ジャパンダイジェスト

人気メーカーから高級老舗までドイツのチョコレート&プラリネ食べ比べ調査報告書

1月某日、本誌と姉妹誌JAPANDIGESTの編集部スタッフ4名が、オンライン会議にてドイツ各地の9社のメーカーから取り寄せたチョコレート&プラリネ(一口サイズのチョコ)の食べ比べ調査を実施した。今回は、1 売上トップ3の定番&新作チョコ、2 フェアトレード&ビオチョコレート、3 老舗チョコレート店のプラリネの三つのカテゴリに分けて試食。それぞれのブランドヒストリーとともに、各調査員のコメントもご参考にそれぞれの味を想像してみて! (Text:編集部)

調査員

編集部D:板チョコが朝ごはん代わりのチョコマニア 編集部O:チョコは全部同じだと思っているチョコビギナー 編集部C:とにかくナッツ入りチョコに目がない 編集部T:1番好きなチョコはリッターのアルペンミルク

ドイツで絶大な人気を誇るチョコレートブランド TOP3

1位Milka ミルカ

milka バレンタイン向けパッケージのハート型チョコ「I love Milka Haselnusscrème」

ウシのイラストと紫色の包み紙に入ったミルカは、ドイツで人気ナンバーワンの座を誇るチョコレート。1826年にスイスでフィリップ・スシャールがココアの生産を始めたのがその起源で、1901年にミルクチョコレートが「ミルカ」として商品登録された。発売当初から、お馴染みの紫色の包み紙が使われていたそう。100% アルペンミルクを使用し、代々受け継がれるオリジナルレシピで作られたチョコレートは、舌触りの良い繊細な味わいが特徴だ。

I love Milka Haselnusscrème
2.69€ / 110g
www.milka.de

コメント

  • リッタースポーツやキンダーと比べて、甘みがまろやかで食べる手が止まらない(D)
  • ミルカのミルクチョコは食べたら絶対にミルカだとわかる味!(C)
  • 「板チョコ以上高級プラリネ未満」な感じで、気軽に人にプレゼントできそう(O)

2位Ritter Sport リッタースポーツ

milka 直近の新フレーバーから「Cranberry Nuss」と「Die Starke 81%」

正方形のフォーマットがトレードマークのリッタースポーツ。1912年にシュトゥットガルトでリッター夫妻がチョコレートの生産を始め、戦前の1932年にこの珍しいフォーマットの板チョコが誕生した。常時20種類以上の味が販売されているが、消費者のアイデアも取り入れながら毎年新しいフレーバーが開発され、世に送り出される。また2018年以降は、100%持続可能な方法で生産されたカカオを使用していることを公表している。

Cranberry Nuss 100g
Die Starke 81% 100g
www.ritter-sport.de

コメント

  • クランベリーやナッツよりもチョコレートが強いけど、食べる場所によって印象が違いそう(C)
  • クランベリーがジューシーでアクセントになっておいしい。ヘーゼルナッツの歯ごたえも良し◎(D)
  • 81%のビターチョコはハードでドライ。これまでのビターチョコとそこまで変わらないかも?(T)

3位Kinder キンダー

milka キンダーの人気チョコを詰め合わせた「Kinder Happy Moments」

キンダーの故郷はなんとイタリア。数々のヒット商品を生み出してきたフェレロ社のブランドとして1968年に誕生し、初の海外進出先としてドイツで成功を収めた。日本では、卵型のチョコレートの中からおもちゃが出てくる「キンダーサプライズ」(KinderÜberraschung)が知られているが、イースターの卵から着想を得たのだとか。チョコレートからアイスクリームまで、さまざまな商品ですっかりドイツの味として親しまれている。

Kinder Happy Moments
162g
www.kinder.com

コメント

  • 子どもが大好きな典型的なチョコバー! 全体的に甘めだが、ミルクチョコは特においしい(T)
  • ポン菓子入りのキンダーカントリーは初めて食べたけど、病みつきになりそう(D)
  • ずっと同じ味なので、子どもの頃に見ていたCMを思い出してすごく懐かしくなる!(C)

人にも環境にも優しいドイツ発のビオチョコレート

GEPA ゲパ

GEPA ゲパ ビオのアールグレイと抹茶が香る「Earl Grey Blanc」と「Matcha Blanc」

1975年に設立されたゲパは、フェアトレードのパイオニアとして発展途上国の食品や工芸品などを扱ってきた。南米と西アフリカの小規模農家組合から直接カカオ豆とカカオバターを購入しており、2000年にビオチョコレートの生産へ移行。独自認証の「GEPA fair+(フェアプラス)」は取得条件が厳しく、より公正な取引きをしていることを示す。100%ビオとは思えないさまざまフレーバーのほか、乳製品を使わないヴィーガンチョコも展開する。

Bio Schokolade Earl Grey Blanc 2.49€ / 80g
Bio Schokolade Matcha Blanc 2.49€ / 80g
www.gepa.de

コメント

  • 袋を開けた時に強いアールグレイの香りが! 味は濃いめで茶葉のカリカリ感がある(O)
  • 日本の抹茶チョコレートよりも少し薄めの味だけど、抹茶ファンにはぜひおすすめしたい!(C)
  • 抹茶よりもホワイトチョコの味がメインという印象だけど、雑味がなく上品な味わい(D)

Vivani ヴィヴァーニ

Vivani ヴィヴァーニ チョコファンもきっと未体験の味「Weiße Hanf Caramel」と「Bitter 100+Cacao Nibs」

2000年に小さなビオチョコレートブランドとしてスタートしたヴィヴァーニ。設立者はもともとビオおよびフェアトレードの企業に勤務していた経験を生かし、サステナブルなチョコ作りを追及してきた。今では世界50カ国以上に最高品質のチョコレートを届けている。チョコレートを単なるお菓子ではなく芸術作品として捉え、パッケージにはドイツ在住アーティストによる絵画を採用。その美しい見た目も人気の理由の一つになっている。

Weiße Hanf Caramel 2.45€ / 80g
Bitter 100+Cacao Nibs 2.45€ / 80g
https://vivani.de

コメント

  • 一口目は馴染みのない味だけど、ヘンプとキャラメルは甘くておいしい組み合わせ◎(T)
  • 初のカカオ100%……苦いを通り越して酸味が感じられる。チョコマニアの人はぜひ試してほしい(D)
  • 当たり前だけど100%だから甘くない……(笑)。ミルクに溶かしてココアとして飲むとおいしいかも!(C)

the nu company ヌ・カンパニー

the nu company ヌ・カンパニー 雑穀やナッツが入ったさまざまな種類が楽しめる「nucao」

健康的な食事とサステナブルなライフスタイルを理想に掲げ、さまざまな食品を開発するヌ・カンパニー。その始まりは2016年にシェアメイトだった創立者の3人がキッチンでDIYチョコに挑戦したことだったという。試行錯誤の上、一般的なチョコよりも65%少ない砂糖で、100%ビオ&ヴィーガンの「ヌカオ」を開発した。土に返る包装を採用するほか、1商品売れるごとに木を1本植えるプロジェクトなどの環境保護活動にも積極的だ。

nucao
2.29€ / 100g
www.the-nu-company.com

コメント

  • ごはん1膳分の栄養が補給できそう。甘さはそれほど感じられず健康的な味(O)
  • チョコバーというよりもミューズリーバーに近い。珍しい味わい……個人的にはもう少し甘くても良さそう(T)
  • 企業理念に共感! 糖分を控えていたり、ダイエット中の人におすすめ(D)

特別な味をお取り寄せ! 老舗チョコレート店のプラリネ


Rausch ラウシュ

Rausch ラウシュ いろいろなスピリッツがそのまま入った「Selection feine Brände」

家族経営のパティスリーとして1890年に始まり、1918年にベルリンの高級菓子店として設立された。1920年代に開発されたクラシックなプラリネのレシピはラウシュ家によって大切に保管され、今日に至るまでショコラティエたちが愛情を込めて作っている。ベルリンのミッテ地区にあるチョコレートハウスでは、カフェやデリでケーキやアイスクリームなども楽しめる。店内を飾る「チョコレートアート」は圧巻で、一見の価値あり!

Selection feine Brände
12.50€ / 130g
www.rausch.de

コメント

  • かじってびっくり! お酒が溢れ出してくる。チーズとかしょっぱいものと一緒に食べてもいいかも(O)
  • サクランボ酒やウォッカなど6種類のお酒が入っているので、お酒好きな人にとても喜ばれそう(D)
  • 一口で食べないと大変なことになるので、みなさん気をつけて!(笑)(C)

Heinemann ハイネマン

Heinemann ハイネマン お酒入りの定番プラリネが詰まった「Pralinen gemischt mit Alkohol」

鮮やかな緑色のパッケージでお馴染みのデュッセルドルフのコンディトライ。1932年の創業以来、「最高品質と鮮度」を理念に掲げてお菓子作りを続けている。名物のシャンパントリュフをはじめとするプラリネやケーキは地元の人に愛されるのみならず、欧州で高い評価を得ている。チョコレートがけのバウムクーヘンも人気が高く、デュッセルドルフ在住の日本人の間では定番の帰省土産にもなっている。カフェ併設の店舗では、朝食メニューなどの食事も提供する。

Pralinen gemischt mit Alkohol
16.95€ / 240g
www.konditorei-heinemann.de

コメント

  • ハイネマンといえば、クラシックな味と季節ごとに違うすてきなパッケージが特徴(C)
  • 紅茶風味のプラリネがお茶もお酒も香ってなかなかイケる。デュッセルドルフ馴染みの味(D)
  • 名物シャンパントリュフを初めて食べたが、お、おいしい! お酒とチョコがいい感じに口の中で混ざり合う(O)

Elly Seidl エリー・ザイドル

Elly Seidl エリー・ザイドル お好みの種類を選んで詰め合わせられる「Pralinenboxkonfigurator」

エリー・ザイドルは1918年にミュンヘンにオープンしたチョコレート工房。当時ビジネスは男性中心だったことから、創立者のバーバラ・グラートヴォールは女性経営者としてセンセーショナルを巻き起こしたそう。店名は娘のエリーにちなんで付けられ、その後エリーが事業を引き継いだ。120種類以上のプラリネを販売しており、季節限定プラリネや新製品の開発に暇がない。毎年約500万個が世界中のチョコレートファンに届けられている。

Pralinenboxkonfigurator 16 Pralinen
15.60€ / 200g〜
www.ellyseidl.com

コメント

  • 好きなプラリネを選べるのはすてきなアイデア! クマさん型のNougatbärchenはとってもクリーミー(T)
  • 一つひとつ丁寧に作られている感じがして、当たり外れがなさそう。見た目も楽しい◎(O)
  • Aprikosengeistはブランデーでマリネされたアンズが宝石型のようなチョコに入っていて、絶妙なバランス!(D)
チョコレート大国ドイツの
愛とおいしさの秘密
 
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