Christa Müller 1956年ヘッセン州フランクフルト生まれ。左派党ザールラント州幹部。 写真 Quelle: SANKT ULRICH VERLAG |
昨年秋、左派党の家族問題担当員としてトークショーに出演し、連邦政府のフォン・デア・ライエン家庭相(キリスト教民主同盟=CDU)が進める託児所増設に「親と子の絆を断ち切る政策である」と大反対。先頃は「託児所に預けられた子どもが受けるトラウマは、女子割礼の肉体的暴力に匹敵する」 とまで述べ、政界全体を唖然とさせている。
ホテル経営の一家に生まれ、フランクフルト大学で国民経済学を学んだ。その間に社会民主党(SPD)に入党し、卒業後、まず欧州連合(EU)社会委員会に勤務。ヘッセン州でSPDが政権を樹立した1985年からは、州首相府で働き、転勤したボンで88年、当時のザールラント州首相オスカー・ラフォンテーヌと知り合った。
やがて同氏と結婚し、息子を産み、姑を介護する家庭人の役割をこなしながら、夫と共著で経済批判書を出版。注目の人になったが、シュレーダー政権に入閣した夫が、蔵相と党首のポスト、さらには党員バッチまで投げ出した99年、一緒に表舞台から身を引いた。
しかし05年、SPDの不満分子が新党、労働と社会正義の選択肢党(WASG)を設立すると、夫と共に入党し、07年6月には民主社会党(PDS)との合併で誕生した左派党で、夫は党首、自分はザールラント州幹部に就任。再び夫婦で脚光を浴びる存在になった。
現在、集中批判を浴びている問題では、割礼から少女を救う活動団体「Intact」の設立者として発言したと強調。夫の支持もある。あくまで夫婦和合に見える。
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