第4回 バックアップの重要性 その2
日頃からデータのバックアップを取っておくことは、トラブルに遭遇した際の被害を最小限に抑え、大切なデータを守るため、非常に大切なこと。正しいバックアップ方法に関して、データの優先順位や複数のメディアにバックアップする必要性についてお話した前回に続き、ご説明します。
業務上のバックアップ
会社でのバックアップに関しては、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)と呼ばれる、冗長なデータのコピーを保存しておくための、複数のハードドライブやSSDを兼ね備えたサーバを使用することをお勧めします。磁場やほこり、湿気や宇宙線さえもハードディスク内のデータに影響を与えることもあるのです。信じがたい話かもしれませんが、いわゆる「Bit Rot」問題(ハードディスク上に磁気記録されているビットが、記録磁気が弱まるなど経年劣化して、正しく読み取れなくなる障害)は、保存されるデータ量が蓄積されるに従って大きな問題となります。
多くの企業がこれまで採用してきたRAID システム(Redundant Array of Independent Disks)は、残念ながらBit Rotには対応できません。つまり、ハードディスクなど、バックアップファイルは手元にあるのに、いざファイルを開こうとしたら開けない、といった状況が発生するのです。「Zettabyte File System(ZFS)」のような次世代ファイルシステムであれば、上記のような小さな変化を察知し、自動的に修復してくれます。
サーバーデータをデータセンターでバックアップ
クラウドソリューション
上記の方法があまりにも分かりづらく、バックアップを取り続けることが大変な作業だと感じている方にも、まだ「クラウド」という選択肢があります。
「データ保護法」により厳しく管理されているドイツのクラウドサービスは、米国や英国のサービスよりも信頼できると言えます。クラウドサーバを利用したバックアップで気を付けるべきことは、いざバックアップデータが必要になった際にはデータをダウンロードしなければならない、ということです。大容量のデータを復旧する必要があるなら、ネット環境にもよりますが、数日から数週間かかることもあります。
ドイツのクラウドサービスの例
● ownCloud: https://owncloud.de
● Nextcloud: https://nextcloud.com
最後に最も大事なこととして、少なくとも1年に1 回は、あなたの大切なデータをバックアップデータから復旧し、全てのデータが問題なく保管されているかを確認しておきましょう。
上記のことを踏まえ、これからは急にパソコンやハードディスクが壊れてしまっても問題ないよう、万全のバックアップ体制を構築していきましょう!