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日経電子版 春割り
Mo. 22. Apr. 2019

パルムドール受賞作品「万引き家族」を日本語で鑑賞

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2018年カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の映画「万引き家族」がコンペティション部門の最高賞パルムドールを受賞したというニュースを聞き、いつドイツで公開になるのかと、ずっと待っていました。そして、ようやく昨年末にドイツ全土で上映が始まりました。

ドイツの一般的な映画館はほとんどの作品が吹き替え上映なのですが、せっかくなので探しに探して、Atelier am Bollwerkというコミュニティシネマで日本語のオリジナル音声のものを見つけました。ここでは1月の初めから「万引き家族」を毎日2回ずつ上映し、水曜と日曜の夜の回だけは日本語のオリジナル版を上映。ちょうどお正月の連休だったので、早速行ってきました。こじんまりとした映画館で、なかなかモダンでおしゃれです。ここは以前何回か別の映画を見に来たことがありますが、私の印象では観客は中年以上の方が多く、座席がふかふかでとても座り心地がよく、シネコンなどと違っていくらか静かで落ち着いた雰囲気です。

映画館Atelier am Bollwerkの外観
映画館Atelier am Bollwerkの外観

映画はともてよくできていました。近年、児童虐待や死体遺棄、年金の不正受給など実際に日本にあった事件をもとに考え作り上げられた「家族」の物語。軽犯罪を日々繰り返している社会の一番底で生きる人々が描かれながらも、でもどこかとても人間らしく、温かい関係を築いていました。そして、ストーリーが進むにつれて分かってきたのは、この家族にはあらゆる秘密があるということ。それぞれが悲しい過去を背負いながら懸命に生きていく6人の家族。「おばあさんと孫」、「夫婦」、「親子」、「兄弟」……そこにはとても生き生きとした人々の喜怒哀楽のドラマがありました。家族とは何を意味しているのかということについて考えさせられた作品です。

また実に緊張感のあふれる映画で、2時間という時間はあっという間に過ぎてしまいました。リリー・フランキーや樹木希林、安藤サクラなどの実力派俳優の演技もすばらしかったですが、城桧吏くん、佐々木みゆさんの2人の子役が実に優秀で、その演技が深く印象に残っています。

「万引き家族」のポスター
「万引き家族」のポスター

Atelier am Bollwerkはシュトゥットガルト周辺にいくつかあるミニシアターの一つで、ほかにミッテにDelphi、オーバーテュルクハイムにはkinothek、エスリンゲンにはKommunales kinoといった、いわゆる商業的ではないコミュニティシネマがあります。これらの映画館では世界のさまざまな国の映画がセレクトされていて、オリジナル版で見られる確率が高いです。

郭 映南(かく えいなん)
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com

 
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