2011年8月、市民に長い間愛されてきたヴィルヘルムパレス内のシュトゥットガルト市立図書館が、中央駅近くに新築されたモダンな建屋への引っ越しをもって閉館となりました。空っぽになった旧館の今後の使い道については、まだはっきりと決まっていませんが、今のところ、ここでアートやデザイン関係の催し物が開かれ、図書館だった頃とは全く異なる趣のイベント会場として機能しています。
昨年12月に、この旧図書館で行われたイベント「DEKUMO」に行ってきました。DEKUMOとは、ドイツ語のデザイン(Design)・アート(Kunst)・モード(Mode)のそれぞれの頭文字2文字を取って付けられた名前。イベントでは、全国から123のデザイナーやアーティスト、団体が集まり、オリジナル商品のプレゼンテーション、販売が行われました。
シュトゥットガルトをテーマにした商品が並ぶ
S-T-G-T/0711Store
商品カテゴリは、デザイナーズ家具やインテリアからファッション、鞄、アクセサリー、文房具まで実に豊富。陶器のピアスやブローチ、毛糸を編んで作ったネックレス、写真紙を折り紙のようにして作ったランプシェードなど、目を見張るような斬新なアイデアの宝庫で、建物の1階から3階まで、終始わくわく気分で観て回りました。ただ、素敵なグッズがあちこちにあって、ついついお財布の紐が緩んでしまったのも事実です。
若い女の子向けのデザイン
ここで私が特に気に入ったお店をご紹介しましょう。とてもカラフルな小型仏像を取り扱っている「BuddhaBuddha」というインテリア雑貨店です。頭や顔、上半身、袈裟、足、座布団など、パーツごとに異なる色や模様の特殊紙を上手くコラージュすることで、本来はモノトーンだった仏像が様々なイメージの仏陀に様変わり! 日本人にとって身近な、質実剛健の象徴とも言える存在の仏像が、いとも華やかに生まれ変わった様子を目の当たりにし、かなり衝撃を受けました。仏陀が黒地に白の水玉模様のポップな袈裟を着こなしているというのは、やはりドイツ人ならではの感性ではないでしょうか。
地元シュトゥットガルトのデザイナーも多数出展していました。中でも一番目立っていたのは「S-T-G-T/0711Store」というお店。ここでは、「シュトゥットガルト」をテーマにしたオリジナルグッズを販売していました。デザイナーのモットーは「故郷シュトゥットガルトを誇りに!」。テレビ塔や市の紋章になっている馬、市内局番の0711などをモチーフに、Tシャツやアクセサリーなど、気軽に身に着けられるものを作っています。市内には店舗もあるので(Senefelderstr.52, 70176 Stuttgart)、シュトゥットガルト観光に来られる際は、ぜひここでお土産を探してみてください。
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
HP: http://kakueinan.wordpress.com/