ジャパンダイジェスト

快適ITライフのために知っておきたい
初めての情報セキュリティー

PCのウイルス感染による個人情報の漏えい、インターネットを利用した犯罪などが急増する昨今、ITの専門家だけでなく、使う側のITリテラシーが問われている。ITコンサルタントのドクター・グンプ氏に、人類総インターネット時代の新常識を学ぶ。

Dr. Hermann GumppDr. Hermann Gumpp ミュンヘン在住の IT コンサルタント、起業家。日独産業協会における IT ワーキンググループを率い、ミュンヘン大学(LMU)や日本企業での技術導入アドバイザーならびにGDPR Toolbox というデータ保護のプラットフォームをEnobyte GmbH (enobyte.com) で共同開発中。東京の国立情報学研究所(NII)での研究開発経験もある。専門家チームとの共同研究を進めながら、あらゆるコンピューティング・プラットフォームにプロトタイプを導入している。

第3回 バックアップの重要性 その1

パソコンの中に保存した重要なデータが、突然消えてしまって茫然自失……。このような経験は、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。

操作ミスで大事な書類を削除してしまったり、データを保存していたUSBスティックなどのメディアが故障してしまったり。もっと深刻なケースでは、ある日、パソコンが全く起動しなくなる、画面が真っ黒になるなどの故障や、ランサムウェアなどウイルスの攻撃を受けてパソコンのデータにアクセスできなくなる、という事態も起こり得ます。

日頃からデータのバックアップを取っておくことは、トラブルに遭遇した際の被害を最小限に抑え、大切なデータを守るため、非常に大切なこと。今回から2回に分けて、理想的なバックアップ方法について説明していきます。

バックアップデータの優先順位を考える

バックアップの取り方はいくつかあります。どのような方法が自分にとって必要かを考える前に、データの紛失によって起こり得る最悪の事態を、まずは考えてみてください。どのデータが紛失すると、あなたの業務や生活に支障を与えるかが想像できれば、バックアップすべきデータの優先順位や方法も、自然と見えてきます。

例えば、パソコン上で最も多くのデータを占有している、各種アプリや動画、音楽データなどは、万が一紛失したとしても、再度ダウンロードしたり購入したりできる可能性が高いです。

反対に、写真や仕事に必要な資料は、あなたにとってはお金で買うことのできない貴重なデータ。復旧することが難しいデータですので、少なくとも週に1回のバックアップをお勧めします。仕事に必要なデータなら、最低でも1日1回、場合によっては数時間おきのバックアップが必要となります。

1つではまだ心配! 異なるメディアにコピー

USBスティックや、外付けのハードディスクにデータをコピーするのが、最もよく知られているバックアップ方法です。しかし、ハードディスクの20%が3年後には破損してしまうという統計もあり、確実にバックアップを行うには、少なくとも常に3つ以上の異なったメディアにコピーを取る必要があります。これは洪水や火災などの自然災害からデータを守る上で有効です。

Mac OSをお使いの方は、付属の“Timemachine” というソフトを使うと、簡単に自動バックアップを取る設定ができます。

▶︎▶︎次回は、業務上のバックアップ、クラウドソリューションについてお話しします

ハードディスクデータのバックアップ用にハードディスクを増設

 
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