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坂本龍一インタビュー:ドイツは、音楽的には「我が故郷」

坂本龍一インタビュー ドイツは、音楽的には「我が故郷」

「世界のサカモト」が、ひたむきに鍵盤を叩く姿、そこから奏でられる音色に、これまでどれほどの人が心揺り動かされてきただろう。卓越した音楽的才能と並々ならぬ量の知識に裏付けされた確かな音は、聴く者の感性を刺激して止まない。その音楽が、今年もまもなく欧州に響き渡る。ドイツ人ミュージシャン、アルヴァ・ノト氏とのデュオ・ツアー を目前に控えた坂本龍一氏に、自身とドイツとの音楽的関わり、今回のツアーに懸ける想い、そして積極的に展開している社会問題への取り組みについてうかがった。

坂本龍一インタビュー:ドイツは、音楽的には「我が故郷」
さかもと りゅういち
1952年1月17日東京都生まれ。東京藝術大学大学院音響研究科修士課程修了。1978年に「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」に参加し、一躍注目を集める。映画『ラストエンペラー』(1987年)で、日本人初の米アカデミー・オリジナル作曲賞を受賞。その他の代表曲に映画『戦場のメリークリスマス』(1983年)のテーマ曲「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」やテレビCMに起用された「エナジー・フロー」など。環境・平和問題に関する社会活動にも積極的に参加している。米ニューヨーク在住。

これまでに何度か欧州ツアーを実施されていますが、音楽の歴史という意味において懐が深く、聴衆の耳も肥えた当地で本場の音楽に触れ、自ら演奏することにより、何を得られたとお考えですか。

もう10年以上も前のことですが、ベルリンで公演中、私の好きなブラームスの間奏曲に影響されて作った曲を弾いている最中に、突然ある想いが脳に飛び込んできて、その場は最後まで弾ききりましたが、「ゲシュタルト崩壊」を経験したことがあります。  

なぜなら、極東に生まれた私が19世紀のドイツ音楽を真似したものを、当のドイツの聴衆の前で弾いていることで、自分のアイデンティティーとは何か、どこにあるのか、自分が作るべき音楽とは何かが、宙に放り出されたように分からなくなったからです。しかし、それは良い経験でした。それ以来、自分が作るべき音楽、自分にしかできない音楽を、それ以前より真剣に考えるようになったのです。

今回の欧州ツアーは、ケムニッツ出身のミュージシャン、アルヴァ・ノト(本名:カルステン・ニコライ)氏と共に行われますね。彼との出会いや、一緒にコンサートを開催するに至った経緯を教えてください。

坂本龍一&アルヴァ・ノト
右がアルヴァ・ノト

カルステン・ニコライとは1990年代の後半、彼が日本でコンサートをした時に友人の紹介で出会い、すぐに彼の音楽やアートに興味を持ちました。2001年にブラジル音楽の巨匠アントニオ・カルロス・ジョビンのカバーアルバムを作った際に、彼にリミックスを頼んだのが初めての仕事です。ドイツの音響派とブラジル音楽という組み合わせ!突拍子もないアイデアですが、私は彼ならきっといいものを作ってくれるに違いないと確信していました。そして予想通り、彼は素晴らしいリミックスを仕上げてくれました。

それ以来、ピアノの即興をしては彼に送り、自由に"料理"してもらうようになったのです。この10年で彼とは5枚のアルバムを作り、何度も欧州をツアーしました。今回の「S」ツアーは、これまでの10年にわたる彼と私とのコラボレーションの集大成となるツアーです。

近年はユーストリームでの生中継など、インターネットの動画技術を駆使したコンサートが話題を呼んでいますが、今回のツアーでも新たな試みを予定していますか。

今回のツアーでは特にネットの新しい使い方は試しませんが、音楽とビジュアルの新しい関係を見ることができると思います。これはやはりライブで経験していただくのが一番良いですね。ネット上でその臨場感を再現するのは、なかなか難しいと思います。

これまで足を踏み入れられた数多の国の中でも、特にドイツの国柄や人、音楽について、どのような印象をお持ちですか?また、今回のツアー開催地の1つとなるデュッセルドルフに対する特別な想いはありますか。

以前に数年間、ベルリンでアパートを借りていたことがあるくらい、私はドイツが好きです。幼少時からバッハやモーツァルト、ベートーベン、ブラームスなど、ゲルマン語圏の音楽に親しんで育ったので、音楽的には「我が故郷」という感じがしていますね。古く落ち着いた街並み、石畳、コンサートホール、あるいは美しい森や川、高原など、好きな所はたくさんあります。近年では、ドイツ国民のエコ意識の高さには、先進的なエネルギー政策にも大きなリスペクトを持っています。もちろん、ベルリンフィルをはじめ、たくさんの素晴らしいオーケストラ、そして映画祭や音楽祭のレベルの高さにも、いつも感心させられます。  

特にデュッセルドルフは、私がいわば兄貴分として、またテクノ音楽の文字通りの先駆者として敬愛するクラフトワークを輩出した都市です。彼らは今もこの地をベースに、世界中で活躍しています。今年7月に私たちが開催した「no nukes 2012」という音楽フェスティバルにも積極的に参加してくれました。彼らは福島の原発事故のことで大いに心を痛めており、日本の原子力政策に強い関心をもって見守ってくれています。

坂本さんは音楽活動の傍ら社会活動にも積極的に参加されていますが、その中でも現在、原発問題は特に主要な地位を占めていると思います。日本では、政府の原子力政策に反対する大規模デモが連日のように行われている一方で、東日本大震災から時は移り、ここドイツで日本の原発をめぐる状況に焦点が当てられる機会は、はるかに減りました。時間とともに社会の温度差が広がっていくような現状を前に、今すべきことは何だと思われますか。

情報や関心が時とともに薄れていくのは仕方がないと思いますが、私個人はずっと福島に寄り添っていきたいと思っています。福島からはいまだに16万人が避難していますし、その中には、おそらく今後何十年と故郷に帰ることができない方もいます。私たちの日本の国土に、人の住めない所ができてしまったのです。その責任を、政治家や官僚、当事者たちはどのくらい深刻に考えているのでしょうか。チェルノブイリの原発事故と並ぶ人類史上最悪の事故を起こしておきながら、誰も処罰されず、責任も取らないなどという理不尽があって良いのでしょうか。  

福島や関東には、子どもを抱え、いまだに避難したくてもできない家族がたくさんいます。避難しようにも雇用がないからです。かつての軍国主義政府でさえ、子どもたちを疎開させていました。今の政府は、コストが掛かり過ぎるという理由で多くの国民を被ばくさせ続けています。このことは、世界の多くの人々に伝える必要があると思います。

音楽の分野でも、社会活動においても、今後のさらなるご活躍がとても楽しみです。長期的な視野で見て、坂本さんが「こうありたい」と思う作曲家・音楽家像を教えてください。

やりたいプロジェクトなどは、いくつか頭の中にありますが、一番大事なことは自分に嘘をつかず、自分の心の声を真摯に聴くことだと思っています。世の中は喧噪にまみれていますので、ノイズが多く、自分の心の声を聴くには、まず心を鎮めて静かに保つことが必要です。とはいえ、それがなかなか難しいのですが。

コンサート情報

坂本龍一&アルヴァ・ノト 「S」ツアー 
デュッセルドルフ公演

alva noto + ryuichi sakamoto "s" tour 2012 @New Fall Festival
10月4日(木)20:00
31.90ユーロ
New Fall FestivalTonhalle
Ehrenhof 1, 40479 Düsseldorf
Tel: 01805-669029
http://new-fall-festival.de

*イタリア、ドイツ、スウェーデンを巡るツアーの日程は、
www.sitesakamoto.com/tour 参照。

最終更新 Montag, 15 Juli 2019 14:48
 

ドイツの秋の夜にお勧めの本

ドイツ関連お勧めの本

最近、本を読んでいますか?日に日に夜が長くなるこの季節、じっくりとページをめくる喜びを思い出してみましょう。1冊の本との出会いから、ドイツ生活が楽しく、そしてこの国がもっと好きになるきっかけを得られるかも。ドイツで読むとさらに味わい深い本を、厳選してご紹介します。(編集部:高橋 萌)

日本人にお勧めの本は?

対談:Mayersche × ドイツニュースダイジェスト

読書の秋を迎えるにあたり、まずは本のスペシャリストである書店員さんに、お勧めの本について聞いてきました。

こんにちは!デュッセルドルフのショッピングエリアの中心地、ケーニヒスアーレーのすぐ側にある書店Mayerscheにやって来ました。この立地、そして品揃えの多さから日本人客も多いようですね。
当店ではドイツ語の書籍のほか、英語、仏語、伊語などの書籍も充実していますし、客層は国際色豊か。日本人のお客様も大勢いらっしゃいますよ。
早速ですが、日本人にお勧めしたいドイツの本をいくつか挙げていただけますか?
まずは、A.シュロプスドルフの「Du bist nicht so wie andre Mütter(あなたはほかのママとは違う)」。これは、ユダヤ人であるシュロプスドルフの母親の伝記を娘の視点から書いたフィクション。ナチス政権誕生の前後で大きく揺れ動いた母親との日々が綴られていて、私たちドイツ人に大きな驚きと共感を与えた1冊です。

H.J.オルタイルの小説「Die große Liebe(大きな愛)」では、美しいドイツ語表現を堪能できます。

現代ドイツ社会の闇に迫るなら、新進気鋭の女流作家A.ペーントの作品が読みやすいでしょう。老人ホームの閉塞感を描く「Haus der Schildkröten(亀の家)」や「Mobbing(いじめ)」など、小説という形で社会問題を鮮明に浮き彫りにします。

ドイツを深く知る手助けとなる本をご紹介いただき、ありがとうございます。御店で日本人に人気のある本はありますか?
分野としては、ユーモアエッセイが人気です。例えば、「Darum nerven Japaner(日本では「イケてない日本―日本人のホントのところ」として出版)」。日本人に対する皮肉満載なのに、なぜか日本人のお客さんが買っていきます。ドイツ人より、日本人の購入者の方が断然多いくらい。不思議だわ。

日本のマンガで、ドイツ語に訳されたものも人気です。あとは、贈り物用の本「365 tage(365日)」シリーズやポストカードも。
イラストや写真が多くて、テキストが少ない、見ているだけで楽しくなるような本が人気なのですね。言葉の壁は越えがたいという人にお勧めの本はありますか?
子ども向けの本はどうでしょう? 日本でもきっと知られている「Pipi Langschtrumpf(長靴下のピッピ)」、M.エンデの「Jim Knopf(ジム・ボタン)」、大人になっても心に響く児童文学として、O.プロイスラーの「Die Kleine Hexe(小さい魔女)」や、「Der kleine Wassermann(小さい水の精)」E.ケストナーの「Emil und die Detektive(エーミールと探偵たち」」もお勧めです。
最後に、ドイツ人に人気の日本の作家を上げるとしたら?
村上春樹ですね。彼の人気の高さは圧倒的で、25~50歳という幅広い年齢層のファンを獲得しています。私も「Gefährliche Geliebte(国境の南、太陽の西)」を読んで感動しました。
Mayersche Droste今回、ご協力いただいたのは
Mayersche DrosteのRegine Danscherさん


Königsallee 18, 40212 Düsseldorf
TEL: 0211-542 56 900
www.mayersche.de

ドイツ関連お勧めの本

ドイツニュースダイジェストの 
 ライター&編集者が本気で選んだお勧めの本

「ベルリン発掘の散歩術」中村真人さん

Saitensprünge: Erinnerungen eines leidenschaftlichen Kosmopoliten:
Erinnerungen eines Kosmopoliten wider Willen
Hellmut Stern(著)
出版社:Aufbau Taschenbuch(2000)

日独の音楽家による自伝から選んでみた。1冊目は、かつてベルリン・フィルの第1ヴァイオリン奏者として活躍したヘルムート・シュテルン氏による作品。ベルリンのユダヤ人家庭に生まれ、1938年の「水晶の夜」事件を機に、一家で亡命を決意。上海、果ては満州にまで至る。次々と押し寄せる苦難にもかかわらず、ある種の楽天性を失わずに生き抜いた彼らのエネルギーに圧倒される。『ベルリンへの長い旅』(朝日新聞社、1999)というタイトルで邦訳も出ているが、平易なドイツ語で書かれた原書もお勧めだ。

私のオペラ人生―ドイツオペラ界のまんなかで
柏木博子(著) 出版社:朝日出版社(2010)

筆者は福岡県出身で、東京藝大大学院を卒業後、渡独。1970年にラインオペラでドイツ初舞台を踏んだ後、20年以上にわたって数多くの歌劇場で活躍したソプラノ歌手である。東洋からやって来た女性歌手が、ドイツのオペラ界の中心で仕事を続けることがどれだけ大変であるかは想像に難くない。だが、そんな苦労も喜びも、率直かつ瑞々しい言葉で綴られており、読後は爽やかな気持ちが残った。特にドイツで日々奮闘している人にとっては、何かしらの勇気が得られる本ではないだろうか。
私のオペラ人生―ドイツオペラ界のまんなかで

Masato Nakamura
神奈川県横須賀市出身。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。現在はフリーのライター。著書に『素顔のベルリン』(ダイヤモンド社)、『街歩きのドイツ語』(三修社)がある。

「ドレスデンの地域レポーター」福田陽子さん

ドイツ人の家屋 坂井洲二(著)
出版社:法制大学出版局(1998)

どうしてドイツの木造家屋は5、6階の高層なのか? なぜ日本の住宅の壁はドイツのそれと比較して薄いのか? ドイツを旅行した人ならば、ふと疑問に思うドイツと日本の家屋の違いを、ドイツ民俗学を専門とする著者が、政策や社会的背景や人々の暮らしや建設技術といった視点から、豊富な事例を用いて解き明かします。おとぎ話に出てきそうな木組みの家や豊かな森林など、ドイツならではの風景の裏と内側を深く知ることができます。

Yoko Fukuda
横浜出身。2005年よりドレスデン在住。専門はヨーロッパの住居史、現在は建築ジャーナリスト。著書に『20世紀建築研究』(INAX出版、1998、共著)、建築雑誌『A+U』2011年11月号「パッラーディオ特集(ゲストエディター)」などがある。

「ベルリンの特集やニュースの翻訳」見市知さん

わたしが子どもだったころ (ケストナー少年文学全集(7))
エーリッヒ・ケストナー(著), 高橋健二(翻訳)
出版社:岩波書店(改版、1962)

戦前のドレスデンに生まれ育った児童文学者のエーリッヒ・ケストナーが、自分の子ども時代の思い出を綴った作品です。その思い出を彩る美しかったドレスデンの街並み、おやつに食べた、レバーソーセージとブタのあぶらをぬったパン……。子どもの視点から見た、20世紀初頭の庶民の慎ましい暮らしぶりを覗き見ることができます。

ブッデンブローク家の人びと (上・中・下)
トーマス・マン(著), 望月市恵(翻訳)
出版社:岩波書店(1969)

ノーベル文学賞作家のトーマス・マンが自分の出自をモデルにした年代記小説。19~20世紀初頭にかけての富裕な市民階級の暮らしぶりが描かれています。歴史的背景や当時の社会の仕組みなども織り交ぜながら、市民生活を通してドイツとドイツ人気質が垣間見られる1冊。日本語の翻訳版とドイツ語のオリジナルを並行して読むと、ドイツ語学習にもなるので二重におすすめです!

Tomo Miichi
ライター。ベルリン在住。著書に『ベルリン 東ドイツをたどる旅』(産業編集センター)がある。2012年9月28日には、『ドイツ クリスマスマーケットめぐり』(同社)が刊行予定!

「ドイツ子育て&教育相談(イラスト)」 清水麻紀さん

Wir können ja Freunde bleiben Mawil(著)
出版社:Reprodukt(第3刷、2005)

ドイツ・コミック界のプリンスを自称するマービルのデビュー作。下火なドイツのコミック・シーンを熱くした、その火付け役である彼の作品は、ベルリンっ子の日常の笑いと涙を描き出し、一度読むとファンにならずにはいられない。現在、5カ国語以上に翻訳されているベストセラー。

Dieses Buch sollte mir gestatten den Konflikt in Nah-Ost zu lösen, mein Diplom zu kriegen und eine Frau zu finden: Teil 1
Sylvain Masas(著)
出版社:Förderverein Jugendkunst(2007)

なんとも長くてインパクトのあるタイトルと、手書きのテキストにイラスト図解入りというこの本は、ベルリン中の書店で入荷後すぐに完売してしまうほどの人気。バルト海沿岸のシュトラールズンドという小さな港町の工房で、1冊1冊すべて手作業で製本が行われていることでも話題をさらっている。フランス人作家ならではのユーモアと哲学で綴られた幸福論。本当にお勧めの1冊!

Maki Shimizu
ベルリン在住の芸術家・イラストレーター。ドイツでは作品集「Makis Haustierbuch」(Peperoni Book, 2006)などを出版。ドローイングを主体とした制作を展開し、イラストレーション、コミック、版画など様々な分野で活動中。http://makishimizu.de

「独断時評」 熊谷徹さん

Europa braucht den Euro nicht
Thilo Sarrazin(著)
出版社:Deutsche Verlags-Anstalt(2012)

ティロ・ザラツィンは、ドイツ連邦銀行の理事やベルリンの財政を担当した元財務官僚。トルコ人などの外国人を批判したベストセラー「Deutschland schafft sich ab」で、一躍有名になった。今度は、メルケル首相をはじめとするEU諸国のユーロ救済策を、ばっさり斬り捨てる。ザラツィンによると、政治同盟なしに誕生したユーロは、初めから構造的な欠陥を抱えていた。南欧諸国が要求するユーロ共同債などの対策は、ユーロ圏加盟国の債務を他国が肩代わりしてはならないという、リスボン条約の「救済禁止条項」に違反し、通貨同盟を「債務同盟」に変質させると主張。「ユーロが崩壊したら欧州が崩壊する」というメルケル首相のテーゼに真っ向から反対し、「ユーロ圏の規則を守ることができない国は、脱退するべきだ」と突き放している。なぜドイツの経済学者や財界が、ギリシャへの追加支援や、欧州中央銀行によるスペイン、イタリアの国債の買い取りについて否定的なのかを理解するには、絶好の書である。

Toru Kumagai
1959年東京生まれ、早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。神戸放送局、報道局国際部、ワシントン特派員を経て、1990年からフリージャーナリストとしてドイツ在住。主な著書に『ドイツ病に学べ』『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』『観光コースでないベルリン―ヨーロッパ現代史の十字路』『あっぱれ技術大国ドイツ』『なぜメルケルは「転向」したのか―ドイツ原子力四〇年戦争』ほか多数。

「ドイツ子育て&教育相談所」 内田博美さん

Happy Aua. Ein Bilderbuch aus dem Irrgarten der deutschen Sprache
Bastian Sick(著)
出版社:Kiepenheuer & Witsch Verlag(第13刷、2007)

ドイツの街中をよ~く見ながら歩いてみると、実は間違えだらけのドイツ語表記に気付くはず!? これは“本”というより写真集に近い。スーパーの値札や店の看板などの写真は見慣れた日常的な光景。しかしよく読むとドイツ語が正しくない。単純な印刷ミスや誤字だろうが、そうやって起こる文字の乱れがときどきドイツ語表現の豊かさともなる。筆者のジョークを込めたコメントがさらに笑いを誘う。大爆笑しながらもしっかりとドイツ語が学べる優れモノです。

Oups vom Planet des Herzen
Kurt Hörtenhuber(著), Conny Wolf(著)
出版社:Oups(2002)

どこかでOupsが「サン=テグジュペリの続編のようだ」と書いてあるのを読みましたが、まさにドイツ版『星の王子さま』。遠い星に住んでいる主人公Oupsが宇宙から地球を見ると、そこで人間たちが不幸な顔をして生きているのを見て心を痛める。そこでOupsは、はるばる地球にやって来て、本当の幸せ、愛、友情の大切さを語る。このOupsシリーズはすでに10冊以上も刊行中。愛らしいイラストで宝物になるような絵本です。

Glücksregeln für die Liebe
Pierre Franckh(著)
出版社:Koha Verlag(第5刷、2004)

両親の離婚、ワンナイトラブ……満たされない筆者が“本物”のパートナーと出会い、充実した愛の生活を持続させる秘訣を綴る自叙伝。自分の過去と向き合うこと、自分を信じること、愛は自己成長と共にあるという筆者の語りは、なぜか心にやさしく響いてきます。本来、恋愛は若い人たちだけのものではない。ドイツではシニアだって堂々と恋愛をするお国柄。恋愛こそが究極の健康法かも! 魂が求め合う相手を見付けたいあなたにお勧めです。

Hiromi Uchida
東京都出身。国立音楽大学卒業後、横浜国立大学大学院で教育学を学ぶ。2000年に渡独。ミュンスター大学で音楽療法士の資格取得。現在、教育関連の仕事と思春期の子育てに奮闘中。

「ビール小話」 コウゴアヤコさん

Biere der Welt
Michael Jackson(著)
出版社:Dorling Kindersley(2008)

世界中のビールと醸造所、ビール文化を紹介したビールのガイドブック。もちろんドイツには多くのページが使われています。写真が多いので、眺めているだけでも「ビアライゼ(ビールの旅)」をしているような幸せ気分に。著者はビール評論界の第一人者マイケル・ジャクソン氏。ミュージシャンのマイケルが「King of Pop」(ポップの王様)と呼ばれるのに対し、こちらは「King of Hop」(ホップの王様)と呼ばれています。

ach so - Gebrauchsanweisung für Deutschland
邦題:「あっ、そう」ドイツ・暮らしの説明書
Mieko Fisch(著)
出版社:ach so Verlag(2004)

どんなにしっかりと事前準備をしていても、実際に海外で生活するとわからないことが多く、ストレスがかかるもの。ドイツの生活習慣、法律、書類の書き方、医学用語、住居の探し方、友達を作るためのアドバイスなど、膨大な情報が詰まっています。頭を抱えるしかなかった「ワカラナイ」を「あっ、そう」と合点させてくれることでしょう。ドイツ生活者、必携!
フィッシュ三枝子著:「あっ、そう」ドイツ・暮らしの説明書

モモ
―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
ミヒャエル・エンデ(著 イラスト)
大島 かおり(翻訳)
出版社:岩波書店(1976)

灰色の男たちに時間を盗まれ、せっかちに働く人々。時間に追われて、大切な家族や友だち、1つひとつの出来事に心を寄せられなくなった街の人たちの姿は、まるで自分を見ているようで背筋がぞっとします。「人の話を黙って聞く」ことに優れた少女モモは、灰色の男たちから友だちを取り戻すとこができるのでしょうか? 時間に支配されないマイペースなドイツ人の根底にあるものを発見できます。

ドイツビール おいしさの原点
木村麻紀(著)
出版社:学芸出版社(2006)

ドイツでは街ごとに特徴のある地ビールが造られています。添加物を許さず、伝統の味を守るビール純粋令、水や原料の品質を守る有機農法、リサイクルよりもリユースを基本とした容器、そして輸送による環境への負担を軽くする地産地消、地域循環のハーモニーが、美味しいドイツビールを生み出しています。ビール造りの現場からドイツの環境保全について学び、これからの日本のコミュニティー・ビジネスについてのヒントを探ります。
ドイツビール おいしさの原点

シッダールタ
ヘルマン・ヘッセ(著), 高橋 健二(翻訳)
出版社:新潮社(改版、1971)

釈迦の伝記ではなく、古代インドのバラモン階級に生まれたシッダールタの物語です。シッダールタは家を捨てて苦行を積むが、対極の俗世で成功し、執着に囚われる。やがてそれをも捨て、物事をありのままに観て受け入れること、つまり愛することによって、心の平安を得るに至る。悟りに至るまでの心の道のりが、ヘッセならではの、詩のように美しい文章で描かれています。西洋の賢人から見た東洋思想の再構築。心が疲れたときにどうぞ。
シッダールタ (新潮文庫)

Ayako Kogo
日本地ビール協会ビアテイスター。看護師の傍ら世界中を飛び回り、ビールを通して町の歴史や風習を観察している。ブログでおいしい情報を発信中。
『ビアテイスターの世界ぐるっとビール旅』: http://gogorinreise.blog34.fc2.com

「あき子さんのうまうまRezepte」 舞楽あき子さん

ドイツ婦人の家庭学
八木あき子(著)
出版社:新潮社(2001)

「虫刺されには玉ねぎ」「銀器の手入れにはアルミ箔」など、長年ドイツに暮した筆者が、生活の中で、あるいは老人ホームでの取材を通して会得した生活の知恵456編が収められている。初版は30年前なので、埋もれてしまった内容もあるが、それでも古ぼけないのは、合理性に裏打ちされた「Gemütlichkeit(居心地の良さ)」というドイツ女性の哲学をきっちり押さえているからであろう。掃除、節約、接客、美容など多岐に渡り、日々の暮らしに役立つだけでなく、ドイツ的な考え方を知るのにも良い。

Akiko Buraku
中学時代をドイツで過ごし、結婚後、2000年より再びドイツ生活。補習校講師等をする傍ら「食」に関する寄稿を行っている。

編集部(Y)

Fettnäpchenführer Japan: Die Axt im Chrysanthemenwald
Kerstin Fels, Andreas Fels(著)
出版社:Conbook Verlag(第6刷、2010)

シュニッツェルとポメスが大好き、マヨルカ島とスイス、ロンドン、ニューヨークに行ったことがあるだけで「世界を見た」と豪語している北ドイツ人のホフマンさん(48)。その彼が突然、日本出張を命じられ……。ご飯に箸を立てるわ、人前で大きな音を立てて鼻をかむわ、これでもかと言うほどの赤っ恥をかきながら、ドイツ人が日本の文化・慣習を学んでいくシチュコメタッチの旅行ガイドブック。何がマナー違反なのか、どこがどう恥ずかしいのかを徹底的に掘り下げる解説を読んでいると、思わず「日本人って変なのかも!」と苦笑いしてしまうのだ。

編集部(高)

夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル(著), 池田香代子(翻訳)
出版社:みすず書房(2002)

8月に突然、新書でもないのにアマゾンランキングの1位に鎮座。いったいどういうことかと思えば、NHKの「100分de名著」という番組で取り上げられたことが理由らしい。アウシュヴィッツをはじめとした強制収容所での体験を経て、著者であるオーストリア人精神科医が見た人間の本質とは……。「… trotzdem Ja zum Leben sagen(それでも人生にイエスと言う)」というドイツ版のタイトルの意味が重く、そして温かく心に沁み入る本書。悲惨な体験の中から希望を見出したこの1冊が、現代を生きる日本人にも活力を与える。

「ニュースを追跡」藤田さおりさん

住まなきゃわからないドイツ
熊谷徹(著)
出版社:新潮社(1997)

ドイツの日常で起きる事柄が、数ページごとにイラスト付きでまとめられていて、エッセイ感覚で読めて非常に面白い。初めて読んだのは日本に居た時で「ドイツってこんな国なんだ」というぐらいの実感しかなかったが、ドイツに住み始めてから改めて読み直してみると、ドイツという国とドイツ人の特徴がよくまとめられていて、熊谷先生の観察眼の鋭さに驚かされる。楽しく読めて、ドイツのことがよくわかる、お勧めの1冊!

ドイツ人のこころ
高橋義人(著)
出版社:岩波書店(1993)

ドイツ人に顕著に見られる心性としてのメランコリーから、ゲーテのような「良きドイツ人」、ヒトラーのような「悪しきドイツ人」が生まれると著者は考える。日本人の心を表す「富士山、桜、中国文化、正月、海」と対比し、ドイツ人の「ライン川・ローレライ、菩提樹、南国イタリア、クリスマス、森」を通して、「ドイツ的なものとは何か」について考察する。日本人とドイツ人の心性の比較が分かりやすく、読みやすい。
ドイツ人のこころ (岩波新書)

Saori Fujita
法政大学経営学部経営学科卒業。ニュルンベルク在住。スイスの日本人向け会報誌にて、PCコラムを執筆中。日本とドイツの文化の橋渡し役を夢見て邁進中。

「シュトゥットガルトの地域レポーター」 郭映南さん

超訳 ニーチェの言葉
白取春彦(編訳)
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン(2010)

「己、喜、生、心、友、世、人、愛、知、美」の十章をかけて、短い詩的な言葉で人生のエッセンスが綴られています。難しい学術書ではなく、誰でも経験する当たり前の事柄に潜む哲学。今までのニーチェの著書の中からテーマに沿って抜粋された文章を原作の意を汲んだ鋭い翻訳で、繊細な美しい言葉で彼の哲学を紹介していきます。1ページ1つのストーリーで、ランダムに開いてみても、そこから学べる何かに出会うことができます。

Einan Kaku
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。写真ブログ「その時ひとコマ」http://wasistlos.exblog.jp

最終更新 Sonntag, 16 September 2012 17:01
 

オクトーバーフェスト2012

世界最大のビール祭り オクトーバーフェスト

オクトーバーフェストバイエルン州の州都ミュンヘンで9月22日、毎年恒例のオクトーバーフェストがいよいよ開幕する。東京ドーム約9個分に相当する広大な会場、テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)に世界中から600万人以上のビールファンがこぞって集まり、ジョッキを片手にあちらこちらで飲めや歌えの大騒ぎ。今回は、ドイツが誇るこの一大イベントを満喫するために抑えておくべきポイントをランキング形式でご紹介しよう。これを読めば、あなたもオクトーバーフェスト通になれるはず!(編集部:浅井 久美子)

見どころ&楽しみどころランキング!

1ミュンヘンの地ビール

地ビール会場内にある14カ所の大テントでは、ミュンヘン市内の6つの醸造所でこのビール祭りのためだけに造られたビールを堪能できる。中でも特にお勧めなのが、高い人気を誇るアウグスティーナー(Augustiner)や、「バイエルン国王のためのビール」として醸造されたという由来を持つホーフブロイ(Hofbräu)、毎年オクトーバーフェストの開会宣言が行われるテント、ショッテンハーメル(Schottenhamel)で飲めるシュパーテン・フランチスカーナー(Spaten-Franziskaner)。その他のビールも、ぜひ試してみて!

2祭りを華やかに彩るパレード

ビール樽を積んだ地元の醸造所の馬車初日を飾るのは、ゾンネン通り(Sonnenstraße)を出発点にビール樽を積んだ地元の醸造所の馬車や鼓笛隊などが連なる約1時間のパレード(9月22日11:00頃)。そしてハイライトは、1835年に開かれたバイエルン王ルートヴィヒ1世と妻テレーゼの銀婚式の祝いを起源とする2日目のパレード(9月23日10:00頃)。マキシミリアン通り(Maximillianstraße)からオクトーバーフェスト会場までを、華麗な民族衣装に身を包んだ大勢の人々と40以上の豪勢な山車、鼓笛隊が、約2時間掛けて練り歩く。

3場を盛り上げるライブ音楽

ミュンヒナー・ツヴィートラハト大テントの1つ、ブロイローズル(Bräurosl)のテントには、民族音楽を代表する5人組のバンド、ズードティロラー・シュピッツブアム(Südtiroler Spitzbuam)が登場。ユニークなデザインのテントが目を引くヒッポドローム(Hippodrom)では、オクトーバーフェストでお馴染みのバンド、ミュンヒナー・ツヴィートラハト(Münchner Zwietracht、右写真)らが伝統的な音楽でテント内を賑やかに演出する。9月30日11:00頃からは、女神バヴァリア像の下で複数のバンドによる盛大な民族音楽のコンサートが開かれる。

4ビールと共にいただく伝統料理

ヴァイスヴルストオクトーバーフェストを訪れる最大の目的は、もちろんビールを飲むこと。しかし、飲んでいるだけではお腹が空くし、せっかくミュンヘンに来たのなら、バイエルンならではの料理もビールと共に味わいたい。各テントは、当地特産の白ソーセージ(ヴァイスヴルスト、Weißwurst)や、ボリューム満点の豚のすね肉(シュヴァインスハクセ、Schweinshaxe)、そしてオクトーバーフェストには欠かせない名物料理である鶏の丸焼き(ヘンドル、Hendl)など、こてこてのバイエルン料理をたっぷり堪能できる食の宝庫だ。

5大はしゃぎできる乗り物・アトラクション

アトラクション老若男女がとことん楽しめるプログラムとして、オクトーバーフェストには遊園地の乗り物・アトラクションも欠かせない。祭り会場を一望できる大観覧車(Riesenrad)や、50年以上オクトーバーフェストで愛され続けているミュンヘン・ツークシュピッツ鉄道(Münchner Zugspitzbahn)のほか、8月に開催されたロンドン五輪の余韻に浸れそうなジェットコースター、その名も「オリンピア・ルーピング(Olympia Looping)」などの絶叫マシーンも充実。ただし、ビールで酔った勢いで乗り物に向かうことは避けて!

ミュンヘンっ子に混じって楽しもう!

オクトーバーフェストの真髄を味わいたいなら、 「通」になりきってみるのが一番。
そのために、何をすれば良いかと言うと……?

民族衣装民族衣装を着てみる

バイエルン州に古くから伝わる民族衣装が、お祭り気分をぐっと盛り上げてくれる。女性は、ドイツ南部の方言で“お嬢さん”を意味する、エプロンが印象的な衣装ディアンドル(Dirndl)、男性は伝統的な革製半ズボンのレーダーホーゼン(Lederhosen)や帽子を着用して!

公式ショップ
http://shop.oktoberfest.de
ミュンヘン市内の民族衣装取扱店
www.muenchen.de/shopping/trachten/muenchen.html

皆と一緒に乾杯の歌を歌ってみる

テント内の雰囲気を盛り上げるバンドたちが、日に何度も演奏するのが乾杯の歌「アイン プロージット(Ein Prosit)」。見知らぬ人同士でも、ジョッキ片手に肩を抱き合い、思わず陽気に大声で歌ってしまう。とても簡単な歌なので、これを覚えて会場の皆と一緒に弾けよう!

「乾杯の歌」歌詞

Ein Prosit, ein Prosit,
der Gemütlichkeit
Ein Prosit, ein Prosit,
der Gemütlichkeit
Eins zwei drei g‘suffa!
Prost!

(和訳)

さあ乾杯だ さあ乾杯だ
この心地良いひと時に
さあ乾杯だ さあ乾杯だ
この心地良いひと時に
1、2、3 それ、飲み干せ!
乾杯!

会期 2012年9月22日(土)~10月7日(日)
入場料 無料
テントの
営業時間
平日10:00~23:30 土日祝9:00~23:30
※Käfer's Wies'n-Schänkeと Weinzeltは深夜1:00まで営業
会場 Theresienwiese, 80336 München
テントの
予約
オクトーバーフェストのホームページ www.oktoberfest.de の“Zelte”から、希望のテントを探して問い合わせを。
公共交通
機関での
アクセス
● S-Bahn: S1/S8でHackerbrücke下車。
S7/S20/S27でHeimeranplatzまで行き、U4/U5に乗り換えてTheresienwiese
● またはSchwanthalerhöheで下車。U-Bahn: U3/U6でGoetheplatz
● またはPoccistraße下車。U4/U5でTheresienwiese
● またはSchwanthalerhöheで下車。


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最終更新 Dienstag, 16 Juli 2019 16:09
 

英国王室御用達の味が買えるお店

英国王室御用達の味が買えるお店 女王と同じ食卓を我が家でも再現

英国最大の資産を蓄え、恐らく誰よりも自国の歴史や文化に深く精通しているであろう英王室メンバーたち。彼らは望めば大概のものは手に入る立場にあると思われるが、そのお眼鏡にかなう品質を維持する商品は 実際のところ、それほど多くは存在しないだろう。逆に言えば、王室メンバーがお墨付きを与えた商品なら、最上級の品質保証が付けられたことを意味する。王室御用達の食品を購入すれば、英王室の食卓を再現することも可能。ロンドン五輪で改めて脚光を浴びた英国を訪れる際は、その滞在記念に、日本へのお土産に、王室御用達を意味する「ロイヤル・ウォラント」が授けられた食品はいかが?(写真: 小原 祐一)

エリザベス女王お墨付き有閑マダムたちが好む家庭料理
Partridges

Partridgesウィリアム王子と結婚する前のキャサリン妃が頻繁に出没したと言われる、高級ショッピング街のスローン・スクエアに位置する高級食材店。近隣地区には無償で配達を行っているので、界隈のマダムたちの台所として大活躍している。店内に併設されたデリでは、ステーキ & キドニー・パイやシェパーズ・パイといった英国の代表的な惣菜を用意。「英国の料理はまずい」との固定観念に縛られた日本人観光客に紹介するには、打ってつけの場所かも。さらに毎週土曜日には、同店前でフード・マーケットが開かれる。グロスター・ロード地区にも支店あり。

Partridges2-5 Duke of York Square, Sloane Square,
London SW3 4LY
Tel: +44 (0)20 7730 0651
最寄駅: Sloane Square
営業時間: 8:00-22:00
www.partridges.co.uk

チャールズ皇太子お墨付き食の国イタリアから運ばれてきた健康的な食材
Carluccio’s

Carluccio’s青い看板と清潔感溢れる内装が特徴的なイタリア食材チェーン店。店名は、シェフのアントニオ・カルッチオ氏の名前から取られたもの。自然食品ブランドの運営を自ら手掛けるなど、食材に対しては強いこだわりを持つことで知られるチャールズ皇太子のお墨付きだけあって、オリーブ・オイル、パスタ、ハーブ、そしてパンなど、イタリア本場から運ばれてきた健康的な食材がたくさん。併設されたレストランで食事することもできる。上記のコベント・ガーデン店のほかに、高級店が集うボンド・ストリート駅近くなど英国各地に支店あり。

Carluccio’sGarrick Street, Covent Garden, London WC2E 9BH
Tel: +44 (0)20 7836 0990
最寄駅: Covent Garden
営業時間: 月〜金 8:00-23:30 土 9:00- 23:30 日 9:00-22:30
www.carluccios.com

エリザベス女王お墨付きチョコレート職人が仕込んだ手作りの味
Prestat

Prestat英国に帰化したフランス人チョコレート職人の息子が開業した、100年以上の歴史を持つ高級チョコレート店。最高級のカカオを使用した商品は今でもすべて手作りで、その完璧主義を貫き通すために、チョコレート販売に関わる全作業を同店スタッフが手掛ける。顧客リストには、お墨付きを与えたエリザベス女王だけではなく、彼女の母である故クイーン・マザーや、故ダイアナ元妃も名を連ねていたとか。上記の店舗に加えて、ハロッズやロンドン三越などのデパート、またはウェイトローズなどのスーパーでも同社商品を販売している。

Prestat14 Princes Arcade, Piccadilly, London SW1 6DS
Tel: +44 (0)20 8896 8699
最寄駅: Piccadilly Circus / Green Park
営業時間: 月〜金 9:30-18:00 土 10:00-17:00 日 11:00-16:30
www.prestat.co.uk

エリザベス女王と チャールズ皇太子のお墨付き英国紳士はこの店でチーズを買う
Paxton & Whitfield

Paxton & Whitfieldロンドン市内でチーズ販売の屋台を構えていた商人が、店名となったハリー・パクストン氏とチャールズ・ホイットフィールド氏の2人と共同で1797年に創業。1850年にヴィクトリア女王よりロイヤル・ウォラントを授かって以来、エドワード7世、ジョージ5世からエリザベス女王、チャールズ皇太子などに至るまで、歴代の王家メンバーに愛されている。ウィンストン・チャーチル元首相は、「紳士たる者は同店でチーズを買う」という言葉を残したとの逸話も。イングランド中部ストラトフォード・アポン・エイボンや同西部バースにも支店あり。

Paxton & Whitfield93 Jermyn Street, London SW1Y 6JE
Tel: +44 (0)20 7930 0259
最寄駅: Piccadilly Circus / Green Park
営業時間: 月〜土 9:30-18:00 日 11:00-17:00
www.paxtonandwhitfield.co.uk

エリザベス女王と チャールズ皇太子のお墨付き英国産のシーフードを堪能するなら
James Knight of Mayfair

James Knight of Mayfair魚屋としては唯一、2個以上のロイヤル・ウォラントを保持するジェームズ・ナイト・オブ・メイフェア。店名となったジェームズ・アーサー・ナイト氏が100年以上前にこの魚屋を創業し、その後、ホテルへの卸売り業者として事業を著しく成長させたという。店内に並べられた商品の8割は、英国内またはアイルランドから取り寄せたもの。どの魚も新鮮なので、刺身にするのに適しているという点も日本人には大変うれしい。ロンドン中心部ノッティング・ヒルのお店は今年1月末に惜しまれつつ閉店したが、百貨店セルフリッジ内の店舗で営業を続けている。

James Knight of MayfairSelfridges Food Hall, 400 Oxford Street, London W1A 1AB
Tel: +44 (0)20 7318 3725
最寄駅: Bond Street
月~土 9:30-21:30 / 日 12:00-18:00
www.james-knight.com

エリザベス女王と チャールズ皇太子のお墨付きクリミア戦争時から国民的人気を誇る食材店
Fortnum and Mason

Fortnum and Masonロウソクの販売店として始まり、今や良質の紅茶を販売するデパートの老舗として広く知られるフォートナム & メイソン。18世紀前半を生きたアン女王の宮殿でロウソクの取り換えを行っていたウィリアム・フォートナム氏と、彼が住んでいた家の家主のヒュー・メイソン氏が1707年に創業した。クリミア戦争時には、ヴィクトリア女王が野戦病院へ同社の食料品を送らせたとの逸話まで残っている。日本人観光客のお土産として人気の紅茶に加えて、英国人が夏の晴れた日に持参するハンパー(ピクニック・セット)の販売店として愛されている。

Fortnum and Mason181 Piccadilly, London W1A 1ER
Tel: +44 (2)07 734 8040
最寄駅: Piccadilly Circus / Green Park
営業時間: 月〜土 10:00-20:00 日 12:00-18:00
www.fortnumandmason.co.uk

エリザベス女王お墨付き300年以上にわたり同じ敷地で営まれるワイン商の最古参
Berry Bros & Rudd Ltd

Berry Bros & Rudd Ltd300年以上にわたり、同じ敷地内にずっと同じ店舗を構えているという、まさに英国人好みの最古参のワインとスピリッツ商。食料雑貨店として始まった1698年の創業当時は、商品の計量のために店内に設置されていた大型の量りで、顧客の体重測定を行うなどのサービスを提供し、話題を集めていたという。19世紀前半から20世紀前半に英国を統治したエドワード7世の時代に王室御用達に指定された。加えて、ナポレオン3世や名優ローレンス・オリヴィエなどそうそうたる面々が同店を贔 ひ いき 屓にしたと伝えられている。日本にも支店あり。

Berry Bros & Rudd Ltd3 St. James’s Street, London SW1 1EG
Tel: +44 (0)800 280 2440
最寄駅: Green Park
営業時間: 月〜金 9:00-18:00 土 10:00-16:00
www.bbr.com

チャールズ皇太子お墨付き日本食ブランドも手掛ける健康食品販売店
Community Foods Ltd

Community Foods Ltd自然派食品販売の草分けとして知られるオーガニック食品販売店。英国で少しずつ自然派食品に対する意識が芽生え出した1970年代に、トルコやインド、中国といった国々から食品を買い付け、英国に輸入するというビジネス・モデルを築き上げたという。ドライ・フルーツやナッツ、豆類などの種類が豊富。また昨今、英国を含む欧州各地で健康食として広く認知されている日本食の普及にも取り組んでおり、「Sanchi」というブランドの名の下でインスタント味噌汁、ラーメン、醤油などを販売。注文はオンラインで受け付けている。

Micross, Brent Terrace, London NW2 1LT
(*同オフィスでは商品の販売は行っていない)
Tel: +44 (0)20 8208 2966
www.communityfoods.co.uk


意外な王室御用達品たち

「王室御用達」と聞くと高級品ばかりを思い浮かべてしまうが、意外にも、その中には私たちのような庶民が日常生活で知らず知らずのうちに購入している食品も数多くある。ここで紹介する王室御用達商品のいくつかは、皆様の冷蔵庫にもきっと紛れているはず。

コカコーラ

Coca-Cola
意外にも米国の現代文化を象徴するコカコーラ社の商品も英王室御用達。

Carr'sCarr's
チーズとの相性が抜群のクラッカー。

Silver Spoon

Silver Spoon
どこの英国人家庭でも見かける砂糖。

Strongbow

Strongbow
国民的な人気を集める
サイダー。

StrongbowMcVitie’s
英国のオフィスでのおやつ休憩でこのクッキーを食したことのある人も多いのでは?

コカコーラ

Kelloggs
王家も忙しい朝はケロッグのコーンフレークで朝食を済ますのか?

コカコーラCadbury
イングランド中部バーミンガムが誇りとするチョコレート会社の商品。

コカコーラ

Pedigree
ドッグフード。犬好きで知られる女王が愛用していると想像される。

コカコーラ

Heinz
ケチャップの人気ブランド「ハインツ」。ビーンズの販売元としても知られる。

Strongbow

Robinsons
ロンドン西部ウィンブルドン生まれの濃縮ジュース。


英王室がお墨付きを与える認定書

ヘンリー2世
12世紀のイングランド王、ヘンリー2世

過去7年間のうちに少なくとも5年以上にわたって英王室メンバーに商品を提供し続け、その品質を認められた企業や店舗の経営者に対して与えられる認定書のこと。最古のものは1155年にヘンリー2世により発せられたというから、850年以上の歴史を有する制度だ。

ロイヤル・ウォラントを下賜できるのは3人のみ

エリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子
写真左から、エリザベス女王、
フィリップ殿下、チャールズ皇太子

現在のところ、エリザベス女王とその夫のフィリップ殿下、さらに彼ら夫婦の息子であるチャールズ皇太子の3人のみがロイヤル・ウォラントを与える権利を持っている。この3名すべてからロイヤル・ウォラントを授かるという、王室に愛し尽くされている店も存在する。

英王室御用達店には 「ロイヤル・アーム」が!

ロイヤル・ウォラントを授かった店は、店前などに、提供者の名前が記された「ロイヤル・アーム」と呼ばれる紋章を掲げることができる。提供者はそれぞれ異なる紋章を持っているので、どの王室メンバーによって贔 ひ いき 屓 にされているのか一目瞭然。


エリザベス女王(写真左)、フィリップ殿下(同中央)、チャールズ皇太子(同右)のロイヤル・アーム

具体的に何の商品が御用達なのかは秘密

ジョン・ルイス
エリザベス女王が家具デパートのジョン
・ルイスで購入しているものとは?

ロイヤル・ウォラントは、王室が頻繁に購入する商品の提供者に与えられるものであることから、私たちは王室メンバーが具体的にどの商品を愛用しているかまでを知ることはできない。例えばエリザベス女王によりロイヤル・ウォラントを授かっている家具デパート「ジョン・ルイス」から女王が購入している商品は果たしてヤカンなのかベッドなのか、明らかにされることはない。そうした情報を公表した店舗は、ロイヤル・ウォラントを剥奪されてしまう決まりになっているのだ。

ロイヤル・ウォラントの有効期限は5年間

ジョン・ルイス
2000年にロイヤル・ウォラントを失った
高級デパートのハロッズ

ロイヤル・ウォラントの認定店は、通常5年ごとに英王室内の長官によって審査される。また認定を受けた事業主が死亡したり、他の業者によって買収されたりした場合も再審査の対象となる。王室御用達のデパートとして長く知られてきた高級デパート「ハロッズ」は、62年間保持していたロイヤル・ウォラントを2000年に失った。1997年にダイアナ元妃とともに事故死した同妃の恋人が、ハロッズの所有者モハメド・アルファイド氏の息子であったことなどが関係していると、当時は取りざたされた。

ロイヤル・ウォラントの保持者は約850の商人

ロイヤル・ウォラントが与えられる対象となるのは、いわゆる商人のみ。弁護士や医者などは該当しない。現在、保持者は約850人。そのほとんどが、「ザ・ロイヤル・ウォラント・ホルダーズ・アソシエーション」と呼ばれる団体に所属している。
The Royal Warrant Holders Association www.royalwarrant.org

こんなところにも「ロイヤル・ウォラント」が!

ウェイトローズとスマイソンの買い物袋

左)高級スーパー・マーケット、ウェイトローズの買い物袋に
右)高級文具店、スマイソンの買い物袋にも


意外な「ロイヤル・ウォラント」保持者たち

BootsとBT

左)英国各地で見られる薬局ブーツも王室御用達
右)在英邦人の間ではあまり評判の宜しくない電気通信事業者BTも実はウォラント保持者


最終更新 Dienstag, 16 Juli 2019 15:54
 

ドクメンタ13・イン・カッセル

dOCUMENTA(13) in Kassel 5年に1度の現代美術の祭典

メルヘン街道の起点として知られるカッセルはこの夏、第13回目を迎えた「ドクメンタ」に沸いている。約190組のアーティストが参加する今年のテーマは、「崩壊と再建」。第2次世界大戦で破壊されたカッセルの街並みや虐げられた表現の自由、その復興のために立ち上がった市民のエネルギー。この街を舞台にした一連の歴史的事実にインスピレーションを受けたアーティストの作品から発せられる息遣いを、直に感じに行こう。街全体が展覧会場となったドクメンタは、心を揺さぶる作品との出会いの宝庫だ。(編集部:高橋 萌)

期間 100日間 ― 2012年6月9日(土)~9月16日(日)
時間 10:00~20:00
料金 1日入場券 20ユーロ(割引14ユーロ)
2日入場券 35ユーロ(割引25ユーロ)
夜間入場券 ※17時以降 10ユーロ(割引7ユーロ)
全期間入場券 100ユーロ (割引70ユーロ)
ファミリー用入場券 50ユーロ
子ども用入場券 10歳以下は無料
チケット購入は、会場付近の売り場、またはウェブサイト
http://d13.documenta.de/kaufen
ウェブサイト http://d13.documenta.de

1カッセル中央駅 Kassel Hbf

カッセル中央駅は、「中央駅」にあらず。長距離列車でカッセルに来る場合、玄関口はヴィルヘルムスヘーエ(Wilhelmshöhe)駅になる。そこから構内の目印を追ってSバーンなどに乗り換え、カッセル中央駅を目指そう。駅に到着したら、まずはホームのすぐ側にあるチケット売り場へ。見どころいっぱいの構内で、すべての展示品を観賞しようと思ったら、数時間は駅から一歩も外に出られないことを覚悟しなければならない。

Janet Cardiff &  George Bures Miller "Alter Bahnhof Video Walk"Janet Cardiff &
George Bures Miller
"Alter Bahnhof Video Walk"

iPhone片手に、現実と非現実とが入り混じる不思議な旅へ。iPhoneの貸し出しは中央駅入り口付近の「Offener Kanal」にて。チケットのほか、パスポートなどの身分証明書の提出が求められる。


István Csákány "Ghost Keeping"István Csákány
"Ghost Keeping"

精巧に作られた木製のミシンが並ぶ。この奥に進んでいくと、Haegue Yangのブラインドを使った作品 "Approaching: Choreography Engineered in Never-Past Tense" にたどり着く。Susan Philipszによる音のインスタレーション "Klangtest" は、10:00~19:30の間、30分おきに駅のホームに鳴り響く。

11フリードリヒス広場 Friedrichsplatz

オキュパイ運動のテント
広場を占拠するオキュパイ運動のテント。

階段通りを下りきると、眼前に広がる野外展示。まずは、メイン会場「フリデリチアヌム」の正面に立つ2本の木にご注目あれ。これはヨーゼフ・ボイスが1982年、ドクメンタ7~8の5年間を掛けて進めた"7000 Eichen"という作品の一部。また、格差社会に抗議するオキュパイ運動の参加者がこの広場の一部を占拠しているが、これについて今回キュレーターを務めるキャロライン・クリストフ・バカルギエフは「ボイスの精神が引き継がれている」と歓迎。この広場では、「社会彫刻」というボイスが提唱した概念に想いを馳せてみよう。

Joseph Beuys "7000 Eichen"Joseph Beuys
"7000 Eichen"

「7000本の樫の木」は、最初の1本が植えられてから今年で30周年。1986年にこの世を去ったヨーゼフ・ボイスに代わって、息子のヴェンツェルが1987年に7000本目を、1本目のすぐ隣に植えた。


階段通り17階段通り Treppenstraße

中央駅からフリードリヒス広場に向かう途中で通る「階段通り」は、ドイツ初の歩行者専用道として1950年代に建設されたもの。当時の雰囲気を今に残し、バウハウス建築が立ち並ぶ。戦争により壊滅的な状態となった旧市街を復興することに意義を見出した他都市と違い、新たな都市計画を作成し、歴史的景観と決別する道を選んだカッセル。まさに、「崩壊と再建」を象徴するこの通りを抜けると、ドクメンタのメイン会場にたどり着く。


16カールスアウエ公園 Karlsaue

カールスアウエ公園の広大な敷地内には、50組以上のアーティストの作品が点在する。バロック様式の美しいオランジェリー宮殿から伸びる緑と水の庭園の散歩を楽しみながら、そこかしこに現れる野外展示品を堪能しよう。観るだけでなく、触れたり、聞いたり、体を動かしたり。室内に展示されている作品とは一味違った魅力とダイナミックな存在感を感じさせる作品ばかり。日本人アーティスト、大竹伸朗の作品もこの公園内にある。

Giuseppe Penone  "Ideas of Stone"Giuseppe Penone
"Ideas of Stone"

第13回ドクメンタの作品の中で一番最初に会場に設置されたのが、ジュゼッペ・ペノーネの木と巨大な石の作品。2010年からずっとこの場所に立っている。


大竹伸朗「モンシェリー」大竹伸朗
「モンシェリー」

アジア風の音楽(ときに日本の歌)が聞こえてきたら、大竹氏の作品はすぐそこ。混沌とした展示品の周囲で不思議な安らぎを感じ、くつろぐ訪問者たち。


12フリデリチアヌム Fridericianum

待望のメイン会場を前に期待が高まるが、ここでまずチケットに記名しているかを確認。まだなら入り口前に待機する係員にペンを借りよう。大きめのカバンを持っている場合は、特設の手荷物一時預かり所(Garderobe、無料)へ。広大な展示会場に足を踏み入れ、最初に出会うライアン・ガンダーの作品は、一見からっぽの空間。さて、どんな作品かというと、これは実際に体感してもらいたい。モランディの絵画など、今回のドクメンタの鍵を握る作品が詰まった展示室ほか、入場制限が掛かけられている部屋もいくつかある。すべてを観て回るには、ここだけでもあっという間に1日が過ぎてしまうほどの規模。

Ryan GanderRyan Gander
"I Need Some Meaning I Can Memorise
(The Invisible Pull) "


フリデリチアヌム 上写真)入場制限のある展示室で、モランディの絵画などを見る訪問者。

右写真)一見、無造作に置かれたドキュメントの山。無料配布されているものもあり、訪問者は気に入ったデザインを見付けてはお土産に持ち帰る。
フリデリチアヌム

 

最終更新 Montag, 15 Juli 2019 12:07
 

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