使い勝手がよくて長持ちするけど、デザインはイマイチ……
なんて言われていた時代はとうの昔。
進化を続けるメイド・イン・ジャーマニーを見直そうと、
『独国製品愛好会』を設立、精力的に活動中です。
愛され続けるには理由がある!
第2回目となる今回は、違いの分かる粋な男性にぴったり。
男を磨き、惹き立てる名脇役を見付けてきました。
(Text by Megumi Takahashi)
この品質、一生もの。
HUGO BOSSのスーツ
トレンドとは一線を画すシンプルなシルエット。選び抜かれた高品質な素材で身を包む贅沢を感じさせる……。1923年にシュトゥットガルト近郊のメッツィンゲンで誕生したヒューゴ・ボスは、ナチスが台頭してきた30年代には、親衛隊(SS)の制服を手掛けるなど、ナチス将校たちに深く愛されていた。今なお世界中のセレブを魅了して止まないヒューゴ・ボスのスーツは、洗練された大人の味わい。
高級車の機能美を腕に。
Porsche Designの時計
高級スポーツカー、ポルシェの伝説的名車「ポルシェ911」の生みの親、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ博士が1972年に立ち上げたブランド。「機能がフォームを決める」という博士の理念を軸に、機能性と無駄のないデザインを追及。アクセサリーからインテリアまで幅広く、各分野のトップブランドとのコラボレーションを実現させている。中でも時計は、高級車の哲学が存分に凝縮された逸品。
愛用の文房具が手になじむ快感。
Faber-Castellの万年筆
使い込むほどに個性を発揮する万年筆は、苦楽を共にしてきたパートナーのような愛着を感じさせる存在。鉛筆の世界基準を打ち立てた高級筆記用具の老舗ファーバーカステルが250年の歴史の中で育て、磨き上げてきた文房具は、こだわり派の男性の手にこそふさわしい。心地良い自然の温もりが魅力的な木製ボディのデザインは、大切な人への贈り物としても魅力的。日本で替えのインクを購入できる利点も。
『快適さ』を求める足に。
Bärのコンフォート・シューズ
履く人の歩行の際の姿勢と表情を格段に良くする靴が、良い靴だ。そのことを心から実感させてくれる靴との出会いはなかなか得がたいもの。ベアーのAgnelloシリーズは、野生の羊「ムフロン」の革を使った秀逸な紳士靴。希少なこの革の柔らかさ、そして100%天然ラテックスを使用した柔軟性と衝撃吸収力に優れたソールが快適さの秘密。もちろん、一足一足、職人の手で丁寧に作られている。
個性とコンサバの調和。
REIZ Germanyのアイウェア
一目で人の印象を左右するアイテム『眼鏡』。ドイツには、掛けるだけで「出来る男」の顔を作ってくれると評判の眼鏡がある。1996年生まれのブランド、ライツだ。シンプルでありながら、掛ける人の個性を引き出すフレームと、オリジナルのアセテート素材が醸し出す独特な色、質感。その品質を保証するため、ドイツ国内での生産にこだわっている。「REIZ」=魅力、スリル、刺激。得られる感動は無限大。
250年の技術の結晶。
Zwillingのネイル・ケアセット
ドイツの人気お土産ランキングの上位に入るツヴィリングの商品。刃物の街ゾーリンゲンの職人が1731年に生んだプレミアムブランドは今年、250周年を迎えた。企業理念「最高のものを持つ喜び」を追求し続けたツヴィリングの1つの答えが、TWIN 1731シリーズ。伝統あるシンプルなフォルムはそのままに、機能性で群を抜く。一度使うと離れられない、ツヴィリングの使い心地をご堪能あれ。
普段使いの贅沢。
BREEのカバン
ヌメ革の魅力を存分に味わえるシンプルなコレクションを引っさげて、BREEが誕生したのは1970年。ミニマルなデザインと耐久性に信頼を寄せるファンは多い。革製品だけではなく、トラックの幌(ほろ)に使われる素材でデザインされたPunchシリーズ(写真)もデザイン賞を総なめにした人気商品。革新と普遍を両立させる同社が作り出す製品は、日常生活の快適性と満足度を高めてくれる。
本当の実力を知っているか。
BRAUNの髭剃り
男性も美肌ケアが常識になりつつある昨今、夜まですべすべの顎をキープできる髭剃りが求められている。肌に負担を掛けずに深剃りしたいという欲求は、毎朝、鏡をのぞく男性の切なる願い。電気シェーバーの最上位ランク、ブラウンのシリーズ7ならヒゲが濃い人も敏感肌の人も、自分の肌質に合ったシェービングモードで快適に剃れる。 シリーズ3、5、7は、ドイツの工場で作られている。
情熱をフィルムに焼き付ける。
zeiss Ikonのカメラ
ドイツカメラと言えば、唯一無二の存在であるLeicaが筆頭に上がるかもしれない。しかし、かつて史上最も美しいカメラと言われた「コンタレックスI ブルズアイ」(1950年代)を生み出したツァイス・イコンの存在も忘れてはいけない。今なおカメラ愛好家たちから熱い支持を受ける同社の魅力は、精度の高さ。究極のレンジファインダーとも言われる同社のカメラは、写真の楽しみを倍増させる。
1杯の価値を最大限に惹き立てる。
Schott Zwieselのワイングラス
ドイツに来て、ワインの美味しさに改めて魅了されたという人も多いはず。かく言う私もその1人。取って置きのワインこそ、上質なワイングラスで飲みたいもの。1872年創業のツヴィーゼル社は、世界で初めて鉛を含まない無鉛クリスタルガラスを生み出した老舗。高い透明度と強度を併せ持つ同社のワイングラスは、一流ホテルもご用達。ビアグラスもビールの種類別に豊富なバリエーションを揃えている。
走る喜びを感じさせる二輪。
CUBEの自転車
平地が延々と続くドイツでは、サイクリングを趣味にする人が日本と比べて圧倒的に多い。高級自転車専門メーカーのキューブは、レースにも、長距離走行にも、荒野を駆けるにも最適な、多種多様なマウンテンバイクを生み出している。最高級の品質とデザインを自負し、red dot design awardでは今年、“REACTION GTC SL”(写真)がデザイン賞を受賞した。軽くて丈夫なボディの秘密はカーボン素材。
何度でも、ゴシゴシ洗ってOK。
TRIGEMAのポロシャツ
市場に出回るアパレル商品の大半が、タグをめくれば中国製や東欧製など、人件費の安い国からの輸入品というこの時代に、頑なにドイツの自社工場での製産にこだわり続けているトリゲマ社。「100% Made in Germany」をスローガンに、クオリティーの高さ、環境への配慮、コンプライアンスの遵守など、クリーンな企業哲学を貫く。中でも、丈夫で型崩れしにくいポロシャツには国内外にファンが多い。
粋な男のお供が手に入る場所
正規取り扱い店 充実した品揃えとアフター サービスで納得のお買い物を |
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大手デパート お近くのKARSTADTやKAUFHOFなど |
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アウトレットショップ www.outlet-center-info.de で近郊の店舗をチェック |
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オンラインショップ 各社のウェブサイト、またはamazon.deやebay.deなど |
編集部・高橋(編):今年、創業40周年を迎えたBREE。まずは、このブランドの魅力について教えてください。
志田美知子さん(志):BREEの良いところは、シンプルさ。余計なものを排除した最小限のデザインと質の高さです。時代の変化に対応し、シーズン毎に新しいシリーズも出しますが、この基本は変わりません。
編:いくつになっても使える、息の長いお付き合いのできそうなバッグばかりですね。
志:クラシックなものもあれば、Punchのようなスポーティーなデザインのものもあります。また、2~3年で買い換えるつもりで買うのと、10年以上使うつもりで買うのとでは、予算も耐久性も、求めるものは変わってくるはずですよね。革の質など素材にもランクがあるので、そういったお客様の年齢や好み、シーン別の要求に合わせて選べる豊富な質と価格のバリエーションも魅力です。
編:リピーターも多いのでは?
志:そうですね。やはり普段の生活の中で使うバッグなんです、BREEは。シンプルなデザインにも、毎日使って、毎日満足していただけるようにという想いがある。そう思うと、決して高い買い物ではないんです。200ユーロ÷(最低でも)3年(360×3)=1日当たり20セント以下!
編:でも、革のケアって難しいイメージがあります。
志:ご自宅でのケアなら、ムース状のLeather Care Foamをお勧めしています。汚れの除去も、革のケアも、防水もこれ1本でOK。ムースが使えないスエード素材には防水スプレーなど、用途に合わせてケア用品も販売しています。
編:Punchで使われているトラックの幌(ほろ)の素材の汚れは?
志:濡れた布やスポンジで軽くこすっていただくか、しつこい汚れは市販のガラス磨きの洗剤で落とせます。また、BREEでお買い上げいただいた製品については、2年間の保障期間はもちろん、その後も革自体の問題やほつれた縫い目の修理などは無料で承っています(領収書を必ずお持ちください)。
編:それは嬉しい! BREEの企業哲学にドイツ的スローライフの原点を見たような気がします。ありがとうございました。
Schadow Arkaden DüsseldorfのBREEにて勤務。
店頭に立つのは、毎週、月・木・土曜日。
www.schadow-arkaden.com
2004年、デザイン賞を受賞した紙のエコバックをモチーフにしたSimply。BREEの社長も愛用しているとか。