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ドイツスーパーをさらに深掘り!

ドイツのスーパーをさらに使いこなすために知っておくとお得な情報や、買い物をしながら環境保護にも貢献できるちょっとしたアクションをご紹介。毎日の買い物をさらに充実させるヒントにしよう。(文: ドイツニュースダイジェスト編集部)

ドイツのスーパーマーケット大調査

あなたの最寄りスーパーはどこ? ドイツのスーパーマーケットリスト

ドイツのスーパーマーケットは、大きく四つのカテゴリーに分けられる。それぞれの店舗の良さを発見して、スーパーを使い分ける参考にしてみて。

オーソドックス

手堅く何でもそろう、オーソドックスなスーパー。多くは自社ブランド(PB)の商品を積極的に販売している。価格帯や品質の異なる複数のPBを商品化しているスーパーも。また最近では、街中でスーパーのロゴをつけた宅配トラックが走行しているのを目にすることも増えた。ネットで注文すると配達してくれるサービスが本格化している。

EDEKA、REWE

EDEKA REWE

ディスカウント

ディスカウントスーパーも盛況だ。安さを評価する消費者がいる一方で、それゆえに品質に不安を持つ消費者も。しかし、その安さの秘密はディスプレイの簡略化や、客がレジを早く通り抜けられるようベルトコンベアーを長くして買った商品を並べやすくするなど、経費削減の工夫にもある。コストパフォーマンスに注目したい。

ALDI、LiDL、Netto、PENNY

PENNY Netto

大型

郊外に出店している大型スーパーには、自家用車がないと行けないという欠点があったが、最近ではショッピングモールに隣接するなど街の中心地に店舗を構え、利便性が増している。広大な店内には食料品のみならず、家電から文房具、衣料品、食器や調理器具、日用品まで何でもある。

real、Kaufland

real

独自路線

格安スーパーが価格競争でしのぎを削るなか、逆に価格帯が比較的高いスーパーもある。近年すっかりお馴染みになったビオ系や、日系、アジア系、トルコ系など、各国独自の食材を扱うインターナショナルなスーパーが、個人の好みに寄り添う商品をそろえている。

SuperBioMarkt、BIO COMPANY、real、Kaufland Alnatura、BioMarkt、basic

Alnatura

ドイツの人気のスーパーマーケットランキング(2021年1月)

※独自性・品質・魅力・価格・開発性をそれぞれ評価した点数の合計(100点満点)

1位 REWE(レーヴェ) rewe 69.5
2位 Lidl(リドル) lidl 68.7
3位 EDEKA(エデカ) edeka 65.9
4位 Kaufland(カウフランド) 62.9
5位 ALDI Süd(アルディ・ズード) 62.5
6位 ALDI Nord(アルディ・ノルド) 58.9
7位 Netto(ネットー) 58.2
8位 PENNY(ペニー) 54.0
9位 real(レアル) 53.6
10位 Norma(ノルマ) 43.7

Quelle: Splendid Research

宅配サービスが便利!

コロナ禍で、スーパーに行かなくても買い物ができる宅配サービスの需要が高まった。2020年は前年比で60%も利用者が増えたのだとか。ベルリン発スタートアップのGorillasは、注文してから10分で届けることを売りにした宅配サービス。ユーザーはアプリを使って商品を注文し、ライダーが自転車で届けてくれる。地元農家と提携したり、できるだけプラスチック梱包を避けたりするなど、サステナビリティーの視点からも注目されている。
Gorillas: https://gorillas.io

Gorillas

持っていなきゃ損? ドイツのポイントカード事情

「ポイ活」と呼ばれるほど、ポイントカードが盛んになっている日本。それに比べてドイツでは主に二つのポイントカードが知られているだけで、日本のようにさまざまな種類のカードがあるわけではない。

ドイツのポイントカード大手としては、PaybackとDeutschlandCardの2社が有名。その中でもPaybackカードはアメリカン・エキスプレスグループ傘下のロイヤルティー・パートナー社が2000年に開始したサービスで、ドイツ人の所有率はなんと国民の3分の1以上。そのため割引制度の規模は国内最大であり、30店以上の実店舗と600店以上のオンラインショップと提携しており、スーパーではREWEやPENNYなどでも利用可能だ。一方、DeutschlandCardはベルテルスマン社の一部門であるベルテルスマン・プリンティング・グループが2008年に開始したサービスで、1万店以上の小売店や400店以上のオンラインショップと提携。スーパーはEDEKAやNettoなどで使うことができる。

ポイントカード

ポイントカードの活用方法は、支払い時にカードをスキャンする、またはオンラインで買い物する際はカードの番号を入力すると、支払額に応じてポイントが貯まる。集めたポイントは商品と引き換えたり、ポイントを使って支払うなど、消費者にとってお得なものになっている。スーパーの買い物に関しては2ユーロの購入ごとに1ポイント獲得するパターンが多い。両者ともスマートフォン用のアプリがあり、お得なクーポンも受け取ることができる。ただし、企業側はポイントカードを通じて消費者の行動を分析したいという企みがあるため、抵抗がある場合は発行を拒む人もいる。

参考:t-online.「Payback: Lohnt sich das Punktesammeln?」、「Deutschlandcard: Sinnvoller Bonus oder Daten-Abzocke?」

人々の生活と廃棄食品を救う! 大手スーパーでも広がるフードシェアリング

まだ食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」。ドイツでも年間1200万トンの食品ロスがあり、うち50万トンはスーパーで廃棄されているという。その理由は、形の悪さやパッケージの傷、賞味期限切れ、過剰な仕入れなどさまざまだ。

そんなスーパーの食品ロスに対し、ドイツでは「Food Sharing」という団体や、「Tafel」というフードバンクなどが、REWEやEDEKAなどの大手スーパーとも協働し、廃棄食品を集めて必要な人々に配る活動を行ってきた。また2017年には、廃棄食品のみを扱うスーパー「SIRPLUS」(サープラス)がベルリンに誕生。業務用大手スーパーMetroや、ビオスーパーのBIO COMPANYなどと提携し、格安で商品を販売している。

フードシェアリング

さらに大手スーパーでも、「フードシェアリング棚」を独自に設置する店舗が増加。例えばバイエルン州のAmper Einkaufszentrum(AEZ)では、ミュンヘンにある10店舗でフードシェアリング棚を設置し、賞味期限が切れる直前の食品を無料で提供している。AEZでは、この取り組みによる売り上げの減少はなく、むしろ食品の廃棄にかかっていたコストの3分の2を削減することに成功したという。

連邦食糧・農業省は、2030年までに食品ロスを現在の半分まで減らすことを目標に掲げ、「Zu gut für die Tonne!」(ゴミ箱に捨てるにはもったいなさすぎる!)というプロジェクトのもと、市民やスタートアップ、大手スーパーなどによる食品ロスへの取り組みを積極的に支援・表彰している。皆さんの家の近くにも、人にも環境にも優しいスーパーがあるか、ぜひチェックしてみて。

参考:Bundesministerium für Ernährung und Landwirtschaft「Lebensmittelverschwendung」、Süddeutsche Zeitung「So reagieren Supermärkte auf Lebensmittelverschwendung」、foodsharing.de

新たに買う前に考えよう エコバッグは本当にエコなの?

環境保護の観点から、今や持ち歩くことが当たり前となったエコバッグ。各スーパーのオリジナルデザインをはじめ、ユニークな形や素材などがあり、コレクションしている人も少なくないだろう。そんなエコバッグだが、プラスチックフリーではないからといって、必ずしもエコであるとはいえなさそうだ。

エコバック ハンブルクのスタートアップ「Ogata」のリュック型エコバッグ「JohnJohn」。背負うことで口が閉まるため、ファスナーなどが不要で、低コストで大量生産が可能。Aldiでも販売されている。

例えば、生分解されるという点で紙袋はビニール袋より優れていると考えられてきたが、実際には紙袋の製造にはビニール袋の約2倍ものエネルギーが必要で、有害な化学物質も使用されている。また耐久性に劣るため、繰り返し使うことができない。コットン製のエコバッグも、綿花栽培に大量の水が必要だったり、農薬が使われたりするなど、環境への負荷は大きい。こうしたコストに見合うには、最低でも25回は使用しなければならないという。そうしたなか、認証済みのオーガニックコットンを使用したり、より耐久性に優れた作りにしたりすることが、最近のエコバッグに見られる傾向の一つだ。

エコバック REWEのエコバッグは、サステナビリティーに配慮していることを示す自社オリジナル認証を取得したコットンを使用。売り上げの一部が自然保護団体NABUの支援に充てられる。

また、欧州連合(EU)の使い捨てプラスチックに関する指令により、スーパーでもこれまでビニール包装されていた野菜や、野菜用のビニール袋を見かけなくなってきた。そんな時に便利なのが、野菜用ネット(Gemüsebeutel)だ。量り売りの野菜をネットに入れ、そのままレジで購入できる。

エコバック ミュンヘン発の「naturtasche.de」の野菜ネットは、目の細かい作りになっているため、野菜だけでなく穀物やパスタなどを入れることもできる。素材はもちろんオーガニックコットン。

なお、エコバッグはバクテリアが繁殖しやすいため、定期的に洗濯することが望ましい。野菜用や肉用など、食品別にバッグを分けることもポイント。コットン製なら60度の水温に耐えられるため、どんな食材にも適している。最近洗った覚えがない人は、すぐに洗濯を!

参考:UTOPIA「Umweltfreundliche Tragetaschen: Die besten Plastik-Alternativen」、Bild der Frau 「Ekelfaktor Einkaufstasche: So wichtig ist die Reinigung und so geht's richtig」

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