Felix Baumgartner 1969年4月20日ザルツブルク生まれ。オーストリア人。ベースジャンパー。スタントマン。米国ロサンゼルス在住 ©Red Bull Stratos/AP/Press Association Images |
米空軍のキッティンガー大尉が気球から飛び降り、地上まで31㎞の自由落下実験を行ったのは1960年8月16日。この記録に挑戦するプロジェクト「Red Bull Stratos」を3年前から進めてきた。そして今年1月の記者会見で、2010年中に上空約36㎞からのジャンプを行うと発表。先頃スポンサーのレッドブルがHPで、同プロジェクトは秒読み段階に入ったと紹介したことから、世界の注目を集めている。
自動車整備工から、オーストリア国防軍落下傘部隊のスカイダイバー、さらにボクサーと職を変えた後、1996年にベースジャンプ(Base-Jump)にたどりついた。Building、Antenna、Span、Earthの頭文字から命名されたこのスポーツは、その名の通り、地上にある建造物や断崖などの高いところから飛び降り、パラシュートを開くまでの数秒間、自由落下する。
これまでにクアラルンプールと台北の超高層ビル、リオデジャネイロのキリスト像などからベースジャンプすること130回。スカイダイブを含むジャンプ経験は2600回に上る。2003年7月には飛行機で英ドーバーの上空9000メートルまで昇り、酸素マスクと背翼を付けてジャンプ。慣性の法則を利用して対岸の仏カレーへと約14分間の飛行と落下を続け、見事目的地に着地する大冒険を成し遂げた。
今回のプロジェクトでは前述のキッティンガー氏を含む科学チームが監視態勢で臨むが、危険と背中合わせ。上空1.5㎞でパラシュートを開くまでの約5.5分間、音速の壁を越える。
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