Cem Özdemir 1965年12月21日シュトゥットガルト近郊バート・ウーラッハ生まれ。04年から緑の党の欧州議会議員。 ©YVES LOGGHE/AP/PA Photos |
自称アナトリア=シュヴァーベン人。アナトリア半島からドイツへ労働移民してきたトルコ人を両親に、シュヴァーベン地方で生まれた。シュヴァーベンとは、バーデン=ヴュルテンベルク州中部からバイエルン州西部一帯を指す古い名称。かの地に住むシュヴァーベン人は発明好きな倹約家で知られている。
そのためでもあるまいが、気鋭の政治家として順風満帆だった2002年、個人融資の受託と公用マイレージのプライベート使用が明るみに出て、連邦議会議員と党の役職を辞任するはめに。しかし他に名前が上がった関係者の中で唯一、責任を取った政治家でもあった。
緑の党に入党したのは16歳の時。党の政治をイロハから学び、ロイトリンゲン社会専門大学で教育社会学を履修する。連邦議会入りしたのは1994年。29歳のドイツ初・トルコ系連邦議員は、外交、移民融合問題、EUとイスラムをテーマにたちまち頭角を現した。と同時に、トルコの差別問題やアルメニア人虐殺をめぐる言論弾圧を激しく批判。ドイツのトルコ系新聞からは「売国奴」と罵られ、脅迫状を何度も受け取っている。
目下の関心事は今月14~16日にエアフルトで開催される党大会。双頭党首の1人ビュティコーファー氏が降板するため、レアロ(現実)派からの懇願を受けて同ポストに立候補する。「若い」「外国系」「スマート」と、宣伝効果が三拍子揃った彼。支持率低迷に悩む党にとって、再び有権者の注目を集める新しい顔になれるだろうか。
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