Martin Sonneborn 1965年5月15日ゲッティンゲン生まれ。風刺作家。政治家。 ©Markus Schreiber/AP/Press Association Images |
昨年5月にスタートした公共放送ZDFの風刺コメディ番組「heute-show」で、脚本を手掛ける。その5月14日付の放送で、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の製造17社を束ねる社団法人プロ・ジェネリカ(後発医薬品協会)に密着取材。同法人のシュミット総務が、「中国やインド産の医薬品は品質が劣り」と答えた直後に「いや、それを公言するのはまずい」と中断し、PR担当と相談して「ドイツにも同等の医薬品があります」と言い直すシーンをカットなしで流したため、本物のニュース報道番組「heute」だと思って取材を受けた同総務は「笑い者にされた」と怒り心頭。ZDFにとって製薬会社のコマーシャル収益は無視できないだけに、今後の成りゆきに注目が集まっている。
ミュンスター、ウィーン、ベルリンで新聞学と政治学を修めた後、強烈な風刺で10万部の発行を誇る月刊誌タイタニック(Titanic)の編集部に入社。2000年からは編集長として国のお偉方をギャフンと言わせてきた。例えばFIFAワールドカップ06年大会の開催国を選ぶ際、各国に「ドイツを選べば鳩時計とバイエルンのソーセージをプレゼント」とファックス。南アフリカに票を流すための遊びだったが、逆にドイツへ有利に働いてしまった。
現在はシュピーゲル・オンラインの風刺コラムを編集し、05年に結成したPartei(党)党の党首としても出没。昨年10月には地方局WDRのトーク番組「Zimmer frei!」にゲスト出演し、党の宣伝と受信料不払いを呼びかけて放送をボツにさせた。どこまでもお騒がせな人なのである。
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