ミュンヘン東駅のそばの、だれもが見過ごしてしまいそうなオテックハウスの中に、世界で一つしかない歴史的そして芸術的にじゃがいもを説明している「じゃがいも博物館(Das Kartoffelmuseum)」があります。じゃがいもだんごで有名なプファンニ(Pfanni)社の創設者の孫にあたるオットー・エッカート(Otto Eckart)氏が、1996年3月にオープンさせました。館内には、「じゃがいもの歴史」に始まり、「じゃがいもの骨董品陳列室」や「貴族料理と貧しい市民の食卓を飾るじゃがいも」に至る8つの多彩なコーナーがあります。また、プファンニ社の歴史や製品を説明している展示物も併設されています。
「じゃがいもくん」がお出迎え
じゃがいもはコロンブスが約500年前にインカ帝国からスペインに持ち込んだもので、フリードリッヒ大王が七年戦争の飢饉を防ぐために「じゃがいも畑を作れ」と命じたのは、18世紀のことでした。ミュンヘンではルムフォード公爵が初めてじゃがいもに目を付け、現在の英国庭園で栽培が始まりました。
いまではドイツ人に欠かせない食品の一つに挙げられるじゃがいもですが、初めて海を渡ってきたとき、貴族の飾り用植物として扱われていたり、その後も長い間、家畜用エサであったりと、想像しがたい事実もあります。いちばん興味深いのは「マルチタレントじゃがいも」コーナーで、ドイツで100種類以上あるじゃがいもが、医薬品や化粧品、紙製品、ビール、石鹸など、ありとあらゆるものに含まれているのには驚かされます。
じゃがいもの魅力にすっかり魅了され、気が付くと博物館のカタログ以外に、じゃがいもの料理本、じゃがいも姫の絵本、じゃがいもハンドクリームを購入していました。皆さんも、じゃがいも再発見の旅に行かれてみてはいかがでしょうか。
種類もたくさん
プファンニ社の歴史も
Das Kartoffelmuseum
住所:Grafinger Straße 2, 81671 München
TEL:089-404050
開館時間:金9:00~18:00、土11:00~17:00
(火~木は要予約)
入場料:無料
www.kartoffelmuseum.de
大阪出身。1993年からミュンヘン在住。癒し系ドイツ人夫と、おちゃめな4歳半の娘との3人暮らし。ドイツの携帯電話ゲーム開発会社のQAマネジャー。ブログ 「中途半端でも大丈夫」を公開中。http://miamama.exblog.jp/