにエラーメッセージと共に返信される。このタイプのスパムは特に判別が難しく、対策も困難とされる。その理由としては、電子メールのプロトコルがデザインされてから40年以上も経過しており、その間セキュリティ面でのアップデートがされていないため、他人のメールアドレスを偽装するような事は簡単に出来てしまうからだ。
解決策としては、スパムフィルターを使用すること、そしてPGPやS/MIMEのような電子署名を使用してメールを暗号化することで、極力迷惑メールを防ぐことができる。