第3回 バックアップの重要性 その1
パソコンの中に保存した重要なデータが、突然消えてしまって茫然自失……。このような経験は、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。
操作ミスで大事な書類を削除してしまったり、データを保存していたUSBスティックなどのメディアが故障してしまったり。もっと深刻なケースでは、ある日、パソコンが全く起動しなくなる、画面が真っ黒になるなどの故障や、ランサムウェアなどウイルスの攻撃を受けてパソコンのデータにアクセスできなくなる、という事態も起こり得ます。
日頃からデータのバックアップを取っておくことは、トラブルに遭遇した際の被害を最小限に抑え、大切なデータを守るため、非常に大切なこと。今回から2回に分けて、理想的なバックアップ方法について説明していきます。
バックアップデータの優先順位を考える
バックアップの取り方はいくつかあります。どのような方法が自分にとって必要かを考える前に、データの紛失によって起こり得る最悪の事態を、まずは考えてみてください。どのデータが紛失すると、あなたの業務や生活に支障を与えるかが想像できれば、バックアップすべきデータの優先順位や方法も、自然と見えてきます。
例えば、パソコン上で最も多くのデータを占有している、各種アプリや動画、音楽データなどは、万が一紛失したとしても、再度ダウンロードしたり購入したりできる可能性が高いです。
反対に、写真や仕事に必要な資料は、あなたにとってはお金で買うことのできない貴重なデータ。復旧することが難しいデータですので、少なくとも週に1回のバックアップをお勧めします。仕事に必要なデータなら、最低でも1日1回、場合によっては数時間おきのバックアップが必要となります。
1つではまだ心配! 異なるメディアにコピー
USBスティックや、外付けのハードディスクにデータをコピーするのが、最もよく知られているバックアップ方法です。しかし、ハードディスクの20%が3年後には破損してしまうという統計もあり、確実にバックアップを行うには、少なくとも常に3つ以上の異なったメディアにコピーを取る必要があります。これは洪水や火災などの自然災害からデータを守る上で有効です。
Mac OSをお使いの方は、付属の“Timemachine” というソフトを使うと、簡単に自動バックアップを取る設定ができます。
▶︎▶︎次回は、業務上のバックアップ、クラウドソリューションについてお話しします
データのバックアップ用にハードディスクを増設