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ヴィンフリート・クレッチュマン

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ヴィンフリート・クレッチュマン Winfried Kretschmann
1948年5月17日バーデン=ヴュルテンベルク州シュパイヒンゲン生まれ。緑の党のバーデン=ヴュルテンベルク州首相候補。
©www.winfried-kretschmann.de

3月27日に行われたバーデン=ヴュルテンベルク(BW)州議会選挙で、緑の党の州首相候補として立ち、得票率24.2%で第2党へと躍進。一方、58年にわたり州政治を担ってきたCDU(キリスト教民主同盟)は39%へと後退したため、緑の党による初めての州政権樹立を目指し、得票率23.1%のSPD(社会民主党)と連立交渉を進めている。

シュトゥットガルトで大学生活を送り、時代の影響を受けて共産系グループに属したが、ラディカルな行動とは無縁だった。生物学と化学の教職課程を修了し、77年にギムナジウム教諭に就職。関心を自然保護へと移し、同州緑の党の結成に加わって80年に州議会入り。92年まで教職と議員の二足のわらじを履き続けた。

活動するカトリック保守を自認する。ゆえにCDUに近い現実派とも評され、2002年から緑の党が率いるフライブルク市政では、党派代表としてCDUと友好な関係を築いてきた。しかし今回の州選挙では、CDUとの亀裂が表面化。同党との連立は有りえないとし、今まで信頼関係のなかったSPDと組閣の可能性を探る羽目になった。

ダイムラー・ベンツ、ボッシュ、SAPが本社を置き、電力大手EnBWが原発を操業する同州で、「必要とあらば冷酷になれる権力者タイプではない」緑の首相候補が、今後の原発問題と、住民が反対するシュトゥットガルト21(州都中央駅の都市改造計画)にどう対応するのか。過剰な期待が失望に変わる“オバマ効果”だけは避けたい。

 
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高橋容子 ドイツニュースダイジェスト創刊時からの常連ライター。日本で文芸映像翻訳を手がけ、渡欧。英・独・豪と移り、現在はスペインのバスク州暮らし。 www.geocities.jp/takahashi_mormann
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