1986年ヴィッテン生まれ、ボーフム育ちのドイツ人。ラトビア在住。フォーク歌手。
バンドAarzemnieki(=外国人)のリーダー。
©Linda Rutule/DPA/Press Association Images
先月コペンハーゲンで開催された第59回ユーロビジョン・ソング・コンテスト(以下ESC)に、ラトビア代表として出場。決勝進出には至らなかったが、国境を軽々と超えるフットワークと明るい歌声に注目が集まった。
ラトビアとの馴れ初めも実はESC。14年前の2000年5月、ESC初参加で3位に輝いたラトビア代表バンドBrainstormの『My Star』を聴いて大好きになり、バルト海に面する小国ラトビアの言語と文化に興味を持ったのだ。
そこで、ギムナジウム生だった05年に交換留学でラトビアへ、卒業後の非軍事役務でもラトビアへ。ブレーメン大学で欧州学を専攻してからも毎年のように同国を訪れ、08年にはEU危機を嘆く自作の曲でESCのラトビア国内予選に参加してしまう熱中ぶり。そして昨年末、ユーロ通貨導入によって14年1月1日に消えるラトビア通貨Latsへの惜別歌『Paldies Latinam(ありがとう、可愛いラッツ)』を作詞作曲。YouTubeにアップしたところ一夜にしてヒット曲となり、以降リガに定住する“ラトビア語ぺらぺらの外国人ストリートミュージシャン”になった。
今年度、ESCのラトビア代表曲に選ばれた『Cake To Bake』は、何でも自力でやりたがるがために失敗する、“アドバイスを求められない人”へのメッセージ。「質問することを恐れるな、力を合わせよう」と歌う単純なフォークソングには、牧師の息子たる善良なモラルも読み取れる。実のところ、「自分もこれからどうしていいか分からないんだ」そう。これが悩める外国人の本音だろうか。
< 前 | 次 > |
---|