Harris (Oliver Harris) 1976年西ベルリン・クロイツベルク区生まれ。ラッパー。DJ。ドイツ・インテグレーション財団から選ばれた統合大使の1人。 |
外国人論争が再燃する中、「行き場のない人間は山のようにいる、ここに居られるお前は運がいいんだ、襟を正せ、仕事をしろ、成長するんだ、駄々をこねるな……」とラップする新曲『Nur ein Augenblick』をリリース。先頃、ドイツ・インテグレーション財団のドイツ語修得キャンペーンから、サッカー選手ジェローム・ボアテンク、体操選手マグダレーナ・ブルツェスカ、モデルのヤナ・イナらと共に新しい統合大使11人のうちの1人に選ばれた。
父は黒人米兵、母はドイツ人。歌詞にある「若くて黒髪、茶色い目、浅黒い肌」がたむろするクロイツベルクで育った。14歳のとき、同年のディーン・ドーソンとヒップホップのグループSpezializtzを結成。「音楽のおかげで犯罪に手を染めないで済んだ」。ラップ仲間のSidoとライブ・デュオを組んだのは2005年。DJ Binichnichという名のディスクジョッキーとしても活躍している。
「自分の怠惰を棚に上げてドイツを悪者にする移民の自己憐憫にうんざり」して、1年前にこの歌を書いた。しかしキワモノなので事前に友人に見せると、反応は「まさに!」今では移民系からも、「カミングアウトしたよう」に好意的なファンレターが来る。
「俺だって知ってる、“カナッケの糞野郎”の視線(Du scheiß Kanacke-Blick)、だけどそれはドイツじゃない、一部の眼差し(nur ein Augenblick)」と言葉で遊ぶ。連邦議会のプレス会場で鷲の紋章の前に立ったとき、最高に誇れる気分だった。
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