ご注意ください! ドイツ国内での防犯対策
欧州の中でも、比較的治安の良い国というイメージがあるドイツ。とは言え、ドイツ国内の犯罪件数は、日本の4倍以上!! 日本での生活以上に防犯の意識を持って、対策を取る必要があります。
特に日本関連のインフラが整うデュッセルドルフおよび近郊で、日本人が被害者となる事件が後を絶たない現実があるそうです。9月3日、在デュッセルドルフ日本総領事館の村山領事が、当地での防犯対策について、デュッセルドルフ日本クラブで講演を行いました。ドイツ在住の皆様、また、ドイツを旅行する予定の皆様、楽しいドイツ滞在のために、今一度、防犯対策について見直してみませんか?(協力:在デュッセルドルフ総領事館)
ドイツの治安情勢
- ドイツ全体の犯罪認知総件数は約600万件。この数、日本の4倍以上
- 各州別認知件数の1位は、デュッセルドルフ、ケルンが位置するノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州
- 犯罪発生率(人口10万人当たりの認知件数)は約7000件で日本の約7倍
- 人口20万人以上の都市別では、1位フランクフルト、2位デュッセルドルフ、3位のケルン、5位のドルトムントなど、NRW州内の都市が軒並み上位にランクイン
- 暴力犯罪は減少傾向にあるも、殺人は日本の約2倍、強盗は約13倍発生している
- 侵入盗が急増、特に東欧諸国の窃盗団による空き巣が増加
- インターネット関連の犯罪が増加
NRW州の治安情勢
- 犯罪発生件数は約152万件と、東京都の約9倍
- 強盗や傷害など、粗暴犯の発生件数が増加。特に空き巣の発生件数が1995年以来で最多を記録
デュッセルドルフの治安情勢
- デュッセルドルフ市全体で2012年は、約8万9000件の犯罪事件が発生
- 市中心部のうち、総領事館周辺地域(中央駅周辺)は、アルトシュタット周辺とともに警察の重点警戒地域。
- 近年は、路上犯罪、特に路上強盗と車上狙いが増加
- オーバーカッセル周辺(Oberkassel、Niederkassel、Loerick、Heerdt)では2012年、空き巣集団を一斉検挙した結果、同地域だけで前年比約3割空き巣の発生件数が減少。また、スリ集団の検挙により、スリの件数も減少した。
被害事例と防犯対策
スリ、置き引き、ひったくり、車上狙い:具体的な被害事例と防犯対策
- ホテルのロビーで打ち合わせ中、脇に置いたカバンを置き引きされた
- レストランで飲食中、椅子に掛けていたスーツの上衣から財布と旅券を盗まれた
「携行品は最小限にまとめて体から離さない」「貴重品は着衣内に収める」などを徹底しましょう!
- 引っ越し作業中、路上駐車した車両を離れた隙に、車内のバックを盗まれた
- 路上駐車中、運転席の窓越しに道を尋ねられた隙に助手席のバックを盗まれた
車両を離れる際や駐車中は窓を閉めて施錠を徹底。
貴重品は外から見えないように工夫
- 駅構内で外国人に「服にケチャップが付いている」と声を掛けられて衣服を確認している隙にリュックサックを盗まれた
NRW州内の鉄道駅、列車内での窃盗は約8100件。特に夏のバカンスシーズンは発生件数が増加。不審な外国人からは速やかに離れましょう
※特に旅券は自らの「分身」と心得て、肌身離さずに所持すること。紛失した旅券は、様々な犯罪に悪用される可能性があります
空き巣:具体的な被害事例と防犯対策
- 東欧諸国の窃盗団による犯行が増加→「Hit and Away」、「子連れ」
- 盗品は小型電化製品、現金、宝飾品等
- 夜間より昼(午後3時から午後6時)に多発
犯人は呼び鈴を鳴らして不在確認をすることが多い。居留守はせず、不用意にドアを開けないように相手を確認して訪問者に対応
長期不在時はテレビのタイマー機能や、
オートタイマー付きのライトを活用
- 侵入経路のほとんどが建物裏の窓かバルコニー。
2階以上の上層階では被害が少ないのが特徴
外出時は施錠を徹底する。
補助鍵や飛散防止フィルムを窓ガラスに貼るなど防犯設備を強化
- 多くがドライバー等の工具を用いて数分で侵入
ドイツの防犯アドバイザーによれば、5分で侵入できなければ犯行を諦めるため、防犯装備の強化が重要