特集


ドイツのクリスマスマーケット2012 前編

クリスマスマーケット2012

「ジジジ」と目覚ましが鳴る。真っ暗な中で目を覚ますと、
ドイツの冬の到来を否応なしに実感する。
当地の冬は、寒さはもとより暗闇がなかなか堪える。
そんな冬の暗さを 明るく照らすのが、クリスマスマーケットという存在。
吐く息の白ささえ、雰囲気を盛り上げる一助となり、
「寒いね」と語らう言葉には笑顔が寄り添う。
そんな冬の幸せな風景が、クリスマスマーケットの開店とともに
あなたの街にもやって来る。 (編集部:高橋 萌)

ニュルンベルク

Nürnberger Christkindlesmarkt

ニュルンベルクの繁栄、苦難の時代
クリスマスマーケットが照らした人々の笑顔

ニュルンベルク ニュルンベルク ニュルンベルク ニュルンベルク ニュルンベルク ニュルンベルク ニュルンベルク

おもちゃ箱をひっくり返したような」と形容されるニュルンベルクの旧市街が黄金に輝き、ブロンドのカールを軽やかになびかせながらクリストキントが微笑む。世界一有名なクリスマスマーケットとして国内外の人々を惹き付けて止まない、ニュルンベルクの「クリストキントレスマルクト」の魅力とは?  

ワーグナー作曲の楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の舞台となった16世紀のニュルンベルクは、神聖ローマ帝国内でもケルンと並ぶ大都市の1つに数えられていた。腕利きの職人たちが集まり、手工芸の中心地として最盛期を迎えたこの頃、この地で初めてクリスマスマーケットが開かれたと伝えられている。クリスマスを待ち遠しく思う気持ちは、中世も今と変わらないものだっただろうか・・・・・・。いや、現代より夜の闇が深く、娯楽も少なかった時代のこと、私たちの想像以上に特別なイベントだったはず。  

時代は変わり、20世紀初頭。ナチスの台頭を許したドイツにあって、ニュルンベルクは「帝国党大会の街」と呼ばれ、ナチス支配を象徴する街となる。一時はその活気を失っていたクリスマスマーケットもこの時代、奇しくもナチスのプロパガンダに利用される形で、再び鮮やかに蘇る。だが、ナチスの拠点であったがために、第2次世界大戦では徹底的に空爆され、街は壊滅状態に。ナチスの戦犯を裁く「ニュルンベルク裁判」が1945年11月に開かれ、戦争が残した爪あとが重く街を覆っていた。裁判が閉廷した翌月、1946年11月末になるとしかし、瓦礫の中に小屋が立ち始め、小規模ながらもクリスマスマーケットが復活したのだ。  

ニュルンベルク市民の復興の象徴として開催された、瓦礫の山のクリスマスマーケットは、絶望の中に灯る一筋の希望の光だったのかもしれない。  

その後、旧市街を完璧に復元し、工業都市として発展を遂げたニュルンベルクで、クリスマスマーケットも年々規模を拡大。毎年約200万人が訪れる一大イベントに成長し、現在の「世界一」の名声を得るまでになった。  

ニュルンベルクのクリスマスマーケットは、中世から続く職人の腕と、苦難を乗り越えてきた市民の底力に支えられている。ドイツ各地のクリスマスマーケットにも共通する、地元を愛する市民の情熱。変わり行く時代の中で、変わらぬ価値を大切にするその姿勢が、ドイツの冬の風物詩を一層輝かせているのだろう。そんな風に考えると、クリスマスマーケットでのちょっとした人々との触れ合いもまた、楽しみの1つになってくる。

オープン: 2012年11月30日(金)9:30~22:00
クローズ: 2012年12月24日(月)9:30~14:00
場所: Hauptmarkt
時間: 9:30~20:00、金・土9:30~22:00、日10:30~20:00
www.christkindlesmarkt.de

ドレスデン


Dresdner Striezelmarkt

Dresden Dresden Dresden Dresden Dresden Dresden

ドイツで最も歴史ある
クリスマスマーケットは見栄っ張り?

ドイツ最古のクリスマスマーケットとして知られるドレスデンの「シュトリーツェルマルクト」は、1434年にすでにその存在が確認されている。ザクセンの中心地として栄華を極めた古都の市民はきっと、ちょっと見栄っ張り。クリスマスマーケットには、世界最大としてギネスブックに登録された、高さ14.61メートルの巨大なクリスマスピラミッドがそびえ立ち、42体の人形を乗せてくるくると回っている。

そして、クリスマスに欠かせない香辛料たっぷりのお菓子「シュトレン」は、ドレスデンが本場。その本場の威信を掛けて1730年頃からアウグスト強王の命により始まったのが、シュトレンフェスト(2012年は12月8日)。長さ3メートルにもおよぶ巨大なシュトレンが訪問者にふるまわれる。巨大なものが目玉のマーケット。

オープン: 2012年11月28日(水)16:00~21:00
クローズ: 2012年12月24日(月)10:00~14:00
場所: Altmarkt 
時間: 10:00~21:00、12月7日10:00~23:00
www.dresden.de/striezelmarkt

シュトゥットガルト


Stuttgarter Weihnachtsmarkt

シュトゥットガルト シュトゥットガルト シュトゥットガルト Dresden シュトゥットガルト シュトゥットガルト

自動車の街シュトゥットガルトの
マーケットはど派手!

ドイツ三大クリスマスマーケットの1つに数えられる(ほかニュルンベルク、ドレスデン)シュトゥットガルトでは、とにかく上ばかりを向いて歩くことになるだろう。なにせ、屋台の屋根の上がてんこ盛りに装飾されているのだ。それぞれの屋台が飾り付けを張り切る理由は、最も美しい屋台を決めるコンテストがあるから。

ちなみに昨年は、シュヴァーベン地方の名物料理シュペッツレの屋台Christine Winkleが1位に輝いた。規模の大きさ、派手さ、歴史の深さ、どれを取っても南ドイツNo.1のこの地のクリスマスマーケットには、スイスやオーストリアからも人が押し寄せ、毎年400万人以上の来場者で賑わうという。期間中は、旧宮殿、新宮殿、シラー広場と、歴史的建築物の宝庫でもある市内中心部がイルミネーションで輝く。

オープン: 2012年11月28日(水)18:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~21:00
場所: Marktplatz 
時間: 10:00~21:00、日11:00~21:00
www.stuttgarter-weihnachtsmarkt.de

カッセル


Märchenweihnachtsmarkt Kassel

カッセル カッセル カッセル カッセル カッセル

絵本の中に迷い込んだような
クリスマスマーケット

カッセルは、グリム兄弟が青年期に学び、後に仕事を得て家族と暮らした地。それゆえメルヘン街道の中心的役割を担うカッセルのクリスマスマーケットのテーマは、もちろん「メルヘン」。世界最大のメルヘンピラミッドをはじめ、マーケットの一角に白雪姫と7人の小人が現れ、屋台の屋根からカエルの王様が訪問者を覗くといった様子で、あちらこちらにメルヘンの世界が再現されている。中世の衣装を着たガイドによる物語のような解説を聞きながらめぐるツアー「Kassel im Lichterglanz」も人気。

今年、グリム童話刊行200周年を祝うこの街では、クリスマスマーケットも例年以上に気合いが入っているようで、当初の開催期間は12月23日までだったが、年末30日まで延長することが決まっている。

オープン: 2012年11月26日(月)11:00~20:00
クローズ: 2012年12月30日(日)11:00~20:00
場所: Königsplatz, Friedrichsplatz, Opernplatz, Karlsplatz
時間: 11:00~20:00(飲食屋台は22:00まで)、12月24、25日は休み
www.weihnachtsmarkt-kassel.de

リューベック


Lübeck - Weihnachtsstadt des Nordens

リューベック リューベック リューベック リューベック リューベック リューベック

ハンザの女王の懐では、
中世からの伝統が今に息づく

北ドイツ一美しいクリスマスの街と言われるリューベック。「ハンザの女王」と謳われ、北海・バルト海交易で富を得た街はこの季節、一斉に光に包まれる。世界遺産に指定されている旧市街で開かれるクリスマスマーケットはどれも個性的。マリエン教会周辺には歴史的なクリスマスマーケット、そのすぐ側には、童話の世界を再現したメルヘンの森が広がる。さすがハンザ同盟の盟主とうならせられるのが、海のクリスマスマーケット(Maritimer Weihnachtsmarkt)。

その他、期間限定で手工芸の職人が集まるクラフトマーケットも開催される。中でも最大規模のマーケットは市庁舎前のもので、ここには約150の屋台が並び、リューベック名物マジパンの屋台が甘い香りを漂わせる。

オープン: 2012年11月26日(月)11:00~21:00
クローズ: 2012年12月30日(日)11:00~21:00
場所: Marktplatz, Breite Straße
時間: 11:00~21:00(Breite Straßeは20:00まで)、金土11:00~22:00
11月30日11:00~23:00、12月24日11:00~14:00、12月25日は休み
www.luebecker-weihnachtsmarkt.de

フランクフルト


文豪ゲーテも楽しんだ
Weihnachtsmarkt Frankfurt

Frankfurtオープン: 2012年11月26日(月)10:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~21:00
場所: Römerberg, Paulsplatz, Mainkai
時間: 10:00~21:00、日11:00~21:00
www.frankfurt-tourismus.de

ミュンヘン


クリスマスクリッペの品揃えはドイツ随一
Münchner Christkindlmarkt

Frankfurtオープン: 2012年11月26日(月)10:00~21:00
クローズ: 2012年12月24日(月)9:00~14:00
場所: Marienplatz
時間: 10:30~21:00、日10:30~20:00
www.christkindlmarkt-muenchen.de

ライプツィヒ


世界最大規模のアドヴェント・カレンダーがある
Leipziger Weihnachtsmarkt

Frankfurtオープン: 2012年11月27日(火)17:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)10:00~20:00
場所: Marktplatz, Augustusplatz, Burgplatz
時間: 10:00~21:00
www.leipzig.de/weihnachtsmarkt

デュッセルドルフ


7つの個性的なマーケットに出会える
Düsseldorfer Weihnachtsmarkt

Frankfurtオープン: 2012年11月22日(木)11:00~20:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~20:00
場所: Marktplatz, Heinrich-Heine-Platz, Schadowplatz, Jan-Wellem Denkmal Marktplatz, Flinger Straße, Stadtbrückchen, Gustaf-Gründgens-Platz
時間: 11:00~20:00、金土11:00~21:00、11月25日は休み
www.duesseldorf-tourismus.de/weihnachtsmarkt

エアフルト


クリスマスマーケット人気ランキングの上位常連
Erfurter Weihnachtsmarkt

Frankfurtオープン: 2012年11月27日(火)10:00~20:00
クローズ: 2012年12月22日(土)10:00~21:00
場所: Domplatz
時間: 10:00~20:00、木~土10:00~21:00
www.erfurter-weihnachtsmarkt.eu

ドルトムント


高さ45メートルのクリスマスツリーが自慢
Dortmunder Weihnachtsmarkt

Frankfurtオープン: 2012年11月22日(木)10:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)12:00~21:00
場所: Alter Markt
時間: 10:00~21:00、金土10:00~22:00、日12:00~21:00
11月25日は休み
www.dortmunderweihnachtsmarkt.de

バンベルク


ドイツ最大の旧市街で開かれるマーケット
Bamberger Weihnachtsmarkt

Frankfurtオープン: 2012年11月29日(木)9:00~20:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~20:00
場所: Maxplatz
時間: 9:00~20:00、日11:00~20:00
www.bamberg.info

ケルン


大聖堂の麓で輝く星のようなマーケット
Kölner Weihnachtsmarkt am Kölner Dom

Frankfurtオープン: 2012年11月26日(月)11:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~21:00
場所: am Kölner Dom
時間: 11:00~21:00、木金11:00~22:00、土10:00~22:00
www.koelnerweihnachtsmarkt.com

レーゲンスブルク


お城で開かれるロマンチックなマーケット
Romantischer Weihnachtsmarkt
auf Schloss Thurn und Taxis

Frankfurtオープン: 2012年11月29日(木)12:00~23:00
クローズ: 2012年12月23日(日)12:00~22:00
場所: Schloss Thurn und Taxis
時間: 12:00~22:00、木~土12:00~23:00
入場: 5.50€(土日6.50€)、子ども(6~16歳)1€ www.romantischer-weihnachtsmarkt-thurnundtaxis.de

最終更新 Montag, 15 Juli 2019 17:34
 

ドイツおすすめ博物館 - この秋、博物館で「知」を磨く

この秋、博物館で「知」を磨く

黄金色に染まった木の葉がヒラヒラと舞い落ちる様子は、
どこか詩的で、知的好奇心をくすぐられる秋ならではの光景だ。
そんな文化の薫り漂う季節には、ミュージアム巡りなんていう粋なことをして、
知性や感性に磨きを掛けてみたくなりませんか。
今回は、「体験型」 「個性派」「人物」の3つのカテゴリに分けて、
必ずや皆様のツボにはまるであろう博物館をピックアップします。
(編集部:林 康子)

体験型体全体で世の中の不思議現象を解読
Phänomenta Peenemünde

Phänomenta Peenemünde車は片手で持ち上げられる?太鼓を叩いてロウソクの火を消せる?鏡で後姿を見るには?世の中には不可能と思われていても、実は意外と簡単にできてしまうことがたくさんある。ここは、そんな不思議な現象の謎を、五感を使って解き明かすための場所。対象は200以上の自然化学、物理学的な現象。北海沿岸の町カロリーネンジールとルール地方のエッセンには、系列の博物館「Phänomania」がある。

Phänomenta Peenemünde
Museumsstraße 12, 17449 Peenemünde
www.phaenomenta-peenemuende.de

体験型気候変動について考える
Klimahaus® Bremerhaven 8° Ost

Klimahaus® Bremerhaven 8° Ost普段、頻繁に耳にするけれど、その実態は意外と知らない「気候変動」。同博物館では、世界各地の気温と湿度を体感できる「旅」、大気中の要素と気象の関係に焦点を当てた「要素」、地球誕生の歴史、人類が引き起こした気候変動、そして今後の行方を紐解く「展望」、今私たちが地球のためにできることを考える「新たな道」の4つの展示ゾーンを通して、地球上の気候とその変化を包括的に学ぶことができる

Klimahaus® Bremerhaven 8° Ost
Am Längengrad 8, 27568 Bremerhaven
www.klimahaus-bremerhaven.de

体験型冒険しながら科学に親しむ
Odysseum

Odysseum総面積5500㎡の広大な会場は、科学研究所とアミューズメントパークが一体になったような空間。科学者たちによって作られた約200点の展示物には、子どもの冒険心を駆り立てる仕掛けが詰まっている。ヒトの進化や遺伝、性について学ぶジャングル、光の速度で道路を走る感覚をバーチャル体験できるサイバースペースなど、7つのテーマ別ゾーンで、質問に答えながら遊び感覚で科学の知識を身に付けよう。

Odysseum
Corintostraße 1, 51103 Köln
www.odysseum.de

体験型子どもの好奇心・才能を育てる
experimenta

experimenta「発見・体験・認識」をテーマにしたこの博物館は、さながら子どもの興味や才能を発掘するための巨大な実験室。エネルギー&環境、技術&イノベーション、人間&コミュニケーション、人間&余暇という4つのエリアには、触れて試せるインタラクティブな展示物がいっぱい。日常に溢れる道具を使って様々な実験を行い、思いがけない発見をすれば、自然科学やテクノロジーへの関心がぐんと高まるだろう。

experimenta
Kranenstraße 14, 74072 Hailbronn
www.experimenta-heilbronn.de

個性派ドイツ最古のろう人形館
Panoptikum

Panoptikumろう人形館と言えば、英国発で2008年にベルリンにもオープンした「マダムタッソー」が有名だが、こちらは130年以上続くドイツ最古のろう人形の館。建設当初、同館は今の映画館のような役割を担っていたという。当時の面影が残る古い建物内には、ゲーテやベートーベンなどの歴史上の人物から現代の人気歌手ウド・リンデンベルクの人形まで、120体以上のろう人形が並ぶ。お化け屋敷のような雰囲気の一角も……。

Panoptikum
Spielbudenplatz 3, 20359 Hamburg
www.panoptikum.de

個性派愛しい馬のすべてを知りたい!
Westfälisches Pferdemuseum

Westfälisches Pferdemuseum馬はドイツで最も愛されている動物の一種。そのため、ドイツ国内には馬博物館が複数存在するが、こちらはヴェストファーレン地方の馬に特化したもの。「野生馬の進化と家畜化」「生態と行動」「働く馬」など、8つのコーナーを通して、1億年も前から存在するという馬の全貌と、当地の人々と馬が共に歩んできた歴史を明らかにする。敷地内のアリーナ「Hippomaxx」で定期的に開かれている馬のショーは、ここの人気プログラム。

Westfälisches Pferdemuseum
Sentruper Straße 311, 48161 Münster
www.pferdemuseum.de

個性派世界有数の古代エジプト・コレクション
Roemer- und Pelizaeus-Museum

Roemer- und Pelizaeus-Museumヒルデスハイム出身の美術蒐集家ヴィルヘルム・ペリツェウスと、その活動を支えた政治家ヘルマン・レーマーに因んで1911年に建てられた博物館は、突出した古代エジプト・コレクションを擁することで世界的にその名を知られている。中でも目玉は、ウィーン、ボストン、カイロの博物館と同館のみが所蔵するというギザの大ピラミッドからの発掘品や、同ピラミッドの建設を指揮したヘミウヌの等身大の像。

Roemer- und Pelizaeus-Museum
Am Steine 1-2, 31134 Hildesheim
www.rpmuseum.de

個性派世界中の硬貨がミュンヘンに集結
Staatliche Münzsammlung

Staatliche Münzsammlung1560年代頃からバイエルン公アルブレヒト5世が興味本位で蒐集し始め、ミュンヘンの邸宅に置いていたという硬貨。やがて硬貨の蒐集は貴族たちの間で一種のステータスとなり、18世紀にそれらの一般公開がスタートした。古くは小アジアから、ギリシア、ローマ、ルネッサンス期を経て近現代に至るまで、この博物館には世界各地から集められた貴重な硬貨や宝石メダル、紙幣のコレクションがずらり勢揃いしている。

Staatliche Münzsammlung
Residenzstraße 1, 80333 München (Eingang Kapellenhof)
www.staatliche-muenzsammlung.de

人物トーマス・マンの小説の風景が目の前に
Buddenbrookhaus

Buddenbrookhausノーベル文学賞作家トーマス・マンが自身の子ども時代を基に綴った小説「ブッデンブローク家の人々」。ここでは、その物語を追体験できる。机やハルモニウム、当時の新聞などの展示品の脇には、それぞれ小説の何ページに登場するかが記されており、物語の中の光景がまざまざと浮かび上がるという仕組みだ。年に一度、クリスマスの時期には同家の幸福な日々の記憶を呼び起こすリースがお目見えする。

Buddenbrookhaus
Schildstraße 12, 23552 Lübeck
http://buddenbrookhaus.de

人物バロック期を代表する作曲家の故郷
Händelhaus

Händelhaus同博物館はバロック期を代表する作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの偉業を伝承すべく、2008年に設立されたヘンデル財団が運営している。2009年にヘンデル没後250年を機に始まった常設展「ヘンデル―欧州人」では、ハレに生まれ、欧州を股に掛けて活躍したヘンデルの日常や、楽曲が生まれた背景を知ることができる品々を展示。同館が誇る約700点の歴史的な楽器のコレクションも見逃せない。

Händelhaus
Große Nikolaistraße 5, 06108 Halle
www.haendelhaus.de

人物医学に革命をもたらした発見に迫る
Deutsches Röntgen-Museum

Deutsches Röntgen-Museum1845年に織物商一家に生まれ、物理学者となったヴィルヘルム・レントゲンは、1895年にヴュルツブルク大学で薄暗く光る線を発見した。これが、後に医療診断に革命をもたらすX線。その成果は、ノーベル物理学賞第1号の授与という形で称えられた。同博物館では、様々な体験型展示を通して、彼がたどったX線発見までの道のりや、その後それが医学の分野でどのように応用されていったかをリアルに実感できる。

Deutsches Röntgen-Museum
Schwelmer Straße 41, 42897 Remscheid
www.roentgen-museum.de

人物世界の印刷・製本の歴史を俯瞰(ふかん)
Gutenberg Museum

Gutenberg Museum活版印刷技術の発案者ヨハネス・グーテンベルクの功績を中心に、15世紀から現代までの製本・印刷・活字の発展を俯瞰する博物館。グーテンベルクが印刷した世界的に有名な42行の聖書や古い印刷機、植字機など、ここでしか観られない貴重な展示品が並ぶほか、東アジアやイスラム圏など欧州以外の地域の活字や印刷技術も紹介している。印刷の歴史にまつわる約8000冊の専門書を備えた図書館も併設。

Gutenberg Museum
Liebfrauenplatz 5, 55116 Mainz
www.gutenberg-museum.de

※開館時間・料金の詳細は各博物館のホームページをご参照ください。

最終更新 Montag, 15 Juli 2019 17:22
 

ドイツ街めぐり 5 ハンブルク

ドイツの街めぐり ミュンヘン 3つのエリアをめぐるお買い物の旅

観光の目的の1つは、その土地ならではのモノに触れること。
今回は、ハンザ都市として栄華を誇ったハンブルクに焦点を当ててみよう。
ここでは、名門サッカーチーム・ハンブルクSVと、
ドクロマークを掲げるザンクトパウリが人気を二分しているように、
街角でも表と裏の顔が渾然一体となっているようだ。
この街で最近注目を集める3つの個性的なエリアを中心に、
編集部が見付けたこだわりのショッピング&グルメスポットをご紹介します。
(ドイツニュースダイジェスト編集部)

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Altona / Ottensen

エルベ川沿いに位置するアルトナ地区、その中でもアルトナ駅の西側に広がるオッテンセンと呼ばれる地域は、工業の衰退と共に廃れた不遇の時を経て、今再び活気あるショッピングエリアとして復活を遂げている。オッテンセン中央通り(Ottenser Hauptstr.)を中心に四方八方に広がる小道を歩けば、こだわりの詰まった個性的なお店に出会えること間違いなし。真っ直ぐエルベ川沿いまで行けば、そこは魚市場。

TIDE1. 流木+ カフェ
TIDE Treibholz & Feinkost

海が作り上げた芸術、「流木」に魅せられたフランク・ヴァルベックさんがオープンしたカフェ。彼がエルベ川や北海から集めた流木が、柔らかに店内を彩っている。自然の美しさを大事にするTIDEで 提供される食事は、もちろんビオ。薫り高いコーヒー、抹茶ラテや緑茶、ハウスメイドのケーキやパスタ。普段の食事が特別なものに感じられるリラックス空間。

月~金8:00~18:00 土10:00~18:00
Rothestr. 53, 22765 Hamburg
www.tide.dk

Adele & Clodwig2. 雑貨屋+ カフェ
Adele & Clodwig

125㎡の広々とした店内には、オーナーである タンニャさんのお眼鏡に適ったものだけが詰まっている。2011年にオープンしたばかりの雑貨屋兼カフェは、瞬く間に地元民の心を掴んだ。カントリー調の家具やインテリア雑貨、繊細なアクセサリーなどの小物から、地元で作られたジャムやマスタードまで、5つの部屋に分かれた空間の中に、自分だけのお気に入りを見付けられるはず。

月~金11:00~19:00 土10:00~18:00
Bahrenfelder Str. 43, 22765 Hamburg
www.adeleundclodwig.de

3. 子ども服
 Vergissmeinnicht Vergissmeinnicht

看板に従ってトンネルを抜けると広がるノスタルジックな裏庭、そしてそこには隠れ家のような子ども服屋さんが1軒。ウルリケ&マグダレーナ姉妹のお店は、「Vergiss mein nicht(私のも忘れないでね)」という店名の通り、小さなプリンスとプリンセスたる子どもたちの声が聞こえてきそう。限られた子ども時代だからこそ、デザインと質にこだわりを求めたい親子に。

月~金10:00~18:00 土11:00~16:00
Ottenser Hauptstr. 44, 22765 Hamburg
www.vergissmeinnicht-hamburg.de

mikkels4. パン&ケーキ屋
  mikkels

ミニチュアマフィンにスコーン、一口サイズのスイーツが並ぶベーカリー。小さな入り口から半地下へ 下ると、甘い焼き菓子と挽きたてのコーヒーの香りに包まれる。どこか懐かしさを感じさせるレトロな雰囲気の同店では、ずっしりと存在感を感じさせる濃厚な味わいの焼き菓子が味わえる。中でも人気は、Linzer Törtchen(1.50ユーロ)。プチプライスが嬉しい。

火~土9:00~17:00
Kleine Rainstr. 10, 22765 Hamburg
www.mikkels.de

5. スウェーデン雑貨
 Feingeschmack Feingeschmack

現代社会には癒しが足りないと考える同店のオーナー、マルティンさんに、静寂と心地良さのイメージを与える北欧のデザイン。この店は、彼が選りすぐったスウェーデンの雑貨、布製品、そしてアウトドア商品が並ぶ。自然をモチーフにした、素朴ながら大胆にして鮮やかなデザインが魅力の食器類、ハンドメイドの木製雑貨など、感性に訴え掛ける北欧のアイテムで生活に潤いをプラス。

火~金11:00~18:30 土11:00~15:00
Große Brunnenstr. 61, 22763 Hamburg
www.feingeschmack.de

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Schanzenviertel

人によって評価が真っ二つに分かれる地区かもしれない。ハンブルクの中で特に貧困層が多く住む地域として知られるシャンツェン地区は、一方で家賃の安さゆえに学生やアーティストが集まり、光と影が隣り合う独特な地域が作り上げられた。レストランやバーなど食の宝庫でもあり、ちょっと奔放な雰囲気のファッションの発信地として若者に人気。シャンツェン通りから西の脇道に入って、自分の感性に合うお店を探してみよう。

La vie est belle6. ファッション
  La vie est belle

パリ、ベルリン、コペンハーゲンの見本市を巡り、心浮き立つ一着を探し続ける店長のシルヴィア・スタールフットさん。彼女のお店のテーマは、流行り廃りに左右されない、王道のロマンチックスタイル。特別な日に、はたまた、ちょっと背筋を伸ばしたい日に、着る人の気持ちを高める一着がきっと見付かるはず。乙女心をくすぐるアクセサリーなどの小物も充実。

月~金11:00~19:00 土11:00~16:00
Kampstr. 11, 20357 Hamburg
http://lavieestbelle-hamburg.de

HOFFSKI MÜSLIBAR7. ミューズリー専門店
  HOFFSKI MÜSLIBAR

ハンブルク初のビオ・ミューズリー専門店。ドイツの朝食の定番とも言える雑穀シリアル「Müsli(ミューズリー)」に、「レーズンはいらない!」というオーナー家族。好みにあったミューズリーがなかなか市販されていないことから、自分の好みに合わせてブレンドできる同店の発想に行き着いたという。各種穀物やドライフルーツ、チョコなど約40種類の材料が揃っている。

月~金8:30~19:00 土10:00~17:00
Bartelsstr. 8, 20357 Hamburg
www.hoffski.de

Lokaldesign8. デザイナーズインテリア
  Lokaldesign

地元の若手デザイナーにチャンスを与える場として機能している同店には、家具から食器、雑貨、ポストカードまで、大小さまざまな商品が並ぶ。それぞれの商品には、作り手のプロフィールと顔写真。学生として学ぶ傍らで商品を生み出している若者も多いが、品質はプロ並み。オリジナリティーとユーモア溢れる商品は、一点ものばかり。

月~土11:00~19:00
Schulterblatt 85, 20357 Hamburg
http://lokaldesign.de

POSTEL9. キッチン用品
  POSTEL

こじんまりとした店内は、さながらキッチン用品の博物館のよう。使えば使うほどに使い勝手の良さを実感できる包丁やポット、食卓を彩る食器、それらはすべて店主であるアンチャさんが世界各国から取り寄せたもの。アンチャさんファミリーは、5代にわたってキッチン用品の販売に携わっており、確かな経験と豊富な知識に裏打ちされた商品が並ぶ。

火~金11:00~18:00 土11:00~16:00
Weidenallee 29, 20357 Hamburg
www.postel-haushaltswaren.de

mysupper10. デリカテッセン
  mysupper

プレゼントやお土産探しにもってこいの、おしゃれなデリカテッセン。フランスの香辛料、ハンブルクでブレンドしたお茶、各国のスイーツが香りを発し、存在をアピールする。食に関する雑貨も並び、ここでは日本のお弁当箱も売れ筋だとか。「my supper(私のための夜食)」という店の名の通り、見た目に楽しく、食べて美味しい、特別な商品が棚いっぱいに溢れている。

火~金11:00~18:00 土11:00~16:00
Weidenallee 23, 20357 Hamburg
www.mysupper.de

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St. Georg

木組みの建物が中世の趣を漂わせるアルト・ザクセンハウゼン、美術館が建ち並ぶシャウマインカイ、街を代表する地ビールの醸造所ヘニンガーのタワー、今をときめくデザイナーズショップが密集するブリュッケン通りやシュヴァイツァー通りと、新旧さまざまな顔を持つザクセンハウゼン。地元っ子が闊歩する様子を眺めながら、下町風情を満喫したい。

MUTTERLAND11. デリカテッセン&カフェ
 MUTTERLAND

いくつになっても思い出すのは母の味、というのは万国共通の想いのようで、2007年にオープンしたムッターラントは、全商品「メイド・イン・ジャーマニー」のデリカテッセンとして一躍人気を博した。200以上の家族経営の農園や工場から仕入れた良質な食品と、こだわりのプライベートブランドが並ぶ。ここで、ドイツならではの味を再発見しよう。

月~土8:00~21:00 
日9:00~18:00(カフェのみ)
Ernst-Merck-Str. 9-11, 20099 Hamburg
http://mutterland.de

Koppel 6612. アトリエハウス
  Koppel 66

1920~30年代に機械工場として利用されていた場所は今、アーティストと職人が手仕事をするアトリエとして再利用されている。手縫いの靴やアクセサリーなどのアトリエが16の空間に広がり、それぞれが物づくりの活気で溢れている。豆腐を使ったパスタなど、ベジタリアンや健康志向の人向けのメニューが充実しているカフェの居心地も最高。

Koppel 66, / Lange Reihe 75, 20099 Hamburg
www.koppel66.de

EuroWeinKontor13. ワイン専門店
 EuroWeinKontor

欧州のワインのみを専門に取り扱っているワイン屋さん。ここの売りは、厳選したワインの品揃えと、過不足のないスマートなアドバイス、そして価格だという。「Geiz is Geil(安いことは良いことだ)」という価値観を持った世代に指示されるカリスマワイン店では、比較的安価でありながら、高品質なワインを提供している。

月~金11:30~19:00 土10:00~16:00
Danziger Str. 37-39, 20099 Hamburg
www.euroweinkontor.de

Kräuterhaus Hamburg14. 香辛料
 Kräuterhaus Hamburg

地元住民から絶大な信頼を寄せられている香辛料の専門店。貿易港として栄えたハンブルクらしい、異国情緒溢れる香りが店内を包んでいる。100年以上も前のものだという使い込まれた木製容器に入った香辛料は、状態も良く、高品質である上に良心的な価格設定。日本の緑茶など、お茶の種類も豊富だ。香辛料との新しい出会いを楽もう。

10:00~18:00
Koppel 34, 20099 Hamburg
www.kraeuterhaus.net

Alles Käse + Co15. チーズ専門店
 Alles Käse + Co

「フランスでも、スイスでも、みんな地元のチーズを食べているのよ」と言う店主のイゾルデさん。ドイツのチーズの実力を知る彼女が、産地で食べる醍醐味を教えてくれる。ここでは、北ドイツで作られたチーズのみがショーケースに並ぶことを許される。大手のチーズメーカーのものとは一味も二味も違う、地産地消の魅力を味わおう。

火~金10:00~20:00 土11:00~20:00
Ellmenreichstr. 28, 20099 Hamburg
www.alles-kaese-und-co.de

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ハンブルクで食べる

港街ハンブルクは、新鮮な食材の宝庫。地元の食通を納得させるべく、ハイレベルなレストランが乱立するこの街でしのぎを削る2軒の日本食レストランをご紹介します。

16. 魚市場のすぐ側で楽しむ新感覚の寿司
Restaurant FUGU by Sushi Factory

Restaurant FUGU by Sushi Factory「ふぐ」の調理に熟練した技と資格が要るように、今年オープンしたFUGUのキッチンで包丁を握るのは、選び抜かれた料理人だけ。魚市場のすぐ側に位置し、食材にもこだわりを持つ同店では、ワサビも日本の本ワサビを使用。ワンランク上の味を楽しむための洗練された空間では、スタンダードなお寿司から、オリジナルのアレンジが効いた新感覚のカリフォルニアロールまで、様々な日本食が振舞われる。さらに、同店が自信を持ってお勧めするのが和牛のステーキ。この贅沢な食材を、お得感を感じられる価格で提供している。

12:00~23:00(LO22:45)
Große Elbstr. 212. 22767 Hamburg
TEL: 040-5556560(ご予約も承ります)
www.fugu.asia
www.sushi-factory.com

★ 本誌939号12ページの広告持参でご持参でお会計より10%割引します。
有効期限: 2012年10月末まで

※Restaurant FUGUでのみ有効。他店舗ではご利用いただけません。
※クーポン券など、ほかの割引サービスとの併用はできません。

Restaurant Zipang17. 創作料理で味の冒険を楽しむ
Restaurant Zipang

南シェフのこだわりがつまった創作料理が自慢のジパング。定番の日本食にとどまらない、アイデア 満載の料理は、基本に忠実に、丁寧に手を掛けて調理されているからこその深い味わいを持つ。そんな同店の魅力を存分に堪能できるのが、夜のコース料理だ。中でも、「シェフのおすすめ」にお品書きはない。その日の食材、ゲストの顔ぶれを見た上で、シェフが料理を提供するというもの。自分のためだけに作られた料理を味わう贅沢は、何に出会うか分からない冒険のようにわくわくする。冷酒でこそ味が引き立つ日本酒に、ソムリエが選んだワインと、ドリンクも上質なものが揃っている。

月・水~土 12:00~14:30 18:30~22:00
日 18:00~22:00 ※火曜定休
Eppendorfer Weg 171, 20253 Hamburg
TEL: 040-432 800 32
www.zipang.de

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最終更新 Freitag, 31 Mai 2019 10:43
 

ドイツの星付きレストラン

味覚の真髄に迫るドイツ星付きレストラン

実りの秋の到来と共に芽生えてくるのが、美味しいものに対する食欲。
「たまには奮発して、高級レストランへ!」と思っても、
膨大な数のレストランの中から1軒に狙いを定めるのは、なかなか難しい。
そんなときに役に立つのが、レストランを星の数で格付けする「ミシュラン」や
1~20点の採点方式で評価する「ゴー・ミヨ」など、世界的に有名なガイドブックだ。
今号では、これらガイドの2012年ドイツ版の中から厳選8店をご紹介。
今宵は大切な人と星付きレストランで、こだわりシェフの自信作に舌鼓を打ちながら、
大きな地図を見る至福のひと時を過ごしてみませんか。
(編集部:林 康子)

ミシュラン.... ★
ゴー・ミヨ....16点

伝統を保ちつつ、進化し続けるレシピ
Landhaus Scherrer

ハンブルクで最も美しい並木道「エルプショセー」がまだ畦道だった 1840年に、通行人が休憩するための酒屋として開業し、日曜・祝日通行料の支払いが義務付けられた際には料金所の役目を果たしたという時代を経て、1975年にアルミン&エミ・シェーラー夫妻が開いた小さな飲食店が、このレストランの原形だ。彼らの料理は地元市民の評判を呼び、たちまち有名店に。その後、2代目シェフのハインツ・ヴェーマンが現在に至るまで30年以上、1日たりとも星を失わずに営業を続けている。同店のモットーは、「伝統と革新が交わる場所」。地元で採れる厳選食材を使用し、調理過程で起こる食材の変化に科学的視点からアプローチするフランス生まれの「分子調理法」を用いた創作料理から、ハンザ地方の伝統的なレシピによるジャガイモサラダまで、新旧様々な味を展開している。人気メニューは鴨のカリカリ焼きと骨付きイシビラメ。シェフがゲストの目の前でさばき、調理してくれる。

Landhaus Scherrer
Landhaus Scherrer Landhaus Scherrer
Landhaus Scherrer Landhaus Scherrer

Landhaus Scherrer
12:00~15:00(LO14:30)
18:00~オープンエンド(LO22:30)
日休業 ※予約推奨
Tel: 040-883070030
Elbchaussee 130, 22763 Hamburg
www.landhausscherrer.de
ミシュラン.... ★★★
ゴー・ミヨ....19点

素材本来の味をとことん追求
La Vie

歴史情緒溢れるオスナブリュックの旧市街、市庁舎の真向かいに建つレストランを営むのは、これまでフランス料理界のあらゆる賞を総なめにしてきたドイツきっての名コック、トーマス・ビューナーと、サービスを仕切るスリランカ出身の妻タヤルニ。「グルメな人のメッカ」を謳い、18世紀築の威風堂々たる建物にふさわしい最上級の料理を提供している。「素材の味に適う味はない」と言うビューナーは、食材の味を最大限に引き出すためのレシピを何週間も掛けて考案している。その一例が年々洗練されていく鹿料理で、ソースには調味料を一切使わず、真空パックした肉をぬるま湯で温めて搾り出した肉汁を使うという徹底ぶり。また、肉や野菜は焼くのではなく自家製オイルを使い、低温でじっくり煮込んで味を凝縮させている。こうして完成するコース料理は、異なる料理の寄せ集めではなく、1皿1皿に盛られた素材の味がつながることで奏でられる「極上のシンフォニー」なのだ。

La Vie
La Vie La Vie
La Vie La Vie

La Vie
19:00~オープンエンド 
水〜土12:00~オープンエンド 
日月休業 ※予約推奨
Krahnstr. 1-2, 49074 Osnabrück
Tel: 0541-331150
www.restaurant-lavie.de
ミシュラン.... ★
ゴー・ミヨ....17点

高級食材を、そっとやさしく調理
bean & beluga

ドレスデンの名店Bülow Residenz で約10年間、修行を積んだ後、料理の極意を探るべく米ニューヨークやスペイン・マヨルカ島などの名店をめぐったシュテファン・ヘルマン。彼が2007年に格調高いユーゲントシュティール建築が特徴の旧カフェBinneberg を改築して開いたレストランは、オープンからわずか5カ月後に星を獲得した。「豆とチョウザメ」という一風変わったレストラン名には、素朴な豆類からキャビアまで、ここではあらゆる食材を堪能できるというヘルマンの想いが込められている。彼のこだわりは、新鮮な高級食材の味を損ねないよう大切に、やさしく調理し、口の中に入れて初めて完成するという型破り のレシピだ。今年3月からは7品のベジタリアン・コースもスタートし、メニューの幅は大きくグレードアップ!レストラン下の地上階には、軽い食事ができるビストロバーとデリカテッセンの店が併設され、星付きシェフ自慢の味を気軽に楽しめる。

bean & beluga
bean & beluga bean & beluga
bean & beluga bean & beluga

bean & beluga
18:30~22:00 日月休業
地上階ビストロバー:
10:00~23:00 日月休業
Tel. 0351-44008800
Bautzner Landstr. 32, 01324 Dresden
www.bean-and-beluga.de
ミシュラン.... ★
ゴー・ミヨ....17点

1品1品に遊び心とストーリーを込めて
Villa Merton.

フランクフルトの高級住宅街にあって、瀟洒な佇まいが一際目を引くレストランは、もともと1925年、「グリュンダーツァイト」と呼ばれる興隆期に地元の富豪リヒャルト・メルトンが建てたネオバロック様式の別荘だった。2009年に大々的にリフォームされ、地元のセレブリティーたちから絶大な支持を集めている同レストランを仕切るのは、ワインの選定とサービスを担当する支配人ティーリー・フェルデンと、ズュルト島やシュトゥットガルトの名門で修行した若手シェフ、マティアス・シュミット。地元の食材から世界に通用する味を作り出すため、オリーブオ イルや柑橘類、海水魚など、地元で採れないものは材料リストから省き、代わりにハマナスやブナの実、松の芽、小麦の苗汁など珍しい食材を使って遊び心溢れる独創的な料理に挑戦している。「1品1品にストーリーを込めている」と語るシェフが四季折々の旬な食材で作る料理は、味わう人の目と舌に新鮮な驚きと感動を与えてくれる。

Villa Merton.
Villa Merton. Villa Merton.
Villa Merton. Villa Merton.

Villa Merton.
12:00~14:00 / 18:00~22:00 
土日休業 ※予約推奨
Am Leonhardsbrunn 12, 60487
Frankfurt am Main
Tel: 069-703033
www.villa-merton.de
ミシュラン.... ★

豊かな自然の中に映えるモダンな新名所
schanz. restaurant.

絵に描いたように美しく長閑な自然と名産のモーゼルワインが、ハイキングやワインの愛好家を惹き付ける町ピースポートに2011年夏、新たな名所が加わった。小さなホテルとワイナリーを営むガブリエル&エーリッヒ・シャンツ夫妻のもとに、長いコック修行の旅を終えた息子トー マスが戻ってフランス料理店を開き、同年秋に早速、星を獲得したのだ。「上質な食材が手に入る場所で作られる料理を志向している」と語る彼のスタイルは、モダン・フレンチ。天然ヒラメやブルターニュ産のオマールえび、トリュフなど、自ら吟味した高級食材の価値を、匠の技と言えるほどに凝った調理を通して最上級にまで高めている。そこへさらに彩りを添えるのが、彼のパートナーであり建築家のブリッタ・ティボが手掛けたレストランの内装。周囲に並ぶ昔ながらの石造りの建物とは一線を画す、ガラスや金属をふんだんに取り入れたスタイリッシュなデザインは、建築物としてだけも一見の価値あり。

schanz. restaurant.
schanz. restaurant. schanz. restaurant.
schanz. restaurant. chanz. restaurant.

schanz. restaurant.
12:00~14:00 / 18:30~21:00 
火18:30~21:00 
月休業
Bahnhofstr. 8a, 54498 Piesport
Tel: 06507-92520
www.schanz-restaurant.de
ミシュラン.... ★★
ゴー・ミヨ....18点

無駄のない食事に、最適なワインを
Becker’s Restaurant

古代ローマの遺跡群が壮大な歴史ロマンを感じさせるドイツ最古の町、 トリーアにある高級ホテル内のレストラン。ホテルのオーナー兼レストラン・シェフのヴォルフガング・ベッカーは1997年に先代から経営を継ぎ、妻でソムリエのクリスティーナとともに大改装を決心。そしてついに2011年、伝統的な石造りの建物と無駄を省いたフォルムが特徴のバウハウス様式の建物を融合させたデザイン・ホテルに生まれ変わった。同ホテル内のレストランで味わえる料理は、「意味のないものは皿に乗 せない」とヴォルフガングが断言する通り、無駄な飾りを一切省いた、食材の色が際立つ逸品ばかり。カリフラワーのトルテやあんこうのかぼちゃ・オレンジ・にんじん添えなど、定期的に替わる創作コース料理は8品または5品。それに合わせてクリスティーナが勧めてくれるワインの中には、ぶどう畑を所有するベッカー夫婦が自ら醸造したヴァイスブルグンダーやシュペートブルグンダーも含まれている。(下写真 Fotos: © Becker's)

Becker’s Restaurant
Becker’s Restaurant Becker’s Restaurant
Becker’s Restaurant Becker’s Restaurant

Becker’s Restaurant
19:00~オープンエンド 
日月休業
※予約推奨
Olewiger Str. 206, 54295 Trier
Tel: 0651-938080
www.beckers-trier.de
ミシュラン.... ★★★
ゴー・ミヨ....18点

食材の価値を調理によって完結させる
Amador

工業都市として発展を遂げたライン=ネッカー地域の町マンハイム。そ の工場街の一角にある、旧人形製造工場を改築した建物が同レストランだ。目立った看板はなく、ここがレストランであることを示すのは、重厚な鉄の扉に記された「A」という文字のみ。しかし、無機質なレンガ造りの外観とは対照的に、中には白を基調としたインテリアに赤いアクセントが際立つ近未来的な空間が広がる。同店のシェフ、フアン・アマドールはここで、伝統的なフランス料理に両親の故郷であるスペイン、そしてドイツ料理の要素を織り交ぜたアヴァンギャルドな料理の開発に勤しんでいる。1997年に一つ星を獲得し、2002年に2つ星、08年に三つ星シェフへと昇格したアマドールは、米国のグラント・アケッツや英 国のヘストン・ブルメンタールら世界屈指の料理人たちと評判を分ける実力派。あらゆる食材に関する膨大な量の科学的知識を有する彼が、最新の調理法を駆使して素材の価値を完全なものへと引き上げる。

Amador
Amador Amador
Amador Amador

Amador
19:00~オープンエンド 
日月休業
※予約推奨
Floßwörthstr. 38, 68199 Mannheim
Tel: 0621-8547496
www.restaurant-amador.de
ミシュラン.... ★★★
ゴー・ミヨ....18点

世界に名立たるスター料理人のお墨付き
Historisches Eck

「完璧な食事とは何か── それはゲストを幸せにすること」。このポリシーを胸に、同レストランのシェフ、アントン・シュマウスは日々厨房 に立っている。ホテリエを父に持ち、幼い頃から料理人になることを夢 見ていたバイエルン出身のシュマウスは、スイスとスウェーデンの星 付きレストランで急速に頭角を現し、米ニューヨークに乗り込んで、世界に名を馳せるスター料理人、トーマス・ケラーを感服させた。さらに、そのケラーが経営するフレンチの殿堂Per Seで腕に磨きを掛け、2009年、ついに念願叶って地元レーゲンスブルクで独自の店を構えた。ドナウ河畔の古都レーゲンスブルクの大聖堂至近に建つレストランは、アーチ型の天井が重厚感を醸し出す歴史的な建築。グルメ界の最新の流行を取り入れたフュージョン料理から、地中海料理、バイエルンの伝統料理まで、トップクラスのご馳走には、フレンドリーなスタッフたちの笑顔とシェフの愛情というスパイスがよく効いている。

Amador
Historisches Eck Historisches Eck
Historisches Eck Historisches Eck

Historisches Eck
12:00~14:00 / 18:00~01:00 
日月祝休業
※予約推奨
Watmarkt 6, 93047 Regensburg
Tel: 0941-46524734
www.historisches-eck.de


最終更新 Montag, 15 Juli 2019 16:15
 

パウル・クレー x 100 絵の物語

パウル・クレーX100 絵の物語

詩情豊かな作風で時代を超えて愛されている画家、パウル・クレー。デュッセルドルフのNRW州立美術館が100点目のクレー作品購入を記念して、9月29日からK21で全収蔵作品を一挙公開する。題して『パウル・クレー×100 絵の物語』。クレー作品の芸術的価値だけでなく創作プロセスもじっくり検証し、さらにはその社会的側面も紹介する斬新な展覧会だ。

2013年4月21日(日)まで延長!
会期:2012年9月29日(土)~2013年4月21日(日)

入場料:大人12ユーロ、割引9.50ユーロ、子ども2.50ユーロ
Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen K21
Ständehaus Ständehausstrasse 1, 40217 Düsseldorf
Tel.: 0211-8381 204
http://www.kunstsammlung.de/

100 × Paul Klee : Geschichte der Bilderスイス生まれのパウル・クレーは、20世紀のドイツを代表する画家である。1911年にワシーリー・カンディンスキーと知り合い、表現主義のグループ『青騎士』に参加。20年代には造形学校バウハウスのマイスター、そしてデュッセルドルフ美術アカデミーの教授を歴任するが、ナチスの台頭後まもなく“退廃芸術家”とみなされて国を追われ、1940年にスイスで死去している。  

60年の生涯で遺した作品の数は約9000点。モザイク状のカラフルな幾何学的抽象画や、謎めいた表情を湛える魚や猫の絵、晩年のシンプルな天使のスケッチなどを、読者の皆さんもご存知ではないだろうか。作品のほとんどが小品なのに、クレーの絵は不思議と観る人を引き込んで放さない。作風こそ時代とともに変わったが、クレーの絵には常に静かな詩情とバランス感覚が通底している。キュビズムやシュールレアリズムなど、様々な美術の潮流が押し寄せては去っていった20世紀前半、クレーが結局はどの流派にも属さず独自の位置を確立できたのは、自然から学んで人間を相対化する、東洋的とも言える世界観が作品に反映されていたからだ。  

クレーは、「芸術家は人間であり、人間は自然界の一部で、宇宙の座標のようなもの」と説いた。自然を観察し、木の葉や苔などを集め、自然界に存在する「数」や「比率」を分析した。自然の法則は造形にも生かせるし、生かすべきだとクレーは考えたのだ。造形は恣意でなく必然。そう認識したクレーだから、作品も過剰さやアグレッシブさと無縁に控えめで、調和の感覚に満ちたものになった。「絵画とは目に見えるものを写し出すのではなく、見えないものを見えるようにすることだ」とも発言している。  

さて、展覧会ではクレーのこうした精神世界を改めて検証すると同時に、作品に使用されたマテリアルにも焦点を当てることで、その創造プロセスをより深く掘り下げる。クレーは伝統的な画材にこだわらず、様々な素材を投入してその芸術的効果を確認する堅気な職人でもあった。たとえば油彩、パステル、墨、チョークといった異なる画材はもちろん、カンバス表面に厚紙、絹、ジュートなど異色の素材を使って効果を試した。額縁もクレーにとっては作品の一部で、作品ごとに慎重にフレームを選んでいる。今回の展覧会では、有名な「ラクダ」(1920年)などの作品を、表だけでなく裏からも見えるように展示し、クレーの素材研究の軌跡を明らかにする。  

本展はまた、クレーを支援した画商やコレクターの存在もクローズアップする。たとえば州立美術館の100点にしても、もともとは1960年に州が米国のコレクターからクレー作品88点を一括購入したことが決定的であり、その裏には当時の州首相に働きかけたスイス人コレクター、エルンスト・バイエラーの存在があった。さらに、絵の裏側に記された貸出記録をもとに、過去半世紀の間にクレー展が催された各国の政治事情と当時の世相もドキュメントしている。クレーの作品世界だけでなく、クレーを起点に広がる現実世界を十分に満喫できる展覧会だ。

(NRW州立美術館非常勤スタッフ・田中聖香)

1. Paul Klee, Kamel (in rhythm. Baumlandschaft), 1920, 43, 48 x 42 cm Foto: © Kunstsammlung NRW 2. Paul Klee, omphalo-centrischer Vortrag, 1939, 690 (KK 10), 70 x 50,5 cm Foto: © Kunstsammlung NRW 3. Paul Klee, Schwarzer Fürst, 1927, 24 (L 4), 33 x 29 cm Foto: © Kunstsammlung NRW
4. Paul Klee, Kleinode, 1937, 214 (U 14), 57,6 x 76,5 x 2,1 cm Foto: © Kunstsammlung NRW 5. K21 Ständehaus(外観)Foto: © Helke Rodemeier, © Kunstsammlung NRW

* 読者の皆様を、9月28日(金)午後7時からのオープニングにご招待いたします。お誘い合わせの上、どうぞお越しください。また28日(18 時以降)、29~30日(全日)には会場前の公園Ständehausparkで「光の祝祭」が開催されます。オープンエアコンサート、美しいイルミネーション、ロマンチックなボートツアーなどの催しがあります。9月28~30日までの3日間は、展覧会、「光の祝祭」ともに入場は無料です。

* 展覧会会場は、クレー作品を常設しているK20でなく、K21です。ご注意ください。

* 日本語によるガイドツアーは10月28日(日)、11月11日(日)、12月9日(日)の11:30~12:30に予定されています。

お申し込み、お問い合わせは田中まで。
Tel: 0160-944 64 170,
E-Mail: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください

最終更新 Montag, 15 Juli 2019 14:27
 

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