1949年6月22日ミュンヘン生まれ。CSU所属。弁護士。
連邦議会議員。
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連邦議会が承認したユーロ圏救済基金「欧州金融安定メカニズム(ESM)」への参加は違憲であるとして、6月に市民3万7000人がドイツ連邦憲法裁判所に起こした集団訴訟。その原告団に名を連ね、判決直前の9月10日には単独で、欧州中央銀行(ECB)が先頃決めたユーロ圏国債の限度なし購入も違憲であると提訴した。
この訴えは棄却されたが、前者について憲法裁が同月12日に下した判断には、合憲ながらもドイツの負担には上限と議会の承認が必要とする条件が付いたことで、「今後も闘える」と勝利宣言。さすが訴訟のベテラン石頭だと揶揄されている。
大学紛争期の1968年にキリスト教社会同盟(CSU)に入党し、弁護士業の傍らミュンヘン市議、バイエルン州議会議員、連邦議会議員へとキャリアを築いてきた。エイズ対策で「同性愛者や移民など、高リスクグループに定期検診の義務」を提案して集中批判を浴びたのは、州内務次官だった86年。そんなロー・アンド・オーダー・マンはやがて、スキャンダルで州開発環境相を辞任した90年代後半に党内抗争から離れ、連邦に転出してからは党の反逆児になった。
闘争テーマは反EU、反ユーロ。すでにリスボン条約と、7500億ユーロのギリシャ・ユーロ圏支援に対して違憲訴訟を起こしており、憲法裁に詰めてばかりで連邦議員の仕事をしていないとの評判が立っても意に介さない様子。今回の部分的勝利でさらに元気付いている。
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