Prof.Dr. Gesine Schwan 1943年5月22日ベルリン生まれ。政治学者。SPD党員。フランクフルト・アン・デア・オーデルのヴィアドリーナ欧州大学学長。 写真 ©Markus Schreiber/AP/PA Photos |
来年5月の連邦大統領選挙に、先ごろ自ら立候補の名乗りを挙げ、躊躇する社会民主党(SPD)幹部を説得、党の独自候補として擁立されることになった。すでに再選出馬を表明したケーラー大統領に国民の85%が満足しているとの調査があっても、「見込みが全くなければ出ない」と笑顔で対応。左派党からの票を否定していないため、大連立を組むキリスト教民主・社会同盟(CDU/ CSU)からは警戒心、SPD党内からは戸惑いが起きている。
戦時下のベルリンに生まれ、西ベルリンで育ち、ナチス時代にユダヤ人少女を匿っていた父親から反独裁の意識を教えられた。ベルリン自由大学で政治学を学び、ワルシャワ大学に留学。以後、ポーランドの民主化闘争を支援し、現在もドイツと東欧・ロシアの青少年文化交流を推進している。
2004年に続く2度目の対立相手となる現職のケーラー大統領に対しては、尊大に構えない姿勢を高く評価しながらも、「大統領が具体的な国政に介入するのは間違いだし、危険ですらある」と批判。一方、自分に対する“饒舌家”の評には、短く話すこともできますよ、と高笑い。この笑顔と独特のヘアスタイルがトレードマークになった。
1989年に看取った夫アレクサンダー・シュヴァンは政治学教授、04年に再婚したペーター・アイゲンは汚職・腐敗防止のためのNGOトランスペアレンシー・インターナショナルの創始者、かつ法学教授。所詮象牙の塔の住人と言われても笑うだろうか。
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