ジャパンダイジェスト

市内から車で15分 森の中でリフレッシュ

ドイツが誇るメルヘンの世界。その舞台の多くが森であるように、ドイツの人々にとって森は身近な存在です。私もドイツに来て以降、日曜日に天気が良いとふらっと散歩に出かけるようになりました。

デュッセルドルフ市内からアクセスが良いのは、グラーフェンベルク(Grafenberg)の森。中央駅からトラムと徒歩で30分、車だとわずか15分ほどで行ける距離ですが、緑の葉が生い茂り、小鳥のさえずりが聞こえる……というように、市中心部とは別世界が広がっています。今回はその森の中にある、わが家のお気に入りの場所、野生動物公園「Wildpark Grafenberg」についてご紹介したいと思います。

Wildparkの設立は1927年。当初はシカがいるだけの場所でしたが、戦後に拡張され、現在はデュッセルドルフで一番大きい公園の一つです。うれしいことに年中無休で開いており入園も無料。ベビーカーや車いす用のハイキングコースも整備されていて、週末には世代を問わず、多くの人でにぎわっています。

ベビーカーでもラクラクベビーカーでもラクラク

この公園の一番の特徴は、森の動物たちが野生に近い状態で暮らしていること。私たちが訪れた際には、野放しのシカたちが広い敷地内を悠々と歩き回っていて、日本の奈良公園のようだと思いました。ほかにもイノシシやアライグマなど、動物の種類はそれほど多くはないですが、動物に触ったりエサをやったりと、間近で動物たちと接することができます。一般的な動物園とは違った面白さが味わえるのがいいですね。また、自宅から持参したエサ(ニンジンとリンゴのみ)をあげることが許可されている動物もいるので、用意していくのがおすすめです。動物に関心を持ち始めたわが家の娘は、動物たちがエサを食べる様子を興味深そうに観察していました。

野生のシカたちがたくさん野生のシカたちがたくさん

40ヘクタールにおよぶ広大な敷地内には、ほかにも子どもたちが思いっきり走り回れる遊び場や屋内施設があります。地域の生態系を学ぶための森の学校、森で暮らす生物の標本や剥製などの常設展示、塗り絵や工作ができる体験コーナーなど、幼児~小学生くらいまで幅広く楽しめると思います。

森に住む生物たちについての展示コーナー森に住む生物たちについての展示コーナー

季節に合わせたイベントも開催されていて、私たちが秋に訪れた際は、公園の出入り口に、動物たちのエサになるドングリやクリなどの木の実を入れるコンテナが設置されていました。森で散歩しながら木の実を集めると、1キロ当たり20セントのおこづかいがもらえるそうで、盛り上がっていました。

公園内にレストランやカフェはありませんが、各所にベンチとテーブルが点在しています。おにぎりやサンドイッチを持っていけば、自然の中でピクニックができますよ。毎日少しずつ日が長くなり、春の気配が感じられるようになってきた今日この頃。天気が良い日には、森に出かけてリフレッシュしませんか?

Wildpark:www.wildpark-duesseldorf.de

石井 いしい めぐみ
出版社勤務ののち、夫の駐在に伴い2019年7月に渡独。現在は、デュッセルドルフ生まれの1歳の娘の子育てに奮闘中。趣味はライン川での散歩と、パンやお菓子を焼くこと。
 
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