「欧州愛国主義者」による反イスラム・デモへ懸念高まる
ドレスデンで1万人が参加
「西欧のイスラム化に反対する欧州愛国主義者(=Pegida)」による反イスラム・デモの拡大に対し、懸念の声が高まっている。12日付のヴェルト紙が伝えた。
Pegidaによるデモは、ドレスデンで毎週月曜日夜に開催されていたが、8日には1万人規模のデモに発展。これを受けてザクセン州のティリッヒ首相(キリスト教民主同盟=CDU)は、「市民との対話を行い、不安要因を取り除く必要がある」と述べた。Pegidaのデモでは、参加者はシュプレヒコールを叫んだり破壊活動を行うことはなく、プラカードを掲げて黙々と行進する。発起人のルッツ・バッハマン氏は「我々の活動は基本法を基盤としており、それを逸脱することはしない」と述べている。反ユーロを掲げて保守派の支持を集めているドイツのための選択肢党(AfD)は、Pegidaデモ参加者への共感を表明。世論調査機関エムニトの意識調査では、ドイツ人の33%がPegidaのデモ参加者の大多数は極右であると認識している。一方、デメジエール内相(CDU)は、反イスラムを扇動する風潮に対して「ドイツ社会の空気が荒んできている」と懸念を表明している。