1949年11月28日ミュンヘン生まれ。元外交官。
©German Embassy New Delhi
退任を控えた今年4月25日、在インド・ドイツ大使館に外交関係者や知人ら700人を招いて送別会を開き、『ボリウッドへ愛を込めて』と題する自演のミュージックビデオを披露。翌日のインド各紙に「心地良いショック」と報道されて大評判となり、歴代で最も有名な(前)ドイツ大使となった。
8分間のそのビデオは、2003年にインド人大スター、シャー・ルク・カーンが演じて大ヒットしたボリウッド映画『Kal Ho Naa Ho(たとえ明日が来なくても)』のリメーク。「心臓病のため恋人との結婚を諦め、親友に引き合わせて死ぬ」主人公を大使本人、恋人を妻エリーゼ、親友役を元インド外相サルマン・クルシードが演じ、パーティーゲストは言葉を失ったという。
しかしYouTubeにアップされると、多くのインド国民が「嬉しい」と拍手喝采。「現代の外交は国民同士の繋がりに意味があることを示し、ユーモアがないと思われているドイツ人のイメージを変えたい」と実行した最後の赴任地での仕事は、大きな成果を挙げたようだ。
1981年に外務省に入省し、パキスタンとアフガニスタンで参事官、暫定コソボ国連行政官、在チェコ大使、在イタリア大使を歴任。2001年に同行したシュレーダー首相のアジア訪問の帰路、政府専用機がモスクワ空港で足止めされ、怒りからロシア兵にキャビアを要求したことを帰国後にビルト紙から叩かれて、相談役を退いたことでも知られる。「キャビアは冗談だったが、まあ、これも自分史」。6月、インド駐在を最後に外交官の任務を終え、ミュンヘンに帰郷した。(Y.T.)
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