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NRW州でSPDが大敗 クラフト州首相が党役職退任

(5月17日)ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州で14日、州議会選挙の投票が実施され、州政権政党の社会民主党(SPD)が得票数を大きく減らし、キリスト教民主同盟(CDU)に第一党の座を奪われる結果となった。NRW州はこれまで「SPDの牙城」とも言われてきた州で、9月の連邦議会選挙を前に同党には大きな衝撃が広がっている。

国内最大人口を擁するNRW州での州議会選挙は、9月の連邦議会選挙を前にした最後の国内選挙で、連邦議会選挙の前哨戦と見られていた。今回、第一党の座を奪取したCDUは33%(前回2012年は26.3%)の得票率を獲得。一方SPDは31.2%(同39.1%)と大きく得票数を減らした。また、クリスティアン・リントナー党首率いる自由民主党(FDP)が12.6%(同8.6%)と躍進。右派ポピュリスト政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」は7.4%で議会入りを果たし、これにより国内16州中13州で議席を獲得した。一方、NRW州連立政権に参加していた緑の党は6.4%と前回の11.3%から大きく後退した。左派党は4.9%(同2.5%)と議席獲得に届かなかった。また、前回7.8%の得票率だった海賊党は今回1.0%で、これにより国内すべての議会から議席を失った。

今回の選挙結果を受けて、ハンネローレ・クラフトNRW州首相(SPD)は、「選挙結果に対し責任を取る」として党内のすべての役職から退任することを表明。次期首相候補に名乗りを上げているマルティン・シュルツSPD党首にとっては、ザールラント州、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州に続いて、党首就任以来実施されたすべての州議会選挙に敗北する結果となっており、連邦議会選に向けて厳しい状況となっている。シュルツ党首は4月の時点で、NRW州での選挙結果を楽観的に予想しており、同州での勝利が連邦議会選挙につながるとしていたが、今回の選挙結果を「壊滅的な敗北」と表現。「社会政策についてだけでなく、ドイツ政治の将来像を具体的に描き出すことを、国民から求められている」とコメントしている。一方、メルケル首相(CDU)にとっては、難民政策に対する支持と受け止められる選挙結果となった。
 
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