Daniel Cohn-Bendit 1945年4月4日フランスのモントーバン生まれ。ドイツ国籍。緑の党の欧州議会議員。欧州緑の党=自由同盟会派の代表。 ©THIBAULT CAMUS/AP/Press Association Images |
先頃行われた比例代表制の欧州議会選挙にフランスから出馬。緑の党と左派2党が組んだ欧州エコロジー同盟に16.2%の得票をもたらし、「ダニーの再帰」と歓呼されている。
終戦直前にフランス南西部で出生。父はベルリンから1933年に亡命してきていたユダヤ系ドイツ人、母はユダヤ系フランス人である。戦後西ドイツへ戻って弁護士事務所を開いた父を追い、母とともにフランクフルトへ移民したのは13才。その3年後に西ドイツ国籍を取得した。ユダヤ人補償により兵役が免除されるためだった。
パリのナンテール大学社会学部に留学したのは66年。デモで逮捕された学友の釈放を求めて大学を占拠し、68年5月には労働組合と結んでゼネストを敢行。「赤い(赤毛の)ダニー」との異名をもらい、ついに国外追放かつ10年間の入国禁止処分を受けた。
そしてフランクフルトの実家に戻ってからも、通訳と雑誌編集をしながら「革命闘争」を続行。フランスの哲学者サルトルが、獄中にいるドイツ赤軍テロリストとのインタビューを試みた際に通訳をしたこともある。しかし70年代後半に現実の政治に目覚め、友人ヨシュカ・フッシャー(後のシュレーダー政権外務大臣)らと緑の党に合流。89年にはフランクフルトの副市長に就任している。
94年にドイツから欧州議会に転じてからは、99年フランス、2004年ドイツ、今回09年フランスと、いずれの国からのラブコールにも対応。「僕は独仏の落とし子だね」と笑う。白髪になっても赤いダニー伝説は健在である。
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