先輩ママ&パパに聞きました! ドイツの小学校入学準備ガイド
ドイツの小学校に通うと決めたものの、日本と全然違う学校システム、ドイツ語の煩雑な情報に、一体何から準備を始めたらいいのか……。そんなふうに悩んでいる保護者の皆さんにとって少しでもヒントになるよう、先輩ママ&パパにドイツの現地校入学の体験談を聞き込み調査! ドイツならではの学校制度から学校選び、学校生活の悩みまでポイントを押さえてご紹介。わが子が安心して小学校生活をスタートできるよう、入学にしっかりと備えよう。
(文:ドイツニュースダイジェスト編集部)
ドイツの学校システムを簡単に!
ドイツの義務教育の開始年齢は6歳前後で、4年制(ベルリン州とブランデンブルク州の小学校は6年制)の基礎学校(Grundschule)に入学する。卒業後の進路は、成績や学習への取り組みをもとに小学校から推薦書を受け、保護者の希望を加味して決定。ハウプトシューレ(基幹学校)、レアルシューレ(実科学校)、大学進学を目指すギムナジウムに加え、ゲザムトシューレやゼクンダーシューレなどの統合学校も増えてきている。学習内容や在籍期間、卒業資格などは各学校で異なる。参考:1072号特集「ドイツでの学校選び」
お話を聞いた先輩ママ&パパ
- Aさんママ
・デュッセルドルフ在住
・日日家庭
・4年生 - Bさんママ&パパ
・デュッセルドルフ在住
・日英家庭
・1年生 - Cさんママ
・ミュンヘン郊外在住
・日独家庭
・3年生、新1年生 - Dさんママ
・シュトゥットガルト郊外在住
・日独家庭
・8年生、6年生 - Eさんパパ
・ブラウンシュヴァイク在住
・日独家庭
・6年生、4年生、1年生 - Fさんママ
・ライプツィヒ在住
・日日家庭
・1年生、4年生 ※編入
※いずれも現地校に入学もしくは編入
※あくまで個人の経験に基づいた情報です
入学1~2年前 小学校を探す
ドイツでは、日本のように学区ごとに通う小学校が決まっているわけではなく、自分で学校を探さなければならない(州によって異なる)。例えばデュッセルドルフの場合は、おおよそ入学する前の年に自治体から市内小学校のそれぞれの特徴などがまとめられた冊子が送られてくる。その中から条件の合う小学校をリストアップし、オープンデーに行くなどして志望校を決定する。定員以上の入学申し込みがあった場合は、学校の近隣に住んでいる子どもが優先されるため、住んでいる場所によっては足切りされることもあり、必ずしも希望した学校に入れるわけではない。
Q 通っている小学校を選んだ決め手は?
- 子どもたちが自分で通えること
Eさんママ子どもたちが自分で通える現地校を選びました。送り迎えの必要がなく、近さを優先しました。 - 学区で指定された小学校へ
Cさんママバイエルン州では学区が決まっているので、住んでいる地域の指定の現地校へ入学しました。 - 一番評判が良いところに
Bさんママ&パパ近所に三つの小学校があり、なかでも評判の良いところを第一志望にしました。第二希望までの学校名を記入して、第一志望の学校へオープンデーの日に申請書を直接手渡し。しばらくして、入学許可のお知らせが届きました。 - 同じ敷地内にさまざまな中等教育学校があること
Dさんママ同じ敷地内にさまざまな選択肢(ギムナジウム、レアルシューレ、ゲザムトシューレ)があり、小学校からアウスビルドゥングまで歩いて通えるという理由で選びました。 - 第一条件はOGSの定員が多いこと
Aさんママ夫婦共働きのため、学童保育「OGS」(下記参照)の定員が多い(児童の8割以上)ことが第一条件でした。また、その学校に子どもを通わせている保護者の口コミも大事で、何か問題があったときに学校側がどう対応していたかということまで聞きました。オープンデーでは児童に学校が楽しいかどうかなど尋ねるのも◎。最終的に2校に絞って、子どもが決めました。 - DaZクラスがあったこと
Fさんママドイツ語を第二言語とする移民や外国人の子どものためのDaZ(下記参照)クラスがある市内の学校をリストアップし、各校のホームページから活動記録などを見て、自分たちの教育観に一番合いそうな学校を選びました。
ドイツにも学童保育はある?
ドイツの学校はお昼には授業が終わってしまうため、学童保育を利用する家庭が少なくない。地域によって「OGS」(Offene Ganztagsschule)や「Hort」などと呼ばれ、学校が終わった後に給食が提供されるほか、さまざまなアクティビティ、宿題サポートがある。学童保育は学校の敷地内にあることもあるが、別の場所にある場合は一度学校まで迎えに行かなければならない。利用料は保護者の所得によって決まる。
※自治体や学校によって異なるため、詳しくは各自治体のホームページ等を参照
移民や外国人のための「DaZクラス」とは?
DaZ(Deutsch als Zweitsprache)は、ドイツ語を第二言語とする移民や外国人の子どものための特別クラス。できるだけ早く通常クラスで学べるようにすることが目的で、初めは準備クラスで言語を基礎から学び、レベルによって通常クラスの授業を受ける。
経験談 日本からドイツの小学校に編入
志望校にメールで入学願を提出。学校側からすぐに返事を受け取り、3日後には必要書類を持参して直接学校に行き、その日に入学申し込みをして、直近の月曜日から通学が始まるというとんでもない速さで入学が決定しました。学校側の対応は本当にスムーズでした。住民登録証、麻しんの予防接種記録やパスポートのコピーを提出し、あとは学校側から渡された書類に記入するくらいだったと思います。DaZクラスのカリキュラムは、その子のレベルや成長に合わせて日々作り変えられ、少しずつドイツの通常クラスに慣らし、最終的にほとんどの授業を通常クラスで学べるように組んでくれています。(Fさんママ)
Q 入学年はどうやって決めた?
-
5歳で入学
幼稚園の仲の良い子どもたちと一緒に入学
Eさんパパ子ども3人とも入学年は遅らせませんでした。幼稚園で一緒だった仲が良かった子どもたちと一緒に小学校に入学しました。 - 本人の希望もあって5歳で入学
Cさんママ上の子は学年末生まれなので、ギリギリ5歳で入学しました。本人も早く小学生になって勉強したい、幼稚園での生活に飽きたという感じがあったので入学を選びました。一方、幼稚園で誕生日も近かった別のお子さんは1年遅らせる選択をしていました。その子は上に兄弟が4人いたので、ご両親の経験から早めに入学しても学校生活について行けないと判断したそうです。 -
6歳で入学
夏生まれで1年見合わせ
Dさんママ二人目は夏生まれなので、ドイツ語も日本語も中途半端にならないようにと保育園の先生からの助言もあり、Kann-Kind(下記参照)でしたが、入学を1年見合わせました。おかげで、現在は両言語ともペラペラです。入学してから留年するリスクを負うよりも、結果的にとても良かったと思っています。 - 子どもの成長を見て
Aさんママ12月生まれなので5歳で入学しても比較的早く6歳になりますが、子どもの成長を見て1年待ちました。さらに1年遅らせることも考えましたが、小児科の先生も保育園の先生も大丈夫と言ってくれたので、6歳で入学しました。
入学年を決める
「Kann-Kind」と「Muss-Kind」とは?
ドイツの小学校は、連邦州が定めた時点(6月30日~9月30日の間で州によって異なる)に5歳になっている子どもが入学できる。この年齢に当たる子どもを「Kann-Kind」(可能な子ども)と呼ぶが、あくまで入学可能であって義務ではないため、入学を1年遅らせることができる。一方で、この時期までに6歳となっている子どもは「Muss-Kind」(必須の子ども)と呼ばれ、特別な理由がない限りは必ず小学校に入学しなければならない。
参考:familie.de「Kann-Kind oder Muss-Kind: Wann soll mein Kind in die Schule?」
入学前の1年間 入学前検診
基本的に入学する前の年に検診(デュッセルドルフではSchuleingangsuntersuchungen)があり、場合によっては学校が決まる前に検診を行うということも。いわゆる健康診断のほかに、予防接種の有無、子どもの発達や性格、言語能力、運動能力などを診る。
ドイツ語力が十分でない子のための
「Logopädie」とは?
入学前検診でドイツ語でのコミュニケーションに問題(発語が遅い、発音がうまくできないなど)があるとされた場合、Logopädie(ロゴペディ、音声言語病理学)といわれるセラピーが検討される。セラピーを受けるには、推薦状を持って小児科に行き、処方せんを出してもらう必要がある。
経験談 小児科では必要ないと言われたけれど
- Bさんママ&パパ入学前検診でドイツ語能力がほかの子どもに比べて劣っており、ドイツ語の発音が満足にできないため、何らかのサポートを受けることを勧められました。ところが小児科の家庭医に相談したものの、子どもの滑舌や発音には大きな問題はないとして、処方せんをもらうことができませんでした。そんな折、たまたま別の医師に診てもらう機会がありました。その先生は子どもの状況を理解してくれ、処方せんを出してくれることに。その後、セラピーが受けられる場所を探して、セラピストと面談。現在は週1回のセッションに通い、子どものドイツ語は格段に上達しました。まだコミュニケーションに苦労することもありますが、今後も続けていきたいと思っています。
入学前の秋冬 入学手続きをする
※デュッセルドルフは11月の3日間
入学手続きの日に、子どもと両親が一緒に学校に行く。願書とは別に、さまざまな必要書類にサインをする。子どもの能力や性格などをチェックするための簡単なテストがあるが、その結果によって入学できなくなるということはほぼない。もし同じクラスにしてほしい友だちがいる場合(保育園や幼稚園で仲の良かった友だちなど)は、希望表に書くことができるのは、日本との大きな違いの一つ。
入学半年~数カ月前 入学準備をする
いよいよ入学準備スタート。日本のランドセルに当たる「Schulranzen」を購入するほか(必ずしもこれである必要はない)、学校からの持ち物リストに従って文房具や体操着などを用意する。また入学祝いの大事なアイテムとして、「Schultüte」(詳しくは下記)を作ったら準備万端!
入学を祝う「Schultüte」とは?
文房具やお菓子、おもちゃなどを入れて作る円すい型の「Schultüte」(シュールトゥーテ)は、ドイツの小学校入学をお祝いするアイテムとして欠かせない。その歴史は古く、200年前のテューリンゲン州とザクセン州が起源といわれており、当初はドライフルーツやプレッツェルを入れていたという。シュールトゥーテは既製品もあるが、自宅や保育園で手作りするなどバリエーションはさまざま。また弟や妹がいる場合は、小さな「Geschwistertüte」を用意することも。
参考:BR Kinder「Zum Schulanfang: Von Zuckertüten und Schultüten」
Q 入学準備で大変だったことは?
- ドイツ語が十分にできないこと
- Bさんママ&パパ両親ともドイツ語ネイティブではないため、第一志望に入れるか不安がありました。当初の面接の日程が日本への一時帰国の時期と重なったため、面接時期の前倒しをお願いして、個別に時間をとってもらい面接をしました。
- Fさんママ一番困ったことは、家族の誰もドイツ語を話せないことでした。小学校を探すために、全てドイツ語で書かれた情報を翻訳して調べなくてはいけなかったので、とても時間がかかりました。でも、DaZクラスでは珍しいことではないようで、学校が始まってからは、重要な話の面談は通訳を介したり、先生とは直接メールで翻訳しながら連絡を取ったりすることができ、学校生活では特に問題なく過ごせています。
- Aさんママ持ち物リストにあるドイツ語が何を指しているのか分からず、周りの人に聞いたり、グーグル画像検索をしたりしながら集めました。
- 学童保育の登録
- Eさんパパ入学手続きはドイツ人のパートナーがやってくれました。僕一人でやっていたら、もっと困っていたことがあったと思います。なかなか席が確保できないと聞いていたので、Hortへの登録は早めにしました。
- Cさんママ放課後の学童保育への申し込みが大変でした。基本的に人員不足なので、当然入学前からアプローチしていましたが、なかなか空きが出ず、しばらくはお昼前には帰宅する学校生活を送っていました。
- 情報が少なすぎる
- Dさんママこちらから尋ねないと情報が回ってこなかったり、プロトコルがなかったり……。トドメは、持ち物リストがクラスによって異なり、しかも入学式当日に渡されて、次の日に準備してくるようになど、無茶なことばかりを言われた経験があります。
- Aさんママ持ち物に関しては指定されるものもありますが、項目のみで具体的に決まっていないものが多かったです。例えば体操着といわれても、どんなものがいいのか分からないので、ドイツ人のママ友に相談などしていました。結果的には何でも良かったのですが(笑)。
- 準備するものに細かい指示
- Eさんパパ教科書の準備、必要な道具に、細かな指示がありました。ノイズをカットするヘッドフォンなど、こんなもの必要あるのかというものまで。また全ての持ち物に名前シールを貼りました。
- Cさんママ必要な文具のリストを渡されて、自分でそろえなければならない点です。担任ごとに使用するものが違い、指定カラーのブックカバーやファイルなどを集めるために文房具店をハシゴしました。
- ある程度泳げるようにしておく
- Aさんママ小学校入学前に、水泳の初心者マークである「Seepferdchen」(タツノオトシゴ)を取得することが一つの目安になっています。小学校の水泳の授業は一人ひとりサポートがつくわけではないため、ある程度水に慣れておくことが大事です。
日本とここが違う!ドイツの小学校生活のリアル
同じ小学校といえども、日本とドイツではシステムはもちろん、授業や学校生活は違うことだらけ。引き続き先輩ママ&パパの生の声から、ドイツならでは学校の特徴をピックアップ。ちょっと驚きのドイツの小学校事情をご紹介する。
学校制度
- 4年間クラス替えなしで先生も一緒
Aさんママクラス替えなしで、担任の先生も理由がない限りは変わらないというのは、日本とずいぶん大きな違いです。授業のやり方は自由なので、先生の影響力はとても大きいと思います。 - テストの点だけでは評価されない
Aさんママ成績の付け方はテストの点数に加えて、授業への取り組み具合も評価されます。ちなみに、子どもの担任の先生はテストは5割、発言が3割、授業態度や宿題の提出率が2割くらいの比重で成績を付けると言っていました。先生と相性が悪かったり、生意気な態度を取っていたりすると授業態度が悪いと言われるお子さんもいるようです。 - Cさんママ日本的な家庭のせいか、わが子には良い点であり難しい点ですが、テストでいくら良い点を取っても、授業中に挙手して発言をしなければ、かなり評価が低くなってしまいます。自信がなかったり恥ずかしかったりして発言することが難しいようです。
- 成績が足りなければ留年も
Aさんママ成績は6段階評価(1が最高)。5(mangelhaft/不十分)と6(ungenügend/不可)を取ってしまうと留年の危機に。子どもが通っている学校はインターナショナルな背景を持つ児童が多く、留年する子が毎年1~2人います。このままのドイツ語力ではギムナジウムに入れないという移民家庭のお子さんが、自主的に留年するパターンも。 - 先生たちの働き方も多様
Fさんママ先生たちは体調不良や家族の関係で休まれることが多いです。先生の数は日本の2〜 2.5倍はいるのではないでしょうか。学童の先生も同じ数いるので、学校は先生だらけに見えます。校外学習でも10人に1人に先生が付き添うイメージです。 - Aさんママ担任の先生は授業が終わるとすぐ帰ってしまいます。なので何か相談があるときは、アポイントが必要です。先生の働き方も多様で、例えば子育て中の先生はフルタイムでなくても担任を受け持つパターンもあるそうです。
授業
- 朝が早い
Bさんママ&パパ朝は8時に授業が開始されるので、その前までに登校します。冬の朝はまだ外が真っ暗な中登校しています。1年生は11時半まで授業です。 - 授業の進み方がゆっくり
Eさんパパあくまで自分が通っていた(35年以上前)小学校との比較ですが、言語の授業の進行がドイツの方がゆっくりしていると感じます。週に二つのアルファベットを勉強していました。 - 宗教の授業がある
Aさんママ宗教の授業があり、参加は自由です。カトリックとプロテスタントに分かれて授業を受けるのですが、例えばイスラム教の授業は提供していないので、ムスリム家庭の子どもは不参加です。うちの子は授業に参加する代わりに好きな本を読む方がいいとのことで、本人の意思で出ていません。 - 低学年でもプレゼンの課題あり
Dさんママ2年生くらいから、テーマに沿ってみんなの前でプレゼンをする課題があります。テーマはお気に入りの本の紹介や自分が選んだ国についての研究など。日本ではあまりない学習スタイルだと思います。準備するのは大変そうですが、自信たっぷりに人前で話すスキルと度胸が磨かれるのは素晴らしいと思いました。 - 体育の授業は校外へ
Aさんママ体育の授業を校外で受けることが多いという印象です。学校の設備として校庭もそんなに大きくないし、プールもありません。そのため、陸上競技場やプールにバスで行き、アイススケートの授業もあります。 - 性教育の授業は子どもの権利
Aさんママ性教育の授業では事前にどんな内容を学ぶのか、どんな写真やイラストを使うのか、保護者に連絡がありました。その上で、これを学ぶことは子どもの権利であり、参加は必須であることを強く言われ、問題がある場合は連絡くださいとのことでした。
学校生活
- 登校手段は自由
Aさんママ学校に行くのは、自転車でもキックボードでもOKです。送り迎えも許可されています。 - 休み時間に間食できる
Fさんママ休憩時間にお菓子などを間食できることは、日本の小学校にないことの一つ。お菓子の交換もよくあります。ドイツでは宗教もさまざまで、アレルギーもありますし、子どもたちはそれぞれ食べていいもの、食べてはいけないものを自己管理しているようです。そのおかげで私の子どもたちは宗教をはじめ、アレルギー、ヴィーガンなどの理由で特定の物を食べられない友だちがいることを学びました。 - 給食は多様性に配慮
Aさんママイスラム教の児童も多いので、給食は豚肉は絶対に使わないですし、ベジタリアン用に肉抜きのメニューもあります。 - 自分たちで教室の掃除をしない
Cさんママドイツの学校では児童は掃除をしません。HRで教室のゴミを1人10個拾うということはやったことがあるみたいです。 - Dさんママ子どもたち自身がお掃除をする習慣がないので、教室もトイレも信じられないくらい汚ないです。子どもにはそれが当たり前だと思ってほしくないなと思っています。
- 禁止事項が少ない
Aさんママ学校でアクセサリーやエクステを付けることや、マニキュアを塗ることなども禁止されていません。安全上配慮が必要なものに関しては禁止されることもありますが、人権や民主主義の問題で理由なく禁止できないという雰囲気を学校全体でとても感じます。 - 病欠以外で学校を休めない
Bさんママ学校を病欠以外(もしくは親戚が亡くなるなどやむを得ない場合を除く)で休めず、守らない場合は警告を受け、最終的に罰金が課されます。1年生のうちの子の場合は病欠に医者の診断書は必要ありませんが、3日以上になる場合は必要です。
宿題・学童保育
- 宿題が少ない
Eさんパパ宿題の量は日本より少ないです。金曜日、週末、長期休暇の時はなく、きちんと休むことを大切にしています。月曜~木曜の宿題は学童でやり、残った分は自宅に持ち帰るのですが、基本は子どもが自分でやっています。 - Fさんママ宿題はほとんどないため、わが家では毎日1~1.5時間と時間を決めて、日本の算数、国語、ドイツ語の勉強をしています。私たちは日本に帰る予定でいるため、毎日勉強することは何を勉強するとしてもとても大切だと考えています。
- 宿題のドイツ語レベルが高いことも……
Cさんママ現在のバイエルン州の3年生は、毎日算数と国語/社会/倫理/宗教のいずれかが宿題になっています。算数でも求められるドイツ語レベルが高く、ドイツ語B2レベルの私にギリギリ分かったり分からなかったりする程度なので、ドイツ人の夫がしっかりチェックしてくれています。 - Bさんママ&パパ簡単な内容でも、親がドイツ語ネイティブでないと分からないことが多く、かなり時間を取られるので大変でした。両親のどちらがみる、ということは決めずに、できる方がやります。発音などが必要とされる場合は、父親にやってもらいました。OGSに通い始めてからは宿題をみてもらえるので、家では確認作業のみです。
- Aさんママいろいろな機材を駆使して、子どもと一緒に頑張って取り組んでいます(笑)。算数の難易度が高いわけではないのですが、ひっ算など計算方法がドイツと日本では違うことがあって、日本のやり方と比較して回りくどく感じることがあります。
- 学童でさまざまな経験ができる
FさんママHortはただ放課後に学校で宿題をして、遊ぶだけではなく、いろいろな体験をさせてくれるのがいいところ。例えば、スポーツや美術は専門の先生から教わっています。
校外学習・イベント
- 2週間に1度は校外学習
Fさんママ2週間に1度はトラムやバスに乗って、校外学習に出かけていると思います。Dazクラスだからかもしれません。その中で街の人の話を直接聞いたり、レストランで食事をしたり、自分で買い物をしたり、役所や美術館、映画館、本当の社会生活を実践させてくれています。 - 季節やキリスト教関連の行事
Cさんママキリスト教の行事(イースターやクリスマス)ごとにクラス全員で朝食会があります。その日は各自皿やカトラリー、担当を割り振られた食材を持参します。 - Dさんママ: ファッシング(カーニバル)の仮装パーティー、パジャマで登校する日、学年末の持ち寄りパーティー、クリスマスのミサ……などがあります。
- 学校活動のために寄付集め
Aさんママ学校祭は基本的には寄付集めの場で、学校での活動資金を集めています。子どもの学校では毎年「Sponsorenlauf」(チャリティーラン)を実施。両親や祖父母にスポンサーになってもらい、例えばトラック1周5ユーロと決めて走った分の寄付を集めます。そのお金は外部のサーカス団を呼ぶために使っていました。
先生や保護者同士のコミュニケーション
- 担任が4年間一緒なのでよく見てくれる
Aさんママ担任の先生が変わらないので、関係性が濃く感じます。先生も成長過程を見ているので、個性を把握してくれているなと思うので、信頼感があります。ただ、日本のような連絡帳などがあるわけではないので、日頃のコミュニケーションはすごく少なく感じるかもしれません。個人面談は年に2回くらいですが、何か相談があればメールや面談で対応してくれます。 - フランクに連絡を取り合える
Eさんパパ学校の先生とはEメール、親同士はWhatsAppグループで連絡しています。また半期に一度くらい、保護者会があります。先生や保護者同士の関係は、ドイツの方がフランクで気さくだと思います。 - Cさんママクラスの保護者とは、WhatsAppのチャットグループでやりとりをしています。宿題の範囲の確認など、情報共有はフランクにできます。
- 病欠の連絡もチャットで
Bさんママ&パパ保護者間で、WhatsAppのグループがあるので、両親ともに参加しています。子どもが風邪で休む場合などもそこでやりとりして、クラスメイトから学校へ伝えてもらいます。
日本語補習校に通うべきか迷ったら……
外国に暮らす日本人家庭だけでなく、日本的背景を持った子どもたちが日本語や日本文化を学ぶ場が日本語補習校だ。多くは土曜に開講され、現地校とのダブルスクールとなることから子どもにとっても保護者にとっても負担となる反面、さまざまなメリットがある。最後に、日本語補習校に子どもを通わせているママ&パパのリアルな声をご紹介。日本語補習校に通うかどうか悩んでいるご家庭は、ぜひ参考にしてみて。
- 日本語だけの時間が過ごせる
Dさんママ補習校の良いと思う点は、❶同じ年齢の子どもと日本語の会話ができること、❷日本語だけの時間を過ごせること、❸日本ならではの行事を家族以外の多くの人と楽しめること、❹親同士のつながりができること、❺日本語の図書館があることです。一方で負担になる点は、❶土曜はほかにも行事が多く何を優先させるかがいつも問題になること、❷宿題をこなせないと授業についていけず、子どもが悲しい思いをすることなどです。 - 日本語学習が習慣化できる
Eさんパパ日本語補習校に通うメリットとしては、日本語学習が習慣化できること、同じ環境で日本語を学ぶ友だちができることがあります。子どもの負担は宿題をやることで、漢字と日記の宿題が大変そうです。また保護者としては送り迎えが負担になっています。 - 孤独にならない
Bさんママ日本語を話す、または習おうというほかの子どもの存在を知ることで、自分が孤独にならず、日本語学習のモチベーションを上げるのに良い機会であると思います。先生を筆頭に、日本語を話す大人に出会う機会でもあり、語学以外でも日本の文化を教えてもらえるので、親一人ではできないことを享受できます。一方で、親の努力と子どもの興味・やる気がそろわないと、継続が困難であるとも感じます。 - 母語に自信を持てる
Aさんママ特に日日家庭で育った日本語に強い子どもの場合、現地校でうまく自分を表現できないこともあり、補習校が母語で自分を表現できる場になっていて、日本語補習校は自分自身を保つためにも必要な時間だと感じています。また読み書きができるようになると、日本語が学習言語の一つになりますし、何より子どもが母語に自信を持てたことが大きいです。