Dr. Dirk Schulze-Makuch 1964年1月29日ヘッセン州ギーセン生まれ。地質学者。米ワシントン州立大学の地球環境科学部教授。 |
NASA火星探検グループ編集による大衆向けの科学書『The Human Mission to Mars』(2010年)、『A One Way Mission to Mars: Colonizing the Red Planet』(11年)を、英国の物理学者ポール・デイヴィスや宇宙飛行士らと共同執筆。赤い惑星への入植計画を世界にアピールしている。
ギーセン大学で地質学の修士、米ウィスコンシン大学で博士課程を終え、テキサス大学エル・パソ校助教授、ワシントン州立大学準教授を経て、2010年に同大学の地球環境科 学部教授に就任。現在は母国ドイツの宇宙センター(DLR)に客員で来ている。
火星入植計画を本気にしないメディアには「自殺ミッションではない。6カ月も掛けて行ってすぐ帰るのは無意味だし、火星には人間が生きられるだけの資源が十分にある」とまず一言。酸素は地下数メートルに点在する氷から作り出せるという。
しかし、強い宇宙線から身体を守るには?「火星には、重力が小さいおかげで大型の溶岩洞窟が数多くあり、まずはその中で生活。ただし宇宙線は生殖能力を損なうので、最初にエンジニアと医者と農業専門家を含む60歳以上のシニアを送る。食料は温室で作る野菜しかないが、地球から後続部隊と共に冷凍のステーキを送ってやれる」とのこと。
それでも故郷に帰れないのは辛いだろう。「いや、新大陸発見直後に船に乗った開拓民たちは二度と帰れないことを分かった上で行きましたよ。人類には今もパイオニア精神があり、すでに応募者は4000人!」と胸を張った。
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