Dr. MED. Eckart von Hirschhausen 1967年8月25日フランクフルト生まれ、西ベルリン育ち。医師、コメディアン、ライター。 ©Frank Eidel |
コメディアンとして年に120回以上のショーをこなす。テーマは予防医療と幸福について。なにせ1995年までは小児神経科の医者だった。文才もあり、07年に出版した『医者用語辞典(Arzt-Deutsch/Deutsch-Arzt)』、08年の『肝臓肥大は任務次第(Die Leber wächst mit ihren Aufgaben)』は、ともにベストセラーのトップに長く君臨。そして今年3月、俗に言う“不幸は重なるもの”を逆手に取って出版した人生読本『幸福は重なるもの(Glück kommt selten allein…)』もいきなり売上1位に立つなど、現代の啓蒙家ぶりを発揮している。
白衣の時代から“笑わせる心理療法”で患者に接してきたが、それを本業にしたのは「舞台なら医療の説明を一晩で大勢に対してできる」から。もちろんユーモアの才能を生かす喜びもある。病院を辞職した後ジャーナリズムを学び、数々の活字メディアに医療コラムを発表。1998年からはテレビにも進出し、ヘッセン公共放送(hr)の健康番組、第1公共放送(ARD)の豆知識番組を司会した。現在は、お笑いタレントのハラルド・シュミットとオリバー・ポッヒャーが司会を務めるARDの木曜番組で、医療コメディを披露している。
活動プログラムを“Sprechstunde(診察時間)”と“Glücksbringer(幸福の使者)”の2種に大別し、台本をすべて自分で書く。幸福を「有意義な人生の脇役」と定義し、新作の著書では幸せを感じるための3つの方法をアドバイス。それは並んで歩ける人間関係を築き、甘い物を食べ、頑張ることとか。文句屋が多いドイツ国民にお薦めの1冊だろう。
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